ゼロから学ぶ土木施工管理

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令和7年度 1級土木施工管理技士 問題B No.20を解説、コンクリート構造物の解体工事の機械

令和7年度(2025年)1級土木施工管理技術検定 第一次検定 問題B(施工管理法の応用能力)No.20は、コンクリート又は鉄筋コンクリート工作物の解体工事に使う機械に関する記述のうち、適当でないものを選ぶ問題です。コンクリート圧砕機、油圧孔拡大機、コンクリートカッタ、ワイヤーソーという4つの機械について、構造とコンクリートを壊す・切る仕組みが正しく書かれているかを見分けます。

この問題のポイント

解体機械は、押し砕く・割る・切るという壊し方ごとに構造と仕組みが決まっています。誤りは選択肢⑷で、ワイヤーソーの切断にかける液体を取り違えています。ワイヤーソーは、ダイヤモンドビーズを取り付けたワイヤーを部材に環状に巻き付け、冷却水(注水)をかけながら高速回転させてコンクリートを切断する機械です。選択肢⑷は潤滑油をかけながら、と読ませて引っかけます。⑴〜⑶の圧砕機、油圧孔拡大機、コンクリートカッタの記述は、いずれも機械の構造と壊し方として正しい内容です。

※ 問題文そのものは、全国建設研修センターが公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢4(適当でない記述)

各選択肢の正誤

選択肢正誤解説
⑴ コンクリート圧砕機は、コンクリート構造物を押し砕くため、はさみ状のアタッチメントを装着した機械であり、鉄筋コンクリート構造物の解体に使用する○(正しい)はさみ状のアタッチメントで挟んで押し砕く機械で、鉄筋コンクリート構造物の解体に使う記述で正しい
⑵ 油圧孔拡大機は、コアボーリング機等で穿孔した孔内にテーパー付きのウェッジを油圧力で押し込み、孔を拡大することでコンクリート部材に亀裂を入れ取り壊す○(正しい)穿孔した孔にくさびを油圧で押し込み、孔を広げて亀裂を入れ割る記述で正しい
⑶ コンクリートカッタは、ダイヤモンドチップを埋め込んだブレードの丸のこで、柱等のコンクリート部材を適当な大きさに切断する○(正しい)ダイヤモンドチップの丸のこ刃でコンクリート部材を切断する記述で正しい
⑷ ワイヤーソーは、切断する部材にダイヤモンドビーズを取り付けたワイヤーを環状に巻き付け、潤滑油をかけながら高速回転させてコンクリートを切断する×(適当でない)ワイヤーソーは冷却水(注水)をかけながら高速回転させて切断する機械で、潤滑油ではない

選択肢4のポイント(ここが誤り)

ワイヤーソーは、ダイヤモンドビーズを数珠状に取り付けたワイヤーを、切断する部材に環状に巻き付けて輪をつくり、そのワイヤーを高速で回転させてコンクリートや鉄筋を研磨するように切断します。ワイヤーを通せれば大断面や複雑な形状の部材も切れる機械で、ダイヤモンドビーズと部材が環状に巻き付く点までは選択肢⑷のとおりで正しい内容です。⑷が誤るのは、回転させる際にかける液体を潤滑油としている点です。ワイヤーソーは冷却水(注水)をかけながら切断する機械であり、潤滑油をかけるのではありません

水をかけるのは、高速で回転するワイヤーとコンクリートがこすれて生じる摩擦熱を冷やし、ダイヤモンドビーズの焼き付きを防ぐためです。あわせて、切断で出る粉じんを湿らせて抑え、切りくずを流し出す働きもあります。潤滑油では摩擦熱を十分に冷やせず、粉じんも抑えられません。⑴〜⑶は、はさみ状のアタッチメントで押し砕く圧砕機、くさびを油圧で押し込んで割る油圧孔拡大機、ダイヤモンドチップの丸のこで切るコンクリートカッタという、それぞれの機械の構造と仕組みで正しい記述です。

覚え方

  • ワイヤーソーは、冷却水(注水)をかけながらワイヤーを高速回転させて切断する
  • 潤滑油ではない(摩擦熱の冷却・粉じんの抑制・切りくずの流出のために水をかける)
  • コンクリート圧砕機は、はさみ状のアタッチメントで挟んで押し砕く
  • 油圧孔拡大機は、穿孔した孔にテーパー付きのくさびを油圧で押し込み、孔を広げて割る
  • コンクリートカッタは、ダイヤモンドチップの丸のこ刃で部材を切断する

理解度チェック

問題:ワイヤーソーは、切断する部材にダイヤモンドビーズを取り付けたワイヤーを環状に巻き付け、潤滑油をかけながら高速回転させてコンクリートを切断する。

〇か×か。

答え:×

ワイヤーソーは冷却水(注水)をかけながら高速回転させて切断します。水は摩擦熱を冷やし、ダイヤモンドビーズの焼き付きや粉じんを抑えるためのもので、潤滑油ではありません。

問題:油圧孔拡大機は、コアボーリング機等で穿孔した孔内にテーパー付きのウェッジを油圧力で押し込み、孔を拡大することによってコンクリート部材に亀裂を入れ取り壊す。

〇か×か。

答え:

油圧孔拡大機は、あけた孔にテーパー付きのくさびを油圧で押し込み、孔を広げてコンクリートに亀裂を入れて割ります。正しい記述です。

令和7年度 1級土木施工管理技士 第一次検定 過去問解説 一覧へ

出典・参考資料

  • 一般財団法人 全国建設研修センター「令和7年度 1級土木施工管理技術検定 第一次検定 問題B(施工管理法・応用能力) 問題」
  • コンクリートコーリング「湿式ワイヤーソー工法」:ダイヤモンドビーズを数珠状に樹脂固定したワイヤーを高速回転させ、冷却水で摩擦熱を抑えつつ粉じんの発生を防いで、コンクリート・鉄筋・鋼材を研磨切断する。水を用いるのは摩擦熱の冷却と粉じん抑制のためで、潤滑油ではない。
  • 各解体機械の概要:コンクリート圧砕機ははさみ状のアタッチメントで押し砕く機械、油圧孔拡大機は穿孔した孔にテーパー付きのウェッジを油圧で押し込んで割る機械、コンクリートカッタはダイヤモンドチップを埋め込んだブレードの丸のこで切断する機械。

※ 問題文は転載していません。各機械の仕様はメーカーの工法資料や技術資料で確認してください。

ハナダユキヒロ

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

土木施工管理技士試験で過去に問われた用語・数値・施工手順を、官公庁の仕様書や日本道路協会の便覧に照らして整理しています。

「建築学生が学ぶ構造力学」(kentiku-kouzou.jp)を運営。著書「わかる構造力学」(工学社)。

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