令和5年度(2023年)2級土木施工管理技術検定 第一次検定(前期)No.16は、河川護岸の施工に関する⑴〜⑷の記述のうち、適当なものを1つ選ぶ問題です。
適当なのは⑴の根固工だけで、⑵⑶⑷はいずれも河川護岸の基本を一箇所ずつ入れ替えた引っかけです。⑵は高水護岸を「単断面」としていますが、高水護岸は高水敷のある複断面河川で使うもの。⑶は基礎工の天端を計画河床高より「高く」としていますが、洗掘対策では逆に低く据えます。⑷は緩勾配・低流速の場所を「間知ブロック」としていますが、間知ブロックは急勾配・高流速側の材料です。断面・上下・材料の3方向は、向きを取り違えると誤りになります。
※ 問題文そのものは、全国建設研修センターが公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢1(適当な記述)
| 記述 | 適否 | 解説 |
|---|---|---|
| ⑴ 根固工は、水衝部等で河床洗掘を防ぎ、基礎工等を保護するために施工する | 適当 | 根固工は水衝部の河床洗掘を防ぎ、その内側の基礎工を守る |
| ⑵ 高水護岸は、単断面の河川において高水時に表法面を保護するために施工する | 適当でない | 高水護岸は高水敷のある複断面河川で堤防の表法面を守る。単断面ではない |
| ⑶ 護岸基礎工の天端の高さは、洗掘に対する保護のため計画河床高より高く施工する | 適当でない | 洗掘対策では計画河床高・現況河床高の低い方より低く据える。高くは逆 |
| ⑷ 法覆工は、堤防の法勾配が緩く流速が小さな場所では、間知ブロックで施工する | 適当でない | 緩勾配・低流速は平板ブロックや連節ブロック。間知ブロックは急勾配・高流速側 |
⑵の高水護岸は、低水路と高水敷に分かれた複断面河川で、高水時に堤防の表法面を守るための護岸です。単断面河川では高水護岸・低水護岸を分けず、河岸をまとめて覆う護岸になります。「単断面」という条件が実態と合いません。
⑶の基礎工は、法覆工の下端を支える土台です。河床が洗掘されても浮き上がらないよう、その天端は計画河床高と現況河床高の低い方より低く据えるのが原則で、記述の「計画河床高より高く」は上下が逆です。基礎工が河床面より飛び出していれば、まず基礎工の前面が掘られて護岸ごと崩れてしまいます。
⑷の法覆工は、堤防・河岸の表面を覆う本体です。材料は勾配と流速で選び、法勾配が急で流速が大きい場所は間知ブロック(積むタイプ)、法勾配が緩く流速が小さい場所は平板ブロックや連節ブロック(張るタイプ)を使います。記述は緩勾配・低流速に間知ブロックを当てており、材料の対応が逆です。適当なのは、水衝部の河床洗掘を防いで基礎工を守る⑴の根固工だけになります。
問題:護岸基礎工の天端の高さは、洗掘に対する保護のため計画河床高より高く施工する。
〇か×か。
答え:×
基礎工の天端は、計画河床高と現況河床高の低い方より低く据えます。河床面より高く出すと前面が洗掘されて崩れるため、方向が逆です。
問題:法覆工は、堤防の法勾配が緩く流速が小さな場所では、間知ブロックで施工する。
〇か×か。
答え:×
緩勾配・低流速の場所は平板ブロックや連節ブロック(張るタイプ)を使います。間知ブロック(積むタイプ)は法勾配が急で流速が大きい場所の材料です。
出典・参考資料
※ 問題文は転載していません。護岸の設計は、河川砂防技術基準(設計編)や護岸の設計基準等で確認してください。
※ この記事の確認日:2026年7月
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