令和7年度(2025年)1級土木施工管理技術検定 第一次検定 問題B(施工管理法の応用能力)No.28は、車両系建設機械の災害防止のために事業者が講じるべき措置に関する問題です。①〜④の記述のうち、労働安全衛生法令上、正しいものの数を選びます(⑴1つ/⑵2つ/⑶3つ/⑷4つ)。どれも条文の要件をなぞった記述ですが、1つだけ機械から離れるときの動作がすり替えてあります。
車両系建設機械の措置は、転倒・落下物・地山の崩壊・運転位置を離れるときの4場面から出ています。
問われるのは、運転位置を離れるときに何をするかです。
引っかけは、その1か所だけをずらしてあります。
※ 問題文そのものは、全国建設研修センターが公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢3(正しいものは①③④の3つ)
| 記述 | 正誤 | 正誤の根拠 |
|---|---|---|
| ① 転倒・転落により運転者に危険が生ずるおそれのある場所では、転倒時保護構造を有し、かつシートベルトを備えたもの以外の車両系建設機械を使用しないように努める | ○(正しい) | 路肩・傾斜地等での転倒時保護構造(ROPS)とシートベルトの使用は、労働安全衛生規則第157条の2の努力義務。記述のとおり |
| ② 運転者が運転位置から離れるときは、作業装置を空中で停止させたまま原動機を止め、走行ブレーキをかける等の逸走防止措置を講じる | ×(誤り) | 運転位置から離れるときは作業装置を地上に下ろすのが正しく(労働安全衛生規則第160条)、空中で停止させたままは誤り |
| ③ 岩石の落下等により労働者に危険が生ずるおそれのある場所で、ブルドーザ・トラクターショベル・パワーショベル及び解体用機械等を使用するときは、堅固なヘッドガードを備える | ○(正しい) | 落下物のおそれのある場所での堅固なヘッドガードは、労働安全衛生規則第153条。記述のとおり |
| ④ 車両系建設機械の転落・地山の崩壊等による危険を防止するため、あらかじめ作業場所の地形・地質の状態等を調査し、その結果を記録しておく | ○(正しい) | 作業前の地形・地質の調査及び記録は、労働安全衛生規則第154条。記述のとおり |
運転位置から離れるときの措置は、労働安全衛生規則第160条で二段構えになっています。
まずバケット・ジッパー等の作業装置を地上に下ろすこと。そのうえで原動機を止め、走行ブレーキをかけます。
②はこの前半を作業装置を空中で停止させたままにすり替えています。
宙に浮かせたまま人が離れると、油圧の低下でアームが自然に降下したり、機械が動き出して労働者に当たります。
「原動機を止め、走行ブレーキをかける」の部分は②も正しく、誤りは作業装置の扱いだけです。
車両系建設機械の措置は、防ぐ災害の種類ごとに条文が分かれています。危険の場面と講じる措置、根拠条文を並べておきます。
| 防ぐ災害の場面 | 講じる措置 | 根拠(労働安全衛生規則) |
|---|---|---|
| 路肩・傾斜地等での転倒・転落 | 転倒時保護構造(ROPS)を有しシートベルトを備えたもの以外を使わないよう努め、シートベルトを使用させるよう努める(努力義務) | 第157条の2 |
| 岩石・鉄骨等の落下物 | ブルドーザ・トラクターショベル・パワーショベル・解体用機械等に堅固なヘッドガードを備える | 第153条 |
| 機械の転落・地山の崩壊 | あらかじめ作業場所の地形・地質の状態等を調査し、その結果を記録しておく | 第154条 |
| 運転者が運転位置から離れるとき | 作業装置を地上に下ろし、原動機を止め、走行ブレーキをかける等の逸走防止措置を講じる | 第160条 |
問題:車両系建設機械の運転者が運転位置から離れるときは、バケット等の作業装置を空中で停止させたまま原動機を止め、走行ブレーキをかける等の逸走防止措置を講じさせなければならない。
〇か×か。
答え:×
運転位置から離れるときは、作業装置を地上に下ろしたうえで、原動機を止め走行ブレーキをかける等の逸走防止措置を講じさせます(労働安全衛生規則第160条)。作業装置を空中で停止させたままにするのは誤りです。
問題:路肩、傾斜地等で転倒・転落により運転者に危険が生ずるおそれのある場所では、転倒時保護構造を有し、かつシートベルトを備えたもの以外の車両系建設機械を使用しないように努めなければならない。
〇か×か。
答え:〇
労働安全衛生規則第157条の2の努力義務にあたります。転倒時保護構造(ROPS)とシートベルトを備えた機械を使い、運転者にシートベルトを使用させるよう努めます。義務ではなく努力義務である点も押さえます。
出典・参考資料
※ 問題文は転載していません。条文は e-Gov 法令検索の労働安全衛生規則で確認してください。
※ この記事の確認日:2026年7月