ゼロから学ぶ土木施工管理

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令和7年度 1級土木施工管理技士 問題B No.1を解説、TS(トータルステーション)による測量

令和7年度(2025年)1級土木施工管理技術検定 第一次検定 問題B(施工管理法の応用能力)No.1は、TS(トータルステーション)を用いて行う測量に関する記述のうち、適当でないものを選ぶ問題です。鉛直角観測・水平角観測・距離測定のそれぞれで、読定の回数や対回の数、観測方向数、較差の許容範囲が正しく書かれているかを見分けます。

この問題のポイント

TSを用いた基準点測量では、鉛直角・水平角・距離のそれぞれに観測の回数が細かく決められています。誤りは鉛直角観測の回数にあります。正しくは1視準1読定、望遠鏡の正と反による観測を1対回とします。選択肢⑴はこれを「1視準2読定・2対回」とし、読定回数と対回数をどちらも規定より多く書いています。対回を2回とするのは水平角観測の値で、鉛直角観測とすり替えて覚えていないかが問われます。

※ 問題文そのものは、全国建設研修センターが公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢1(最も適当でない記述)

各選択肢の正誤

選択肢正誤解説
⑴ TSでの鉛直角観測は、1視準2読定、望遠鏡正及び反の観測を2対回とする×(誤り)鉛直角観測は1視準1読定・正反で1対回が正しく、「1視準2読定・2対回」は読定回数も対回数も過大。2対回は水平角観測の値との取り違え
⑵ TSでの水平角観測において、対回内の観測方向数は、5方向以下とする○(正しい)対回内の観測方向数を5方向以下とする規定で正しい
⑶ TSでの距離測定は、1視準2読定を1セットとする○(正しい)距離測定は1視準2読定を1セットとする規定で正しい
⑷ TSでの距離測定において、1セット内の測定値の較差の許容範囲は、20mmを標準とする○(正しい)1セット内の測定値の較差を20mmとする標準で正しい

選択肢1のポイント(ここが誤り)

TSの鉛直角観測は、目標を1回視準して1回読み取る1視準1読定とし、望遠鏡を正(右)と反(左)にした観測1組を1対回とします。選択肢⑴は読定を2回、対回を2回としており、読定回数と対回数がどちらも規定より過大です。

対回を2回とするのは水平角観測の値です。水平角観測は1視準1読定を正反で行って2対回としますが、鉛直角観測は1対回でかまいません。同じ角度の観測でも水平と鉛直で対回数が違い、この2つを入れ替えさせるのが引っかけです。なお距離測定は1視準2読定を1セットとし、読定を2回行う点は鉛直角観測と異なります。読定と対回の回数は観測項目ごとに決まっているため、数字だけを覚えず項目とセットで押さえます。

覚え方

  • 鉛直角観測は1視準1読定、望遠鏡正及び反で1対回(読定も対回も1)
  • 水平角観測は1視準1読定を正反で2対回、対回内の観測方向数は5方向以下
  • 距離測定は1視準2読定を1セット、1セット内の測定値の較差は20mmを標準
  • 読定と対回の回数は項目ごとに違う(鉛直=読定1・対回1/水平=読定1・対回2/距離=読定2)

理解度チェック

問題:TSでの鉛直角観測は、1視準2読定、望遠鏡正及び反の観測を2対回とする。

〇か×か。

答え:×

鉛直角観測は1視準1読定、望遠鏡正及び反の観測を1対回とします。2対回とするのは水平角観測で、読定回数と対回数がどちらも過大です。

問題:TSでの水平角観測において、対回内の観測方向数は、5方向以下とする。

〇か×か。

答え:

水平角観測の対回内の観測方向数は5方向以下とします。方向数が多いときは、群に分けて観測します。

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出典・参考資料

  • 一般財団法人 全国建設研修センター「令和7年度 1級土木施工管理技術検定 第一次検定 問題B(施工管理法・応用能力) 問題」
  • 国土地理院「作業規程の準則」(基準点測量の観測):鉛直角観測は「1視準1読定、望遠鏡正及び反の観測を1対回とする」/水平角観測の対回内の観測方向数は5方向以下/距離測定は1視準2読定を1セットとし、1セット内の測定値の較差は20mmを標準とする。

※ 問題文は転載していません。観測の基準は国土地理院の作業規程の準則で確認してください。

ハナダユキヒロ

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

土木施工管理技士試験で過去に問われた用語・数値・施工手順を、官公庁の仕様書や日本道路協会の便覧に照らして整理しています。

「建築学生が学ぶ構造力学」(kentiku-kouzou.jp)を運営。著書「わかる構造力学」(工学社)。

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