令和7年度(2025年)1級土木施工管理技術検定 第一次検定(問題A)No.57は、事業者が統括安全衛生責任者に統括管理させなければならない事項について、労働安全衛生法令上、誤っているものを選ぶ問題です。協議組織の設置と運営、作業間の連絡と調整、作業場所の巡視などの統括管理事項と、統括安全衛生責任者が指揮する相手とを見分けます。
統括安全衛生責任者は、下請と元請の労働者が同じ場所で働く現場で、労働災害を防ぐための統括管理を担う役職です。
問われるのは、労働安全衛生法第30条第1項が並べる統括管理事項に何が入るかです。
引っかけは、名前の似た2つの役職を取り違えさせる形で作られています。
※ 問題文そのものは、全国建設研修センターが公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢3(誤っている記述)
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| ⑴ 協議組織の設置及び運営を行うこと | ○(正しい) | 労働安全衛生法第30条第1項一号の統括管理事項で正しい |
| ⑵ 作業場所の巡視を行うこと | ○(正しい) | 同項三号の統括管理事項で正しい(作業場所の巡視) |
| ⑶ 店社安全衛生管理者の指揮を行うこと | ×(誤り) | 統括安全衛生責任者が指揮するのは元方安全衛生管理者であり、店社安全衛生管理者ではない。店社安全衛生管理者の指揮は第30条第1項の統括管理事項に含まれない |
| ⑷ 作業間の連絡及び調整を行うこと | ○(正しい) | 同項二号の統括管理事項で正しい(作業間の連絡及び調整) |
統括安全衛生責任者は、統括管理を行うとともに、その下で技術的な事項を担う元方安全衛生管理者を指揮します(労働安全衛生法第15条・第15条の2)。一方の店社安全衛生管理者は、統括安全衛生責任者を選任するほどの規模に達しない現場について、店社(支店や営業所)から現場の安全衛生管理を指導する別の役職です(第15条の3)。名前は似ていますが、指揮系統の中での立場が異なります。
選択肢⑶は、統括安全衛生責任者が指揮する相手を店社安全衛生管理者としています。
統括安全衛生責任者が指揮するのは元方安全衛生管理者であって、店社安全衛生管理者の指揮は第30条第1項の統括管理事項ではありません。
統括管理させる事項は、協議組織の設置と運営、作業間の連絡と調整、作業場所の巡視、関係請負人の安全衛生教育への指導と援助、仕事の工程や機械設備の配置の計画作成と指導です。
| 役職 | 位置づけ | 指揮・選任の関係 |
|---|---|---|
| 統括安全衛生責任者 | 下請と元請が混在する一定規模以上の現場で、特定元方事業者が選任 | 元方安全衛生管理者を指揮し、第30条第1項の統括管理を行う |
| 元方安全衛生管理者 | 統括安全衛生責任者を選任した事業者が選任(技術的事項を管理) | 統括安全衛生責任者の指揮を受ける |
| 店社安全衛生管理者 | 統括安全衛生責任者の選任を要しない規模の現場について、店社で選任 | 現場を巡回し、現場の安全衛生管理を指導する別系統の役職 |
問題:事業者が統括安全衛生責任者に統括管理させなければならない事項には、店社安全衛生管理者の指揮を行うことが含まれる。
〇か×か。
答え:×
統括安全衛生責任者が指揮するのは元方安全衛生管理者です(労働安全衛生法第15条・第15条の2)。店社安全衛生管理者の指揮は、第30条第1項が定める統括管理事項ではありません。
問題:協議組織の設置及び運営を行うことは、事業者が統括安全衛生責任者に統括管理させなければならない事項である。
〇か×か。
答え:〇
協議組織の設置及び運営は、労働安全衛生法第30条第1項一号が定める統括管理事項です。作業間の連絡調整や作業場所の巡視とともに、統括安全衛生責任者に統括管理させます。
出典・参考資料
※ 問題文は転載していません。条文は e-Gov 法令検索の労働安全衛生法で確認してください。
※ この記事の確認日:2026年7月