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令和6年度 1級土木施工管理技士 No.43を解説、海岸堤防の施工

令和6年度(2024年)1級土木施工管理技術検定 第一次検定(問題A)No.43は、海岸堤防の施工に関する記述のうち、適当でないものを選ぶ問題です。建設位置と地盤対策、堤体の盛土材料と締固め、表法被覆工の施工継手、海上工事の施工条件という4つの記述を見分けます。

この問題のポイント

誤りは、表法被覆工でコンクリートを場所打ちするときの継手の向きにあります。法面に沿って水平に継ぐと、継目が法面の傾きに沿った弱い線として通り、そこからひび割れやずれが生じます。施工継手は法面に対して直角方向に設けます。⑶が水平打ち継ぎと書いており、そこが引っかけになります。

※ 問題文そのものは、全国建設研修センターが公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢3(最も不適当な記述)

各選択肢の正誤

選択肢正誤解説
⑴ 堤防建設位置は制約を受けることが多く、強度の低い地盤に施工せざるをえない場合には、必要に応じて押え盛土、地盤改良等を考慮する○(正しい)位置を選べない以上、地盤側を押え盛土や改良で補う
⑵ 堤体の盛土材料は原則として多少粘土を含む砂質又は砂礫質のものを用い、締固めは土質や使用機械に応じ、適当な含水量の状態で各層、全面にわたり均等に行う○(正しい)透水性と締固めやすさのバランスを取り、層ごとに均等に締め固める
⑶ 表法被覆工でコンクリートを場所打ちする際、特に緩傾斜の場合には、施工継手はクラックを生じさせないように水平打ち継ぎとする×(誤り)施工継手は水平打ち継ぎでなく、法面に対して直角方向とする
⑷ 海上工事となる場合には、波浪、潮汐、潮流の影響を強く受け、作業時間が制限される場合もあるため、施工条件に対する考慮が重要である○(正しい)作業できる時間帯そのものが海象に左右される

選択肢3のポイント(ここが誤り)

表法被覆工は、堤防の海側の法面をコンクリートで覆う工事です。場所打ちでは打設区画ごとに継手ができますが、この継手を法面に沿って水平に通すと、傾いた面の途中に横一線の弱い面が残ります。波が打ち上がるたびにその線へ力が集中し、ひび割れや上側のブロックのずれにつながります。

そのため表法被覆工の施工継手は水平打ち継ぎとせず、法面に対して直角方向に設ける。緩傾斜ほど法面が長くなり継手の影響が出やすいので、この点が問われます。⑴の押え盛土や地盤改良の考慮、⑵の多少粘土を含む砂質・砂礫質の盛土材料と各層均等な締固め、⑷の波浪・潮汐・潮流による作業時間の制限への配慮は、いずれも正しい記述です。したがって適当でないものは選択肢3です。

覚え方

  • 表法被覆工の施工継手は法面に直角。水平に通さない
  • 堤体の盛土材料は多少粘土を含む砂質・砂礫質。各層、全面にわたり均等に締め固める
  • 低強度地盤なら押え盛土や地盤改良/海上工事は波浪・潮汐・潮流で作業時間が制限される

理解度チェック

問題:表法被覆工でコンクリートを場所打ちする際、緩傾斜の場合の施工継手は水平打ち継ぎとする。

〇か×か。

答え:×

施工継手は法面に対して直角方向とします。水平に通すと継目に沿ってひび割れやずれが生じやすくなります。

問題:堤体の盛土材料には、原則として多少粘土を含む砂質又は砂礫質のものを用いる。

〇か×か。

答え:

締固めやすさと堤体としての性能を両立させる材料で、適当な含水量の状態で各層均等に締め固めます。

令和6年度 1級土木施工管理技士 第一次検定 過去問解説 一覧へ

出典・参考資料

  • 一般財団法人 全国建設研修センター「令和6年度 1級土木施工管理技術検定 第一次検定(問題A・種別:土木) 問題」
  • 表法被覆工の施工継手(施工継手は法面に対して直角方向とする必要があります):1級土木施工管理技士の過去問 令和6年度 問43

※ 問題文は転載していません。海岸堤防の施工は、海岸保全施設の技術上の基準・同解説、土木工事共通仕様書(河川海岸編)等で確認してください。

ハナダユキヒロ

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

土木施工管理技士試験で過去に問われた用語・数値・施工手順を、官公庁の仕様書や日本道路協会の便覧に照らして整理しています。

「建築学生が学ぶ構造力学」(kentiku-kouzou.jp)を運営。著書「わかる構造力学」(工学社)。

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