令和6年度(2024年)1級土木施工管理技術検定 第一次検定(問題A)No.45は、港湾工事におけるケーソンヤードでのケーソンの製作・進水方式に関する記述のうち、適当でないものを選ぶ問題です。斜路(滑路)方式、ドライドック方式、ドルフィンドック方式、吊り降し方式という4つの方式を見分けます。
誤りは、ドライドック方式の初期投資にあります。ドライドックは陸地を掘り込んで水密の扉で締め切る恒久設備で、造るのに費用と時間がかかります。初期投資は大きく、規模が大きく長期的に使える現場でこそ元が取れる方式です。⑵が初期投資を小さいと書いており、そこが引っかけになります。安全性に富むという前半の説明は正しい内容です。
※ 問題文そのものは、全国建設研修センターが公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢2(最も不適当な記述)
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| ⑴ 斜路(滑路)方式は、ケーソンを自重で降下進水させるため、製作函台部に勾配があり延長を長くすると奥側のケーソンの降下速度が大きくなり危険である | ○(正しい) | 勾配の上を自重で滑らせるため、奥ほど速度が出て制御しにくい |
| ⑵ ドライドック方式は、ドック内に注水したのち引き出す方法のため安全性に富み、規模が大きく長期的な利用が可能な場合に有利で、初期投資は小さい | ×(誤り) | ドライドック方式の初期投資は大きい。安全性に富む点は正しい |
| ⑶ ドルフィンドック方式は、ケーソン製作や進水時に船体全体を水面下に沈めるため、クレーン及び注水排水設備、発電設備等は別途、陸上や付属船に装備される | ○(正しい) | 船体を沈めるので、設備は本体でなく陸上や付属船側に置く |
| ⑷ 吊り降し方式は、護岸の背後等でケーソンを製作し大型起重機船で吊り降すため、製作時にケーソンの自重により既設構造物に影響を及ぼす場合があり、事前に安定の確認が必要である | ○(正しい) | 護岸の背後に重量物を置く形になるため、既設構造物への影響を確かめる |
ドライドック方式は、陸地を掘り込んだドックの中でケーソンを製作し、完成後にドック内へ注水して浮かせ、扉を開いて引き出す方式です。水を抜いた状態で作業できるので製作は確実で、進水も注水して浮かべるだけのため安全性に富みます。
ただしドック本体という恒久設備を築造するため、初期投資は大きい。⑵はこれを小さいと書いており、そこが誤りです。規模が大きく長期的な利用が可能な場合に有利という記述は、裏を返せば初期投資を回収できる条件が要るという意味になります。⑴の斜路方式で延長を長くすると奥側の降下速度が大きくなること、⑶のドルフィンドック方式で設備を陸上や付属船に装備すること、⑷の吊り降し方式で製作時の自重が既設構造物に影響しうることは、いずれも正しい記述です。したがって適当でないものは選択肢2です。
問題:ドライドック方式は安全性に富み、規模が大きく長期的な利用が可能な場合に有利で、初期投資は小さい。
〇か×か。
答え:×
初期投資は大きくなります。ドックという恒久設備を築造するためで、長期的に使える場合に有利になります。
問題:斜路(滑路)方式では、製作函台部の延長を長くすると奥側のケーソンの降下速度が大きくなり危険である。
〇か×か。
答え:〇
自重で降下進水させる方式のため、勾配上の距離が長いほど速度が出ます。一度に製作できる函数にも制限が出ます。
出典・参考資料
※ 問題文は転載していません。ケーソンの製作・進水は、港湾の施設の技術上の基準・同解説等で確認してください。
※ この記事の確認日:2026年7月
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