令和7年度(2025年)1級土木施工管理技術検定 第一次検定 問題B(施工管理法の応用能力)No.8は、建設工事現場における保護具の使用に関する記述のうち、誤っているものを選ぶ問題です。保護帽の使用や交換の扱い、安全靴と足の甲のプロテクタの交換、防じんマスク・防毒マスクの限界、回転する刃物を扱う作業での手袋の扱いが、正しく書かれているかを見分けます。
保護具は労働者を災害から守る道具ですが、使い方を誤ると逆に危険を生みます。誤りは選択肢⑷で、ボール盤や面取り盤などの回転する刃物に手が巻き込まれるおそれのある作業で、手袋を使用させなければならない、と書いています。回転する刃物に手袋の繊維が巻き込まれると、手ごと機械へ引き込まれる重大災害につながります。このため労働安全衛生規則では、こうした作業では手袋を使用させてはならないと定めています。守るための手袋が、逆に危険になる場面を義務と禁止で取り違えていないかが問われます。
※ 問題文そのものは、全国建設研修センターが公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢4(誤っている記述)
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| ⑴ 保護帽は頭に合ったものを使い、一度でも大きな衝撃を受けたものは外観に損傷がなくても使用しない | ○(正しい) | 強い衝撃を受けた保護帽は内部が傷み保護性能が落ちるため、見た目に損傷がなくても使わない扱いで正しい |
| ⑵ 衝撃・圧迫を受けた安全靴や足の甲のプロテクタは、外観に損傷がなくても速やかに交換する | ○(正しい) | 先端の芯やプロテクタは一度の衝撃で保護性能が損なわれるため、外観にかかわらず交換する記述で正しい |
| ⑶ 防毒マスク・防じんマスクは酸素欠乏症の防止に効力がなく、酸素欠乏危険作業に用いてはならない | ○(正しい) | これらは空気中の有害物を除くだけで酸素は供給せず、酸欠作業では送気マスク等を使う記述で正しい |
| ⑷ ボール盤・面取り盤等の回転する刃物に手が巻き込まれるおそれのある作業では、手袋を使用させなければならない | ×(誤り) | 回転する刃物に手が巻き込まれるおそれのある作業では、手袋を使用させてはならない(労働安全衛生規則第111条)。手袋の繊維が巻き込まれ、手ごと機械へ引き込まれるのを防ぐため |
ボール盤や面取り盤のように刃物が回転する機械では、手袋の布や糸が刃物や主軸に絡むと、手がそのまま機械へ引き込まれます。この巻き込みを防ぐため、労働安全衛生規則第111条は、回転する刃物に手が巻き込まれるおそれのある作業では、事業者は労働者に手袋を使用させてはならないと定めています。選択肢⑷は、この作業で手袋を「使用させなければならない」と義務のように書いており、規則の「使用させてはならない」と真逆です。
保護具は着ければ安全という道具ではなく、作業に合わせて使い分けるものです。手を保護するはずの手袋が、回転する刃物の前ではかえって重大災害の原因になります。⑴〜⑶は、衝撃を受けた保護帽や安全靴を外観にかかわらず使わない・交換する扱い、防じんマスク・防毒マスクを酸素欠乏危険作業に使わない扱いで、いずれも正しい記述です。
問題:ボール盤や面取り盤等の回転する刃物に手が巻き込まれるおそれのある作業では、労働者に手袋を使用させなければならない。
〇か×か。
答え:×
労働安全衛生規則第111条は、回転する刃物に手が巻き込まれるおそれのある作業では、手袋を使用させてはならないと定めています。手袋が巻き込まれ、手ごと機械へ引き込まれる重大災害を防ぐためです。
問題:防じんマスクや防毒マスクは、酸素欠乏危険作業に用いてはならない。
〇か×か。
答え:〇
防じんマスク・防毒マスクは空気中の有害物を除くだけで酸素は供給しません。酸素欠乏のおそれがある場所では効力がなく、送気マスクや空気呼吸器などを使います。
出典・参考資料
※ 問題文は転載していません。保護具の使用・交換の扱いは、労働安全衛生規則および厚生労働省の保護具に関する規定で確認してください。
※ この記事の確認日:2026年7月