ゼロから学ぶ土木施工管理

ゼロから学ぶ土木施工管理
  1. HOME > 過去問解説 > 2級 > 令和5年度(後期) > No.10 場所打ち杭の施工

令和5年度(後期)2級土木施工管理技士 No.10を解説、場所打ち杭の施工

令和5年度(2023年)2級土木施工管理技術検定 第一次検定(後期)No.10は、場所打ち杭の施工に関する⑴〜⑷の記述のうち、最も適当なものを選ぶ問題です。

この問題のポイント

4つの工法(オールケーシング・アースドリル・リバースサーキュレーション・深礎)を並べ、それぞれの掘削方式孔壁の保護方法を入れ替えて誤らせる出題です。適当なのは⑴のオールケーシング工法だけで、⑵はリバース、⑶は深礎、⑷はアースドリルの説明にすり替わっています。どの工法が「水(泥水)で孔壁を保つのか」「人が孔内に入って支持地盤を直接見られるのか」を対応づけて覚えていないと取り違えます。

※ 問題文そのものは、全国建設研修センターが公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢1(最も適当な記述)

各選択肢の正誤

記述適否解説
⑴ オールケーシング工法は、ケーシングチューブを土中に挿入し、チューブ内の土を掘削する適当ケーシングチューブ(鋼管)で孔壁を保護しながらハンマーグラブで内部を掘削する
⑵ アースドリル工法は、掘削孔に水を満たし、掘削土とともに地上に吸い上げる適当でない循環水で土砂を吸い上げるのはリバースサーキュレーション工法。アースドリルはドリリングバケットの回転掘削で土砂をバケットに収納して引き上げる
⑶ リバースサーキュレーション工法は、支持地盤を直接確認でき、孔底障害物の除去が容易である適当でない支持地盤を直接目視でき障害物除去が容易なのは深礎工法。リバースは水中掘削で孔内に入れず直接確認できない
⑷ 深礎工法は、ケーシング下部の孔壁崩壊防止のためベントナイト水を注入する適当でないベントナイト水(安定液)で孔壁を保つのはアースドリル工法など。深礎はライナープレート等の土留めで孔壁を保護する

⑵⑶⑷のポイント(ここが誤り)

⑵のアースドリル工法は、安定液(ベントナイト等の泥水)を注入しながらドリリングバケットを回転させて掘削し、土砂をバケット内に収納して引き上げます。「掘削孔に水を満たし、掘削土とともに地上に吸い上げる」のは、泥水を逆循環させて土砂を排出するリバースサーキュレーション工法の方式で、工法名が入れ替わっています。

⑶のリバースサーキュレーション工法は、スタンドパイプと孔内の泥水の水頭圧で孔壁を保ちながら水中を掘削するため、孔内に人が入れず支持地盤を直接目視で確認することはできません。「支持地盤を直接確認でき、孔底の障害物の除去が容易」なのは、人力で掘り進み孔内に入れる深礎工法の特長です。

⑷の深礎工法は、ライナープレートや波形鉄板などの土留めで孔壁の崩壊を防ぎながら掘削する工法で、ベントナイト水(安定液)は使いません。安定液で孔壁を保護するのはアースドリル工法などで、これも工法と保護方法がすり替えられています。したがって適当なのは⑴のオールケーシング工法だけです。

覚え方

  • 工法名と「掘削方式・孔壁の保護方法」の組合せで問われる=すり替えを疑う
  • オールケーシング=ケーシングチューブ(鋼管)で孔壁保護/アースドリル=安定液(ベントナイト泥水)で孔壁保護
  • リバース=泥水の水頭圧で孔壁保護・循環水で土砂を吸い上げ排出(水中掘削で直接確認は不可)
  • 深礎=土留め(ライナープレート等)で孔壁保護・人力掘削で支持地盤を直接目視できる

理解度チェック

問題:アースドリル工法は、掘削孔に水を満たし、掘削土とともに地上に吸い上げる工法である。

〇か×か。

答え:×

循環水で土砂を吸い上げて排出するのはリバースサーキュレーション工法です。アースドリル工法はドリリングバケットの回転掘削で土砂を収納し引き上げます。

問題:深礎工法は、孔壁の崩壊防止のためベントナイト水を注入して掘削する。

〇か×か。

答え:×

深礎工法はライナープレート等の土留めで孔壁を保護します。ベントナイト水(安定液)で孔壁を保つのはアースドリル工法などです。

令和5年度(後期)2級土木施工管理技士 第一次検定 過去問解説 一覧へ

出典・参考資料

  • 一般財団法人 全国建設研修センター「令和5年度 2級土木施工管理技術検定 第一次検定(後期・種別:土木) 問題」
  • 場所打ち杭の工法(オールケーシング=ケーシングチューブで孔壁保護/アースドリル=安定液で孔壁保護・バケット掘削/リバースサーキュレーション=泥水の水頭圧で孔壁保護・循環水で排土/深礎=土留めで孔壁保護・人力掘削で支持地盤を直接確認)

※ 問題文は転載していません。各工法の掘削・孔壁保護方法は、最新の杭基礎施工便覧等で確認してください。

ハナダユキヒロ

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

土木施工管理技士試験で過去に問われた用語・数値・施工手順を、官公庁の仕様書や日本道路協会の便覧に照らして整理しています。

「建築学生が学ぶ構造力学」(kentiku-kouzou.jp)を運営。著書「わかる構造力学」(工学社)。

過去問解説

よく学ばれる分野

このサイトについて

Topへ >>

  1. HOME > 過去問解説 > 2級 > 令和5年度(後期) > No.10 場所打ち杭の施工