令和6年度(2024年)1級土木施工管理技術検定 第一次検定(問題A)No.44は、港湾の防波堤の施工に関する記述のうち、適当でないものを選ぶ問題です。傾斜堤、ブロック式の直立堤、ケーソン式の直立堤、混成堤という4つの形式について、施工上の長所と短所を見分けます。
防波堤は、形式ごとに施工設備の大きさと、施工中に波から受ける影響の大きさが違います。
問われるのは、傾斜堤が直立堤より施工時の波の影響を受けにくいかどうかという比較です。
引っかけは、この比較を逆にする形で作られています。
※ 問題文そのものは、全国建設研修センターが公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢1(最も不適当な記述)
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| ⑴ 傾斜堤は、施工設備が簡単であり、工程が単純で、施工管理が容易であるが、直立堤より施工時に波の影響を受けやすい | ×(誤り) | 傾斜堤は直立堤より施工時の波の影響を受けにくい。前半の説明は正しい |
| ⑵ ブロック式の直立堤は、施工が確実、容易であり、施工設備も簡単であるが、海上作業期間は一般に長くなり、ブロック数の多い場合、広い製作用地を必要とする | ○(正しい) | ブロックを1個ずつ据え付けるため海上での作業が長引く |
| ⑶ ケーソン式の直立堤は、本体製作をドライワークで行うことができるため施工が確実であるが、荒天日数の多い場所では施工日数に著しく制限を受ける | ○(正しい) | 陸上で確実に造れる反面、据付けは海象に左右される |
| ⑷ 混成堤は、捨石部と直立部の高さの割合を資材の入手や価格で決め経済的な断面にできるが、施工法及び施工設備が多様となる | ○(正しい) | 2つの形式を組み合わせるぶん、必要な工法と設備が増える |
傾斜堤は、捨石やブロックを台形状に積み上げて造る防波堤です。据え付ける単位が小さく、施工の途中で波を受けても全体の形が一度に壊れるわけではありません。使う設備も投入船やクレーンなど簡単なもので済み、工程も単純です。
ここから、傾斜堤は直立堤より施工時に波の影響を受けにくいと整理できます。⑴は受けやすいと書いており、この比較が逆です。
直立堤はブロックやケーソンを所定の位置へ正確に据え付ける必要があり、波があると作業できません。
⑵のブロック式は海上作業期間が長く広い製作用地が要ること、⑶のケーソン式は本体をドライワークで造れる反面、荒天日数の多い場所では施工日数に制限を受けることは、いずれも正しい記述です。
⑷の混成堤を経済的な断面にできる反面、施工法と施工設備が多様になることも、正しい記述です。
問題:傾斜堤は、直立堤より施工時に波の影響を受けやすい。
〇か×か。
答え:×
受けにくいほうです。捨石やブロックを積み上げる形式で、施工設備も簡単で工程が単純です。
問題:ケーソン式の直立堤は、本体製作をドライワークで行えるが、荒天日数の多い場所では施工日数に著しく制限を受ける。
〇か×か。
答え:〇
陸上での製作は確実に進められますが、えい航と据付けは海象条件に左右されます。
出典・参考資料
※ 問題文は転載していません。防波堤の施工は、港湾の施設の技術上の基準・同解説等で確認してください。
※ この記事の確認日:2026年7月
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