ゼロから学ぶ土木施工管理

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令和7年度 1級土木施工管理技士 No.49を解説、シールド工法の施工

令和7年度(2025年)1級土木施工管理技術検定 第一次検定(問題A)No.49は、シールド工法の施工に関する記述のうち、適当でないものを選ぶ問題です。シールドの姿勢制御(ローリングの修正)、切羽の安定、裏込め注入の管理、テールを離れたセグメントの形状保持について、それぞれの基本を見分けます。

この問題のポイント

シールドが本体の中心軸周りに回転する現象がローリングで、その修正はカッターヘッドの回転方向を交互に変えて(逆回転させて)行うのが一般的です。選択肢1は、一部のジャッキを使わずシールドに偏心力を与えてローリングを修正するとしていますが、ジャッキの偏心力で直すのは進む向き(ヨーイング・ピッチング)の方向修正で、ローリングの修正法ではありません。直す対象と手段が入れ替わっている点が誤りです。

※ 問題文そのものは、全国建設研修センターが公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢1(最も不適当な記述)

各選択肢の正誤

選択肢正誤解説
⑴ シールドにローリングが発生した場合は、一部のジャッキを使用せずシールドに偏心力を与えることによって、シールドに逆の回転モーメントを与え、修正するのが一般的である×(誤り)ローリングの修正はカッターの回転方向を交互に変える(逆回転させる)のが一般的で、一部のジャッキで偏心力を与えるのはヨーイング・ピッチング(進む向き)の修正。修正の対象と手段が逆
⑵ 掘進にあたっては、土質、土被り等の変化に留意しながら、掘削土砂の取り込み過ぎや、チャンバー内の閉塞を起こさないよう切羽の安定を図る○(正しい)取り込み過ぎやチャンバー内の閉塞を避け、切羽の安定を図るで正しい
⑶ 裏込め注入工の管理値は、注入量や注入圧の試行を重ね、注入効果や他への影響を確認のうえ決定し、一定の区間ごとに効果を確認し結果を施工に反映させる○(正しい)試行で管理値を決め、区間ごとに効果を確認して施工に反映するで正しい
⑷ テールを離れたセグメントは、土水圧等の外圧により変形しやすいため、裏込め注入がある程度硬化するまでの間、形状保持装置を用いることは有効である○(正しい)硬化までの外圧による変形を形状保持装置で抑えるで正しい

選択肢1のポイント(ここが誤り)

シールドが掘進中に本体の中心軸周りに回転する現象がローリングです。これを直すには、カッターヘッドの回転方向をそれまでと逆に変え、掘削の反力でシールドに逆向きの回転モーメントを与えるのが一般的な方法です。選択肢1は、一部のジャッキを使わず偏心力を与える方法をローリングの修正法として記述しています。

ローリングの修正はカッターの回転方向を交互に変えるのが一般的で、一部のジャッキで偏心力を与えるのはヨーイング・ピッチング(進む向き)を直す方向修正の手段です。選択肢1は方向修正の手段をローリングの修正法として当てており、直す対象と手段が入れ替わっています。加えて、一部のシールドジャッキだけを止めるとセグメントに局部的な力が集中する原因にもなります。

ローリング(軸周りの回転)とヨーイング・ピッチング(進む向きのずれ)は、直す手段が別です。

姿勢の乱れ内容主な修正手段
ローリング本体が中心軸周りに回転するカッターの回転方向を交互に変える(逆回転)
ヨーイング・ピッチング進む向きが水平・上下にずれる一部のジャッキで偏心力を与え、向きを直す

覚え方

  • ローリング(軸周りの回転)の修正=カッターヘッドの回転方向を交互に変える(逆回転)
  • ヨーイング・ピッチング(進む向き)の修正=一部のジャッキで偏心力を与える。ローリングとは手段が別
  • 掘進では取り込み過ぎ・チャンバー内の閉塞を避け、切羽の安定を保つ
  • テールを離れたセグメントは、裏込め注入が硬化するまで形状保持装置で変形を防ぐ

理解度チェック

問題:シールドにローリングが発生した場合は、一部のジャッキを使用せずシールドに偏心力を与えることによって、逆の回転モーメントを与えて修正するのが一般的である。

〇か×か。

答え:×

ローリングの修正は、カッターの回転方向を交互に変える(逆回転させる)のが一般的です。一部のジャッキで偏心力を与えるのは、ヨーイング・ピッチング(進む向き)を直す方向修正の手段で、ローリングの修正法ではありません。

問題:テールを離れたセグメントは、土水圧等の外圧により変形しやすいため、裏込め注入がある程度硬化するまでの間、形状保持装置を用いることは有効である。

〇か×か。

答え:

テールを離れたセグメントは外圧で変形しやすいため、裏込め注入がある程度硬化するまで形状保持装置で形状を保つのは有効です。

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出典・参考資料

  • 一般財団法人 全国建設研修センター「令和7年度 1級土木施工管理技術検定 第一次検定(問題A・種別:土木) 問題」
  • 公益社団法人 土木学会「トンネル標準示方書 シールド工法編・同解説」(シールドの姿勢制御。ローリングの修正はカッターの回転方向を変えて行い、ヨーイング・ピッチングの修正は一部のジャッキで偏心力を与える。切羽の安定、裏込め注入の管理、セグメントの形状保持)

※ 問題文は転載していません。シールド工法の姿勢制御や施工管理は、上記の示方書等で確認してください。

ハナダユキヒロ

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

土木施工管理技士試験で過去に問われた用語・数値・施工手順を、官公庁の仕様書や日本道路協会の便覧に照らして整理しています。

「建築学生が学ぶ構造力学」(kentiku-kouzou.jp)を運営。著書「わかる構造力学」(工学社)。

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