令和7年度(2025年)1級土木施工管理技術検定 第一次検定 問題B(施工管理法の応用能力)No.18は、建設工事の近接施工で、周辺の地盤や既設構造物への影響を抑える対策に関する記述のうち、適当でないものを選ぶ問題です。オープンケーソンの摩擦低減、シールド掘進の振動、盛土の側方変位対策、既製杭の打設順序が正しく書かれているかを見分けます。
近接施工の周辺環境対策は、周辺地盤を緩めない、振動を抑える、側方変位を抑えるという狙いで組み立てられています。
問われるのは、既製杭を打ち進める順序が既設構造物に近い側からか、遠い側からかです。
引っかけは、その近い側と遠い側を入れ替える形で作られています。
※ 問題文そのものは、全国建設研修センターが公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢4(適当でない記述)
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| ⑴ オープンケーソンの施工で、エアージェットや水ジェットによる摩擦低減対策は、周辺地盤を緩めるおそれが高いので極力避ける | ○(正しい) | エアージェットや水ジェットは沈設抵抗を減らす一方で周辺地盤を緩めるため、近接施工では極力避けるとした記述で正しい |
| ⑵ シールド工事の掘進時の振動は、土被りが少なく、シールドトンネル直上又は付近に民家等があり、砂礫層等を掘進する場合は注意が必要である | ○(正しい) | 土被りが小さく直上に民家等がある砂礫層の掘進は振動が伝わりやすく、注意が必要とした記述で正しい |
| ⑶ 盛土工事で、法先付近の地盤に深層攪拌混合処理工法等により改良体を造成し、盛土の安定対策や周辺地盤への側方変位を抑制する | ○(正しい) | 法先の地盤を改良体で固めて盛土の安定と周辺地盤への側方変位の抑制を図るとした記述で正しい |
| ⑷ 既製杭の施工本数が多い場合には、杭打ちの順序を工夫し、できるだけ既設構造物から遠い地点から杭を打設する | ×(誤り) | 既製杭の打込みは地盤の締固めや側方移動を生じるため、既設構造物に近い地点から遠い地点へ打ち進める。遠い地点から打つのは逆 |
既製杭を打ち込むと、杭が地盤を押しのけて締め固め、周囲の地盤に隆起や側方移動が生じます。施工本数が多いほどこの地盤変位が積み重なるため、打つ順序を工夫して既設構造物への影響を抑えます。ここまでの考え方は選択肢⑷でも正しく書かれています。
⑷が誤るのは、その順序を、できるだけ既設構造物から遠い地点から打設する、としている点です。
打込みは既設構造物に近い地点から始め、遠い地点へと打ち進めます。
近い側を先に打っておくと、後から打つ杭ほど既設構造物から離れた位置になり、打込みによる地盤変位が既設構造物へ向かいにくくなります。
群杭では、杭群の中央から周辺へ、または一方の隅から他方の隅へ打ち進める順序も併せて用いられます。
⑴〜⑶は摩擦低減対策、掘進振動への注意、側方変位の抑制という、近接施工の対策どおりで正しい記述です。
問題:既製杭の施工本数が多い場合には、杭打ちの順序を工夫し、できるだけ既設構造物から遠い地点から杭を打設する。
〇か×か。
答え:×
既製杭の打込みは地盤の締固めや側方移動を生じます。その影響を既設構造物に及ぼさないよう、既設構造物に近い地点から始め、遠い地点へと打ち進めます。遠い地点から打設するのは順序が逆です。
問題:オープンケーソンの施工において、エアージェットや水ジェットによる摩擦低減対策は、周辺地盤を緩めるおそれが高いので、近接施工では極力避ける。
〇か×か。
答え:〇
エアージェットや水ジェットは刃口周面の摩擦(沈設抵抗)を減らして沈下を助けますが、周辺地盤を緩めます。近接施工で既設構造物への影響が懸念される場合は極力避けます。
出典・参考資料
※ 問題文は転載していません。各工法の詳細は、日本道路協会「杭基礎施工便覧」等の一次資料で確認してください。
※ この記事の確認日:2026年7月