編集部
軟らかい地盤でダンプが沈んで動けない、という話を聞いたことはありませんか?地盤の硬さ(コーン指数)に合った機械を選ばないと、走れずに作業が止まります。
この記事の要点
建設機械は、土質・運搬距離・作業の種類などから選びます。地盤を走れるか(トラフィカビリティ)はコーン指数で判定します。
重い機械ほど、走るのに高いコーン指数が必要です。過去問での問われ方も押さえます。
建設機械を選ぶときにまず確かめるのが、その地盤を機械が走れるかどうかです。これを表すのがトラフィカビリティで、コーン指数という数値で判定します。
建設機械が地盤を走れるか(トラフィカビリティ)は、コーン指数で判定します。重い機械ほど、走行に高いコーン指数が必要です。
トラフィカビリティは、建設機械の走行性(その地盤を走れるか)のことです。ポータブルコーン貫入試験で測ったコーン指数(qc)で表され、値が大きいほど地盤は硬く、機械が走りやすくなります。
走行性をいうトラフィカビリティは、コンクリートの練り混ぜ・運搬・打込みのしやすさをいうワーカビリティとは別の用語です。混同しないようにします。また、大型ブルドーザのリッパ(爪)で軟岩などを破砕できるかどうかは、リッパビリティといいます。
各機械が走行できる、おおよそのコーン指数の下限は次のとおりです。
| 建設機械 | 必要なコーン指数(qc) |
|---|---|
| 超湿地ブルドーザ | 200kN/m2以上 |
| 湿地ブルドーザ | 300kN/m2以上 |
| 普通ブルドーザ(15t級) | 500kN/m2以上 |
| 普通ブルドーザ(21t級) | 700kN/m2以上 |
| 自走式スクレーパ | 1,000kN/m2以上 |
| ダンプトラック | 1,200kN/m2以上 |
軟弱な地盤では、接地圧の小さい湿地ブルドーザなどが使われ、硬い地盤ではダンプトラックなども走れます。
作業の種類によっても、使う機械が変わります。代表的な組み合わせは次のとおりです。
ショベル系の掘削機械は、掘る場所の高さで使い分けます。
バックホウを「高い場所の掘削」とするのは誤りです。高い場所の掘削にはローディングショベルが向きます。
混同しやすい用語
ブルドーザ と スクレーパ
どちらも土を運べますが、得意な運搬距離が違います。ブルドーザは、土を押して動かす機械で、掘削・押土・短距離の運搬や整地に向きます。スクレーパは、土を削り取りながら積んで運ぶ機械で、ブルドーザより長い距離の運搬に向きます。近くを押すのがブルドーザ、削って遠くへ運ぶのがスクレーパ、と分けて覚えます。
建設機械は、各機械の用途と、走行性の用語・判定が問われます。引っかけは大きく3型です。
| 年度・級・No. | 問われ方/引っかけ |
|---|---|
| 令和8年度 2級 No.6 | ロードローラを「タイヤの接地圧を変化させる」=誤り(接地圧を変えるのはタイヤローラ)←機械の適性・正答? |
| 令和7年度 1級 No.6 | バックホウを「機械位置より高い場所の掘削」=誤り(低い場所。高所はローディングショベル、クラムシェルは狭い深い掘削)←用途・正答? |
| 令和7年度 2級 No.59 | ワーカビリティーを「建設機械の走行性」=誤り(走行性はトラフィカビリティー=コーン指数。リッパビリティーは大型ブルドーザのリッパ作業)←用語・正答? |
| 令和6年度 2級 No.60 | 建設機械の作業能力=時間当たりの平均作業量、組合せは作業能力が最も小さい機械で決まる←作業能力・正答? |
核心は3つです。掘削はバックホウ=低所・ローディングショベル=高所、走行性はトラフィカビリティ(コーン指数)でワーカビリティとは別、軟岩のリッパ破砕はリッパビリティです。用途・用語・適性を取り違えた記述が、誤り肢になります。
問題:トラフィカビリティは、コーンペネトロメータで測定したコーン指数で判定する。
〇か×か。
答え:〇
トラフィカビリティ(走行性)はコーン指数で判定します。コンクリートの作業のしやすさをいうワーカビリティとは別です。
問題:バックホウは、機械の位置より高い場所の掘削に用いる。
〇か×か。
答え:×
バックホウは機械の位置より低い場所の掘削に用います。高い場所の掘削はローディングショベルが向きます(令和7年度 1級 No.6)。
問題:ダンプトラックは、湿地ブルドーザよりも小さいコーン指数の地盤でも走行できる。
〇か×か。
答え:×
逆です。ダンプトラックは1,200kN/m2以上、湿地ブルドーザは300kN/m2以上が目安で、重いダンプほど高いコーン指数が必要です。
問題:大型ブルドーザのリッパで軟岩などを破砕できるかどうかは、リッパビリティという。
〇か×か。
答え:〇
リッパビリティは、リッパによる軟岩などの破砕のしやすさです。走行性のトラフィカビリティとは別の用語です(令和7年度 2級 No.59)。
建設機械は、トラフィカビリティ・運搬距離・作業の種類から選びます。
トラフィカビリティ(走行性)はコーン指数で判定し、掘削はバックホウ=低所・ローディングショベル=高所、軟岩のリッパ破砕はリッパビリティというのが要点です。
用途・用語・判定の取り違えが、過去問で繰り返されます。
参考資料
※ コーン指数の値は標準的な目安です。基準の改定や現場条件で変わるため、最新の資料で確認してください。
※ この記事の確認日:2026年6月