令和5年度(2023年)2級土木施工管理技術検定 第一次検定(前期)No.2は、法面保護工の工種とその目的の組合せに関する問題です。4つの組合せのうち、最も適当でないものを1つ選びます。
法面保護工は、大きく植生工と構造物工に分かれます。種子吹付け工や張芝工などの植生工は、植物で法面を覆って雨水による浸食を防ぎ、緑化する工です。モルタル吹付け工やコンクリート張工などの構造物工は、岩や法面の風化・表流水の浸透・はく落を防ぎます。⑵⑶⑷はこの目的どおりの正しい組合せです。
誤りは⑴です。種子吹付け工は植物で法面を覆う植生工なので、目的は浸食防止・緑化です。「土圧に対抗して崩壊防止」を目的とするのは適当でありません。土圧に対抗して斜面の崩壊を防ぐのは、擁壁工など背面の土圧を受け止める構造物工が受け持ちます。植生工と構造物工の役割の取り違えで間違えやすい問題です。
※ 問題文そのものは、全国建設研修センターが公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢1(最も適当でない組合せ)
| 選択肢 | 工種/目的 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|---|
| 1 | 種子吹付け工/土圧に対抗して崩壊防止 | ×(誤り) | 種子吹付け工は植生工で目的は浸食防止・緑化。土圧に対抗して崩壊を防ぐ工ではない |
| 2 | 張芝工/切土面の浸食防止 | ○(正しい) | 植生工で切土面を植物が覆い浸食を防止する |
| 3 | モルタル吹付け工/表流水の浸透防止 | ○(正しい) | 岩を覆い表流水の浸透を遮って風化を防止する |
| 4 | コンクリート張工/岩盤のはく落防止 | ○(正しい) | 構造物工で岩盤のはく落・崩落を防止する |
種子吹付け工は、種子・肥料・繊維(ファイバー)などを水と混ぜて法面に吹き付け、植物を繁茂させる植生工です。植物の根が地表を縛り、地表を覆う植物体が雨水を受け止めるので、目的は法面の浸食防止と緑化(風化抑制)であって、土圧に対抗して崩壊を防ぐ工ではありません。緩やかな勾配の切土・盛土の法面に用います。
土圧に対抗して斜面の崩壊を防ぐのは、擁壁工やブロック積工のように背面の土圧を受け止める構造物工の役割です。⑵の張芝工(切土面の浸食防止)も植生工で目的が正しく、⑶のモルタル吹付け工(岩を覆って表流水の浸透を防ぎ風化を抑える)、⑷のコンクリート張工(岩盤のはく落防止)はいずれも構造物工で目的が正しい組合せです。工種の分類(植生工か構造物工か)と目的が食い違っているのは⑴だけです。
この問題に出た工種と、その目的をまとめると次のとおりです。植生工は浸食防止・緑化、構造物工は風化・浸透・はく落・土圧への対策と押さえます。
| 工種(分類) | 目的 |
|---|---|
| 種子吹付け工・張芝工(植生工) | 植物で法面を覆い、雨水による浸食を防止・緑化 |
| モルタル吹付け工(構造物工) | 岩を覆い、表流水の浸透を防いで風化を防止 |
| コンクリート張工(構造物工) | 岩盤・法面表層のはく落・崩落を防止 |
| (参考)擁壁工・ブロック積工(構造物工) | 土圧に対抗して斜面の崩壊を防ぐ(安定確保) |
問題:種子吹付け工の目的は、土圧に対抗して法面の崩壊を防止することである。
〇か×か。
答え:×
種子吹付け工は植生工で、目的は浸食防止・緑化です。土圧に対抗して崩壊を防ぐのは擁壁工など構造物工が受け持ちます。
問題:モルタル吹付け工は、岩の法面を覆って表流水の浸透を防ぎ、風化を防止する目的で用いる。
〇か×か。
答え:〇
モルタル吹付け工は構造物工で、岩を覆って表流水の浸透を遮り、風化やはく落を防ぎます。植生の適さない硬い岩の法面などに用います。
出典・参考資料
※ 問題文は転載していません。法面保護工の工種と目的は上記で照合しています(この記事の確認日時点)。
※ この記事の確認日:2026年7月
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