令和7年度(2025年)1級土木施工管理技術検定 第一次検定(問題A)No.53は、下水道工事における小口径管推進工法の施工に関する記述のうち、適当でないものを選ぶ問題です。圧入方式・オーガ方式・ボーリング方式・泥水方式という4つの掘進方式について、それぞれがどの地盤に向き、どんな対策が要るかを見分けます。
掘進方式ごとに得意な地盤と苦手な地盤が決まっていて、その組合せをずらすと誤りになります。選択肢3のボーリング方式は先導体前面が開放しているため、地下水があると切羽が崩れやすく、砂質土のように透水性が高く自立しにくい地盤で補助工法による安定処理が必要になります。選択肢3はこの適用地盤を「地下水位以下の粘性土地盤」としていますが、粘性土は粘着力があって比較的自立するため、補助工法の前提となる地盤とは逆です。
※ 問題文そのものは、全国建設研修センターが公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢3(最も不適当な記述)
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| ⑴ 圧入方式は、誘導管の推進を途中で中断して時間をおくと、土質によっては推進管が締め付けられ推進できなくなる場合があるため、中断せず一気に到達させる | ○(正しい) | 中断すると土に締め付けられて推進不能になる恐れがあるので、一気に到達させるで正しい |
| ⑵ オーガ方式は、粘性土地盤で推進中に先端抵抗力が急増する場合があるので、注水により切羽部の土を軟弱にするなどの対策をとる | ○(正しい) | 粘性土で先端抵抗力が急増するため、注水で切羽の土を軟弱にする対策で正しい |
| ⑶ ボーリング方式は、先導体前面が開放しているので、地下水位以下の粘性土地盤に対して、補助工法により地盤の安定処理を行ったうえで適用する | ×(誤り) | 補助工法による安定処理が要るのは地下水位以下の砂質土など透水性が高く自立しにくい地盤で、「粘性土地盤」は組合せが逆。粘性土は粘着力があり比較的自立する |
| ⑷ 泥水方式は、透水性が高く緩い地盤では泥水圧が有効に切羽へ作用しない場合があるので、送泥水の比重・粘性を高くし、状況によっては逸泥防止材を使用する | ○(正しい) | 透水性が高い地盤では泥水が逃げて切羽に圧が効かないため、送泥水の比重・粘性を高め逸泥防止材を使うで正しい |
ボーリング方式は先導体の前面が開放した構造で、回転するロッドで前方の地盤を削りながら進みます。前面が開いている分、地下水位以下で地盤が自立しない場所では切羽が崩れたり土砂や地下水が流れ込んだりしやすく、あらかじめ薬液注入や地下水位低下などの補助工法で地盤を安定させてから適用します。この処置が必要になるのは、地下水位以下の砂質土や礫質土のように透水性が高く自立しにくい地盤です。
選択肢3は適用地盤を「地下水位以下の粘性土地盤」としていますが、粘性土は粘着力があって比較的自立するため、補助工法が前提となる地盤とは逆です。補助工法で安定処理してから掘り進む相手は、水を含んで崩れやすい砂質土側だと押さえます。
問題:ボーリング方式は、先導体前面が開放しているので、地下水位以下の粘性土地盤に対しては、補助工法により地盤の安定処理を行ったうえで適用する。
〇か×か。
答え:×
補助工法による安定処理が必要になるのは、地下水位以下の砂質土など透水性が高く自立しにくい地盤です。粘性土は粘着力があり比較的自立するので、この記述は地盤が逆になっています。
問題:オーガ方式は、粘性土地盤で推進中に先端抵抗力が急増する場合があるので、注水により切羽部の土を軟弱にするなどの対策が必要である。
〇か×か。
答え:〇
粘性土ではヘッド部に土が付着して先端抵抗力が急増することがあるため、注水で切羽部の土を軟弱にする対策をとります。
出典・参考資料
※ 問題文は転載していません。各掘進方式の適用地盤は、上記の指針等で確認してください。
※ この記事の確認日:2026年7月
このサイトについて