ゼロから学ぶ土木施工管理

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令和7年度 1級土木施工管理技士 問題B No.17を解説、建設工事の水質汚濁対策

令和7年度(2025年)1級土木施工管理技術検定 第一次検定 問題B(施工管理法の応用能力)No.17は、建設工事に伴う水質汚濁対策に関する記述のうち、適当でないものを選ぶ問題です。濁水処理施設を設置する時期、放流水域や排水基準の事前調査、切土面や盛土面の濁水防止対策、濁水の発生量を抑える計画の考え方が正しく書かれているかを見分けます。

この問題のポイント

建設工事の濁水は、切土面や盛土面のようにむき出しになった地表面に雨水が当たって発生します。だから濁水対策の基本は、露出する切土面や盛土面の面積をできるだけ小さくして、濁水の発生量そのものを抑えることです。誤りは選択肢⑷で、他の条件が許す限りできるだけ切土面や盛土面の面積が大きくなるよう計画する、としています。切土面や盛土面は濁水の発生源であり、面積を大きくすれば発生量は増えます。面積の大小を逆にしていないかが問われます。

※ 問題文そのものは、全国建設研修センターが公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢4(適当でない記述)

各選択肢の正誤

選択肢正誤解説
⑴ 濁水に対して処理が必要になる場合には、工事に先立って経済的で効果的な濁水処理施設を設置する○(適当)濁水処理施設は工事に先立って設置し、発生する濁水を処理できるようにしておく記述で正しい
⑵ 濁水の放流水域や排水基準に関する法規制、濁水の性質等をあらかじめ調査、予測する○(適当)放流先の水域や排水基準、濁水の性質を事前に調査・予測して対策を決める記述で正しい
⑶ 切土面や盛土面の濁水防止対策として、シート養生、法面侵食防止剤の散布、種子やコンクリート吹付、永久緑化等をできるだけ早期に行う○(適当)露出した切土面や盛土面を早期に被覆・緑化して濁水の発生を防ぐ記述で正しい
⑷ 他の条件が許す限りできるだけ切土面や盛土面の面積が大きくなるよう計画する×(適当でない)切土面や盛土面は濁水の発生源のため、面積が小さくなるよう計画して露出面積と濁水の発生量を抑える。大きくするのではない

選択肢4のポイント(ここが誤り)

建設工事に伴う濁水は、切土面や盛土面といった露出した地表面を流れる表流水として発生することが多く、これらの面が濁水の発生源になります。選択肢⑷は、他の条件が許す限りできるだけ切土面や盛土面の面積が大きくなるよう計画する、としています。切土面や盛土面は濁水の発生源なので、面積を大きくすると濁水の発生量が増えます。正しくは、面積が小さくなるよう計画して露出面積を抑えます

⑴〜⑶は、工事に先立って経済的で効果的な濁水処理施設を設置すること、放流水域や排水基準の法規制と濁水の性質をあらかじめ調査・予測すること、切土面や盛土面にシート養生や法面侵食防止剤の散布、種子やコンクリート吹付、永久緑化を早期に行うことという、水質汚濁対策として妥当な記述です。露出面をできるだけ早く被覆・緑化するのも、露出面積を小さく抑えて濁水の発生を防ぐという⑷とは逆の正しい考え方です。設問はこの計画の向きを反対にして誤りを作っています。

覚え方

  • 切土面・盛土面は濁水の発生源なので、露出する面積が小さくなるよう計画する
  • 面積を大きくすると濁水の発生源が広がり、発生量が増える(大小を逆にした引っかけ)
  • 濁水処理施設は、工事に先立って経済的で効果的なものを設置しておく
  • 放流水域・排水基準の法規制と濁水の性質は、あらかじめ調査・予測する
  • 切土面・盛土面はシート養生・法面保護・種子やコンクリート吹付・早期緑化で早く覆う

理解度チェック

問題:建設工事の濁水対策では、他の条件が許す限りできるだけ切土面や盛土面の面積が大きくなるよう計画する。

〇か×か。

答え:×

切土面や盛土面は濁水の発生源です。面積を大きくすると濁水の発生量が増えるため、他の条件が許す限りできるだけ面積が小さくなるよう計画し、露出面積を抑えます。

問題:濁水に対して処理が必要になる場合には、工事に先立って経済的で効果的な濁水処理施設を設置する。

〇か×か。

答え:

濁水処理施設は工事の途中で慌てて設けるのではなく、工事に先立って経済的で効果的なものを設置し、発生する濁水を処理できる体制にしておきます。

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出典・参考資料

  • 一般財団法人 全国建設研修センター「令和7年度 1級土木施工管理技術検定 第一次検定 問題B(施工管理法・応用能力) 問題」
  • 建設工事に伴う水質汚濁対策では、切土面や盛土面などの露出面が濁水の発生源となるため、露出面積をできるだけ小さくし、シート養生・法面保護・早期緑化などで早期に被覆して濁水の発生を抑える。濁水処理が必要な場合は、工事に先立って経済的で効果的な濁水処理施設を設置し、放流水域や排水基準の法規制、濁水の性質等をあらかじめ調査・予測する。
  • 環境省「道路及び鉄道建設事業における河川の濁り等に関する環境影響評価ガイドライン」、農業土木工事における土砂流出防止対策技術資料(露出面の最小化、シート養生・法面保護・早期緑化、沈砂池による濁水処理の考え方)。

※ 問題文は転載していません。数値・基準は各官庁の公表資料で確認してください。

ハナダユキヒロ

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

土木施工管理技士試験で過去に問われた用語・数値・施工手順を、官公庁の仕様書や日本道路協会の便覧に照らして整理しています。

「建築学生が学ぶ構造力学」(kentiku-kouzou.jp)を運営。著書「わかる構造力学」(工学社)。

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