ゼロから学ぶ土木施工管理

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令和7年度 1級土木施工管理技士 No.47を解説、鉄道の軌道の維持管理

令和7年度(2025年)1級土木施工管理技術検定 第一次検定(問題A)No.47は、鉄道の軌道における維持管理に関する記述のうち、適当でないものを選ぶ問題です。軌道構造の種類、レールの遊間、バラストの劣化、レール損傷の原因について、それぞれの基本を見分けます。

この問題のポイント

スラブ軌道は、プレキャストコンクリートスラブを堅固な路盤に据え付けた構造で、軌道狂いが起こりにくく保守作業を軽減できます。選択肢1はこの利点を述べたうえで、敷設後の「敷設位置の修正も容易である」と続けています。スラブ軌道はレールがコンクリート構造に直接固定されるため、敷設後にレール高さや通りを直す位置修正は難しく、そこがバラスト軌道との決定的な違いです。位置調整のしやすさを取り違えている点が誤りになります。

※ 問題文そのものは、全国建設研修センターが公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢1(最も不適当な記述)

各選択肢の正誤

選択肢正誤解説
⑴ スラブ軌道は、プレキャストコンクリートスラブを高架橋等の堅固な路盤に据え付けたもので、保守作業の軽減を図ることができ、敷設後の敷設位置の修正も容易である×(誤り)スラブ軌道は保守を軽減できるが、コンクリート構造に固定されるため敷設後の位置修正は困難で、「修正も容易」が逆。微調整が効くのはバラスト軌道
⑵ レールは温度変化で伸縮を繰り返すため、継目部に遊間を設けて処理し、遊間の整正は伸縮が著しい夏期及び冬期に先立ち行う○(正しい)遊間でレールの伸縮を逃がし、整正は伸縮が大きくなる夏期・冬期に先立ち行うで正しい
⑶ バラストは、列車通過のたびに繰り返しこすれ合って次第に丸みを帯び、軌道に変位が生じやすくなるため、丸みを帯びたバラストは順次交換する○(正しい)角が取れたバラストはかみ合いが弱まり変位を招くため、順次交換するで正しい
⑷ レールが損傷する原因には、製造不良、取扱い不良、軌道の保守不良、長期間使用による疲労、電食、腐食等があり、一般的には複数の原因が競合して発生する○(正しい)損傷原因は多様で、一般に複数の原因が競合して起こるで正しい

選択肢1のポイント(ここが誤り)

スラブ軌道は、プレキャストコンクリートスラブを高架橋やトンネルなどの堅固な路盤に据え付け、レールを固定した省力化軌道です。バラスト軌道のように道床が沈下したり狂ったりしにくいため、保守作業を大きく軽減できます。ここまでは選択肢1の記述どおりです。

スラブ軌道はレールがコンクリート構造に固定されているため、敷設後にレール高さや通りを直す位置修正は困難で、「修正も容易」は前提が逆です。線形を微調整したいときにバラストを補充・かき出して高さや通りを直せるのはバラスト軌道で、スラブ軌道はカント(曲線部の左右の高さ差)の変更にも多大な時間と費用がかかります。保守を軽減できることと、敷設後に自由に直せることは両立しません。

項目スラブ軌道バラスト軌道
保守の手間軽減できる(軌道狂いが起こりにくい)大きい(沈下・狂いが生じやすく定期補修が必要)
敷設後の位置修正困難(コンクリートに固定)容易(バラストの出し入れで調整)
初期建設費高い低い

覚え方

  • スラブ軌道=保守は軽減、ただし敷設後の位置修正は困難(コンクリートに固定)
  • 高さや通りを後から微調整できるのはバラスト軌道。バラストの補充・かき出しで直す
  • 遊間はレールの伸縮を逃がすすき間。整正は伸縮が大きくなる夏期・冬期に先立って行う
  • 丸みを帯びたバラストはかみ合いが弱まり変位を招く。順次交換する

理解度チェック

問題:スラブ軌道は、堅固な路盤にプレキャストコンクリートスラブを据え付けたもので、保守作業の軽減を図ることができ、敷設後の敷設位置の修正も容易である。

〇か×か。

答え:×

スラブ軌道は保守作業を軽減できますが、レールがコンクリート構造に固定されるため、敷設後の位置修正は困難です。位置を微調整できるのはバラスト軌道です。

問題:レールの継目部に設ける遊間の整正は、レールの伸縮が著しい夏期及び冬期に先立って行う。

〇か×か。

答え:

レールは温度で伸縮するため、継目部の遊間で逃がします。遊間の整正は、伸縮が大きくなる夏期・冬期に先立って行います。

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出典・参考資料

  • 一般財団法人 全国建設研修センター「令和7年度 1級土木施工管理技術検定 第一次検定(問題A・種別:土木) 問題」
  • 公益財団法人 鉄道総合技術研究所「鉄道構造物等維持管理標準・同解説(軌道編)」(スラブ軌道は軌道狂いが起こりにくく保守を軽減できる一方、敷設後の位置修正は困難。バラスト軌道はバラストの補充・整理で高さや通りを調整できる)

※ 問題文は転載していません。軌道の維持管理は、上記の基準等で確認してください。

ハナダユキヒロ

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

土木施工管理技士試験で過去に問われた用語・数値・施工手順を、官公庁の仕様書や日本道路協会の便覧に照らして整理しています。

「建築学生が学ぶ構造力学」(kentiku-kouzou.jp)を運営。著書「わかる構造力学」(工学社)。

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