令和7年度(2025年)1級土木施工管理技術検定 第一次検定 問題B(施工管理法の応用能力)No.9は、建設工事の労働災害防止に関する記述のうち、適当でないものを選ぶ問題です。
高所作業の安全は、教育の種類・投下時の措置・ロープの緊結・上下作業の4つから出ています。
問われるのは、フルハーネス型の器具を使う作業に必要な教育です。
引っかけは、教育の区分を1段上にずらす形で作られています。
※ 問題文そのものは、全国建設研修センターが公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢1(適当でないもの)
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| ⑴ フルハーネス型の墜落制止用器具を用いて行う作業は、技能講習を受けた者が行う | ×(誤り) | 高さ2m以上で作業床を設けることが困難な箇所でフルハーネス型の墜落制止用器具を用いる作業は、技能講習ではなく特別教育を受けた者が行う(労働安全衛生規則第36条第41号) |
| ⑵ 高さ3m以上の高所から物体を投下するときは、投下設備を設け、立入禁止区域を設定し、監視員を配置する等の措置を講じる | ○(正しい) | 投下設備の設置・立入禁止区域の設定・監視員の配置により、落下物による災害を防ぐ記述で正しい |
| ⑶ メインロープ及びライフラインは、作業箇所の上方のそれぞれ異なる堅固な支持物に、外れないよう確実に緊結する | ○(正しい) | ロープ高所作業で、2本のロープを異なる支持物に確実に緊結する記述で正しい |
| ⑷ 上下作業は極力避け、やむを得ず行うときは、場所・内容・時間等をよく調整して安全確保を図る | ○(正しい) | 上方からの落下による災害を避けるため、上下作業を極力避け、やむを得ない場合は調整する記述で正しい |
高さ2m以上の箇所であって作業床を設けることが困難なところで、フルハーネス型の墜落制止用器具を用いて行う作業は、労働安全衛生規則第36条第41号により特別教育の対象です。選択肢⑴が誤るのは、この作業に就く者を技能講習を受けた者としている点で、正しくは特別教育を受けた者が行います。特別教育と技能講習という別々の教育区分を入れ替えたのが引っかけです。
特別教育は、フルハーネス型器具を用いる作業やアーク溶接など、危険・有害な業務に就く作業者本人が受ける教育です。
技能講習は、つり上げ荷重1t以上の玉掛けや機体重量3t以上の車両系建設機械の運転など、より上位の資格です。修了しないと業務に就けません。
フルハーネス型の器具を用いる作業は特別教育で足り、技能講習は求められません。
⑵の物体投下時の投下設備・立入禁止・監視員、⑶のメインロープとライフラインを異なる支持物へ緊結、⑷の上下作業を極力避ける原則は、いずれも正しい記述です。
問題:高さ2m以上で作業床を設けることが困難な箇所において、フルハーネス型の墜落制止用器具を用いて行う作業は、技能講習を受けた者が行う。
〇か×か。
答え:×
この作業に就く者に必要なのは特別教育です(労働安全衛生規則第36条第41号)。技能講習と取り違えないよう注意します。技能講習は、つり上げ荷重1t以上の玉掛けや機体重量3t以上の車両系建設機械の運転などの上位資格です。
問題:高さ3m以上の高所から物体を投下するときは、投下設備を設け、立入禁止区域を設定し、監視員を配置する等の措置を講じる。
〇か×か。
答え:〇
高さ3m以上の高所から物体を投下するときは、投下設備を設けるほか、立入禁止区域の設定や監視員の配置などにより、落下物による災害を防ぎます。
出典・参考資料
※ 問題文は転載していません。教育区分や高所作業の措置は、労働安全衛生規則および厚生労働省の資料で確認してください。
※ この記事の確認日:2026年7月