令和7年度(2025年)1級土木施工管理技術検定 第一次検定 問題B(施工管理法の応用能力)No.24は、工事の原価管理に関する問題です。①〜④の記述のうち、適当なもののみを全てあげている組合せを、⑴〜⑷から選びます。原価管理の基本サイクル、施工担当者の役割、重点管理対象工種の設定、そして原価管理の目的が正しく書かれているかを1つずつ見分けます。
原価管理は、最も経済的な施工計画にもとづく実行予算の作成を出発点として、P-D-C-Aの管理サイクルを循環させ、発生原価を実行予算の範囲内に抑えていく管理です。①②③はこの基本どおりで適当な記述です。誤りは記述④で、原価管理の目的に「発生原価を実行予算よりも高めに設定すること」を含めています。原価管理の目的は逆で、発生原価を実行予算以内に収めることにあります。目的の説明を反対向きにすり替えていないかが問われます。適当なものは①②③で、これを全てあげている組合せが正解になります。
※ 問題文そのものは、全国建設研修センターが公開している公式サイトで確認できます。
正解:⑶(①②③)|適当なもののみを全てあげている組合せ
| 記述 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| ① 原価管理は、最も経済的な施工計画を立て、これにもとづく実行予算の作成時点から始まり、P-D-C-Aの管理サイクルを循環させることが基本になる | ○(適当) | 実行予算の作成を出発点にP-D-C-Aを回すという、原価管理の基本サイクルどおりで適当 |
| ② 施工担当者は、常に工事の原価を把握し、発生原価と実行予算の対比・評価を踏まえて、品質・工程・安全等の管理を行う必要がある | ○(適当) | 発生原価と実行予算を対比しながら現場の品質・工程・安全を管理する、施工担当者の役割の説明で適当 |
| ③ 過度に細かい管理レベルを設定すると大本を見失うので、重点管理対象工種と管理精度を適切に設定しておくことが重要である | ○(適当) | 細かくしすぎず、重点管理対象工種と管理精度を適切に定めるという管理の勘どころで適当 |
| ④ 原価管理の目的には、発生原価と実行予算を比較して差異を分析・検討し、発生原価を実行予算よりも高めに設定することが含まれる | ×(不適当) | 原価管理の目的は発生原価を実行予算以内に収めることで、発生原価を実行予算より高めに設定するのは目的と逆 |
適当なものは①②③の3つです。⑴〜⑷の組合せのうち、この3つのみをあげているものを選びます。
| 組合せ | あげている記述 | 判定 |
|---|---|---|
| ⑴ | ①② | 適当な③が抜けているため不適 |
| ⑵ | ②④ | 不適当な④を含むため不適 |
| ⑶ | ①②③ | 適当な①②③のみ=正解(○) |
| ⑷ | ①③④ | 不適当な④を含むため不適 |
原価管理の目的は、発生原価と実行予算を比較して差異を見つけ、その差異を分析・検討して適時適切な措置をとり、発生原価を実行予算の範囲内に収めることにあります。記述④は、その目的に「発生原価を実行予算よりも高めに設定すること」を含めています。目的は発生原価を実行予算以内に抑えることであり、実行予算より高めに設定するのは目的と正反対です。差異を分析して措置をとる、というところまでは正しく書きながら、最後に目的を逆向きに置き換えるのが引っかけです。
①は実行予算の作成を起点にP-D-C-Aを回すという基本サイクル、②は発生原価と実行予算を対比しながら品質・工程・安全を管理する施工担当者の役割、③は重点管理対象工種と管理精度を適切に設定するという管理の勘どころで、いずれも適当です。適当なものは①②③の3つになり、これを全てあげている組合せは⑶です。②のみの⑴、④を含む⑵と⑷は、③の欠落か不適当な④の混入で外れます。
問題:原価管理の目的は、発生原価と実行予算を比較して差異を分析・検討し、発生原価を実行予算よりも高めに設定することである。
〇か×か。
答え:×
差異を分析・検討して措置をとるところまでは正しいものの、目的は発生原価を実行予算以内に収めることです。発生原価を実行予算より高めに設定するのは、目的と正反対になります。
問題:原価管理は、最も経済的な施工計画にもとづく実行予算の作成時点から始まり、P-D-C-Aの管理サイクルを循環させることが基本である。
〇か×か。
答え:〇
実行予算の作成を出発点として、計画(P)・実施(D)・確認(C)・処置(A)の管理サイクルを回していくのが、原価管理の基本の進め方です。
出典・参考資料
※ 問題文は転載していません。原価管理の考え方は、国土交通省の土木工事共通仕様書や施工計画・施工管理の実務資料で確認してください。
※ この記事の確認日:2026年7月