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令和5年度(前期)2級土木施工管理技士 No.17を解説、砂防えん堤

令和5年度(2023年)2級土木施工管理技術検定 第一次検定(前期)No.17は、砂防えん堤に関する⑴〜⑷の記述のうち、適当でないものを1つ選ぶ問題です。

この問題のポイント

堤体基礎の根入れの深さが問われています。基礎地盤が岩盤の場合の根入れは1m以上が通常で、選択肢2の「0.5m以上」は過小です。砂礫地盤なら2m以上と、岩盤より深くとります。袖・前庭保護工・下流法勾配の各記述は正しく、根入れの数値だけを取り違えさせる出題です。

※ 問題文そのものは、全国建設研修センターが公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢2(最も不適当な記述)

各選択肢の正誤

記述正誤解説
⑴ 袖は、洪水を越流させないようにし、土石等の流下による衝撃に対して強固な構造とする○(正しい)袖は洪水を越流させない高さとし、流下する土石の衝撃に耐える構造にする
⑵ 堤体基礎の根入れは、基礎地盤が岩盤の場合は0.5m以上行うのが通常である×(誤り)岩盤の場合の根入れは1m以上が通常で、0.5mは過小(砂礫地盤なら2m以上)
⑶ 前庭保護工は、本えん堤を越流した落下水による前庭部の洗掘を防止するための構造物である○(正しい)前庭保護工は落下水・落下砂礫による前庭部の洗掘を防ぐ構造物
⑷ 本えん堤の堤体下流の法勾配は、一般に1:0.2程度としている○(正しい)本えん堤下流の法勾配は一般に1:0.2を標準とする

選択肢2のポイント(ここが誤り)

砂防えん堤の堤体基礎は、洪水や土石流の外力で滑動・転倒しないよう、地盤に食い込ませて据える必要があります。この食い込み深さが根入れで、基礎地盤が岩盤の場合は1m以上とるのが通常です。選択肢2は岩盤の根入れを0.5m以上としており、標準の1m以上より浅い(過小)点が誤りです。岩盤より緩い砂礫地盤では、洗掘や風化を見込んで2m以上とさらに深くとります。岩盤で浅く・砂礫盤で深くという大小の向きで取り違えないよう注意します。

覚え方

  • 根入れ=岩盤は1m以上、砂礫地盤は2m以上(岩盤より深い)
  • 袖=洪水を越流させない・土石の衝撃に強固/前庭保護工=落下水による前庭部の洗掘を防止
  • 本えん堤下流の法勾配=一般に1:0.2程度(急勾配)

理解度チェック

問題:砂防えん堤の堤体基礎の根入れは、基礎地盤が岩盤の場合は0.5m以上行うのが通常である。

〇か×か。

答え:×

岩盤の場合の根入れは1m以上が通常です。0.5mは過小で、砂礫地盤ではさらに深く2m以上とります。

問題:前庭保護工は、本えん堤を越流した落下水による前庭部の洗掘を防止するための構造物である。

〇か×か。

答え:

前庭保護工は、越流した落下水や落下砂礫による前庭部の洗掘を防ぐための構造物で、水叩き・副えん堤・側壁護岸などで構成されます。

令和5年度(前期)2級土木施工管理技士 第一次検定 過去問解説 一覧へ

出典・参考資料

  • 一般財団法人 全国建設研修センター「令和5年度 2級土木施工管理技術検定 第一次検定(前期・種別:土木) 問題」
  • 砂防えん堤の各部(袖=洪水を越流させない・土石の衝撃に強固/堤体基礎の根入れ=岩盤1m以上・砂礫地盤2m以上/前庭保護工=落下水による前庭部の洗掘防止/本えん堤下流法勾配=一般に1:0.2標準)

※ 問題文は転載していません。砂防えん堤の各部の寸法・機能は、最新の河川砂防技術基準等で確認してください。

ハナダユキヒロ

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

土木施工管理技士試験で過去に問われた用語・数値・施工手順を、官公庁の仕様書や日本道路協会の便覧に照らして整理しています。

「建築学生が学ぶ構造力学」(kentiku-kouzou.jp)を運営。著書「わかる構造力学」(工学社)。

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