令和7年度(2025年)1級土木施工管理技術検定 第一次検定(問題A)No.30は、地すべり防止工に関する記述のうち、適当でないものを選ぶ問題です。地表水排除工の構造、集水井に設ける集水ボーリングの配置、排土工の切土範囲、押え盛土工の基盤の検討が正しく述べられているかを見分けます。
地すべり防止工は、地形や地下水の状態を変えて滑動力を減らす抑制工(地表水排除工・地下水排除工・排土工・押え盛土工)と、杭やアンカーの抵抗で動きを止める抑止工に分かれます。排土工はこのうち抑制工にあたり、地すべり土塊の頭部を取り除いて滑動力を減らす工法です。選択肢⑶は排土工を地すべり全域にわたって斜面に平行に切土するとしており、頭部に限って排土するという原則から外れます。頭部だけを排除するのか、斜面全体を削るのかで取り違えます。
※ 問題文そのものは、全国建設研修センターが公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢⑶(最も不適当な記述)
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| ⑴ 地すべり地域内に設ける地表水排除工は、ある程度の変状に応じて機能を保てる柔軟な構造とし、修理の容易なものとする | ○(正しい) | 変状に追随でき修理しやすい柔軟な構造とするのが適切 |
| ⑵ 集水井に設ける集水ボーリングは、滞水層ごとに一ないし数段、放射状に配置し、浅層地下水の排除も同時に行う | ○(正しい) | 滞水層ごとに放射状へ配置し、浅層地下水も同時に抜く |
| ⑶ 排土工は、原則として地すべり全域にわたって、斜面に平行に切土を行う | ×(誤り) | 排土工は滑動力の集まる頭部に限って排土するのが原則で、地すべり全域の平行切土ではない |
| ⑷ 押え盛土工は、盛土部の下方斜面に潜在性の地すべりがある場合、下方斜面の地すべりを誘発する可能性があるので、盛土部基盤の安定性を十分に検討する | ○(正しい) | 下方斜面の潜在地すべりを誘発しうるため盛土基盤の安定を検討する |
排土工は、地すべりを動かそうとする滑動力が最も大きく働く頭部の土塊を取り除き、斜面を動かす力そのものを減らす抑制工です。頭部の荷重が減れば地すべりのバランスが安定側に傾きます。末端部を削ると滑りに抵抗する押さえまで失われて危険になるため、切土する場所は効果のある範囲に絞ります。
選択肢⑶は「地すべり全域に渡って斜面に平行に切土する」としているが、排土工は頭部に限って排土するのが原則で、斜面全体の平行切土ではありません。⑴の柔軟な地表水排除工、⑵の集水ボーリングの放射状配置、⑷の押え盛土工の基盤の検討はいずれも正しい記述です。したがって適当でないものは選択肢⑶です。
問題:排土工は、原則として地すべりの全域にわたって斜面に平行に切土を行う工法である。
〇か×か。
答え:×
排土工は、滑動力が集まる頭部の土塊に限って排土し、滑動力を減らすのが原則です。地すべり全域を斜面に平行に切土するものではありません。
問題:地すべり対策の抑制工には排土工や押え盛土工が含まれ、抑止工には杭工やアンカー工が含まれる。
〇か×か。
答え:〇
地形や地下水を変えてバランスを整えるのが抑制工(排土工・押え盛土工・地下水排除工など)、構造物の抵抗で動きを止めるのが抑止工(杭工・アンカー工など)です。
出典・参考資料
※ 問題文は転載していません。地すべり防止工の分類や工法は、国土交通省の地すべり防止技術指針等で確認してください。
※ この記事の確認日:2026年7月
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