令和5年度(2023年)2級土木施工管理技術検定 第一次検定(前期)No.18は、地すべり防止工に関する⑴〜⑷の記述のうち、適当なものを1つ選ぶ問題です。杭工・集水井工・横ボーリング工・排土工の目的と、工事を行う位置や排水の方法が正しく述べられているかを問います。
地すべり防止工は、水を抜いたり地形を変えたりして地すべりの力を弱める抑制工と、杭やアンカーなど構造物の抵抗力で動きを止める抑止工に分かれます。適当なのは⑶の横ボーリング工だけで、残る⑴⑵⑷はいずれも工事を行う位置や排水の方法を入れ替えて誤りにしています。杭を打つ場所(頭部か下部か)、排土する場所(頭部か脚部か)、排水がポンプか自然流下か、という「どこで・どうやって」で間違えやすい問題です。
※ 問題文そのものは、全国建設研修センターが公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢3(⑶ 横ボーリング工/最も適当な記述)
| 記述 | 適否 | 解説 |
|---|---|---|
| ⑴ 杭工は、原則として地すべり運動ブロックの頭部斜面に杭をそう入し、斜面の安定を高める工法である | 適当でない | 杭工(抑止工)は移動土塊の下部〜中央部(圧縮部)に打つ。頭部は排土工の場所 |
| ⑵ 集水井工は、井筒を設けて集水ボーリング等で地下水を集水し、原則としてポンプにより排水を行う工法である | 適当でない | 排水は原則自然排水(排水ボーリングによる自然流下)。ポンプは例外 |
| ⑶ 横ボーリング工は、地下水調査等の結果をもとに、帯水層に向けてボーリングを行い、地下水を排除する工法である | 適当 | 帯水層をねらって地下水を抜く抑制工。記述のとおり正しい |
| ⑷ 排土工は、土塊の滑動力を減少させることを目的に、地すべり脚部の不安定な土塊を排除する工法である | 適当でない | 排土する場所は頭部。脚部に荷重を加えるのは押え盛土工 |
⑴の杭工は抑止工で、杭を移動土塊の下部から中央部(圧縮部)に、すべり面を貫いて不動地盤まで打ち込み、せん断抵抗や曲げ抵抗で滑動を止めます。記述⑴の「頭部斜面」は場所が違います。頭部は土塊が引っ張られる引張部で、そこの土を取り除くのは次の排土工です。
⑵の集水井工は抑制工(地下水排除工)で、井筒の中から集水ボーリングで地下水を集め、排水ボーリングによる自然排水(自然流下)で外へ抜くことを原則とします。記述⑵の「原則としてポンプ」は誤りで、ポンプ排水は自然に流し出せない場合の例外です。
⑷の排土工は、地すべり頭部の土塊を取り除いて滑動力そのものを小さくする工法で、脚部(末端部)ではありません。脚部に盛土をして抵抗を増やすのは押え盛土工で、削る排土工と盛る押え盛土工は場所も向きも逆です。記述⑷は排除する場所を頭部と脚部で取り違えています。
これに対し⑶の横ボーリング工は、帯水層に向けてボーリングを行い地下水を自然に排除する抑制工で、記述のとおり正しく述べられています。したがって適当なものは⑶で、正解は選択肢3です。
問題:排土工は、土塊の滑動力を減少させることを目的に、地すべり脚部の不安定な土塊を排除する工法である。
〇か×か。
答え:×
排土工が取り除くのは地すべり頭部の土塊です。脚部(末端部)に荷重を加えて抵抗を増やすのは押え盛土工で、削る場所を取り違えています。
問題:集水井工は、井筒を設けて地下水を集水し、原則としてポンプにより排水を行う工法である。
〇か×か。
答え:×
集水井工の排水は、排水ボーリングによる自然排水(自然流下)を原則とします。ポンプ排水は自然に流し出せない場合の例外です。
出典・参考資料
※ 問題文は転載していません。地すべり防止工の分類・位置・排水方法は、地すべり防止技術指針や各自治体の砂防・地すべり設計要領で確認してください。
※ この記事の確認日:2026年7月
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