ゼロから学ぶ土木施工管理

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令和5年度(前期)2級土木施工管理技士 No.56を解説、工程管理に用いられる工程表

令和5年度(2023年)2級土木施工管理技術検定 第一次検定(前期)No.56は、工程管理に用いられる工程表に関する①〜④の記述のうち、適当なもののみを全てあげている組合せを選ぶ問題です。バーチャート・グラフ式工程表・出来高累計曲線について、それぞれの縦軸・横軸と分類が問われています。

この問題のポイント

適当なものは③④で、①と②が誤りです。工程表は、縦軸に何をとり横軸に何をとるかで種類が決まります。①はバーチャートを曲線式工程表の仲間に入れている点が誤りで、バーチャートは横線式に分類されます。②はバーチャートの軸そのものを入れ替えている点が誤りで、バーチャートは縦軸に作業(工種)・横軸に日数をとります。軸の縦横と、どの分類に属するかの取り違えで間違えやすい問題です。

※ 問題文そのものは、全国建設研修センターが公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢3(③④)

各記述の適否

記述適否解説
① 曲線式工程表には、バーチャート、グラフ式工程表、出来高累計曲線がある適当でない曲線式にバーチャートは含まれない(バーチャートは横線式)。曲線式はグラフ式・出来高累計曲線・斜線式など
② バーチャートは、縦軸に日数をとり、横軸にその工事に必要な距離を棒線で表す適当でない縦軸は作業(工種)、横軸は日数。距離ではなく縦横も逆
③ グラフ式工程表は、出来高又は工事作業量比率を縦軸、日数を横軸にとり、工種ごとの工程を斜線で表す適当縦軸に出来高(作業量比率)、横軸に日数をとる曲線式工程表
④ 出来高累計曲線は、縦軸に出来高比率、横軸に工期をとり、工事全体の出来高比率の累計を曲線で表す適当いわゆるSカーブ。工程管理曲線(バナナ曲線)の基礎になる

記述①・②のポイント(ここが誤り)

工程表は、まず横線式・曲線式・ネットワーク式の3つに大きく分けられます。バーチャートは横線式で、縦軸に作業(工種)を並べ、横軸に日数をとって各作業の期間を棒線で表します。①は曲線式工程表の仲間としてバーチャートを挙げていますが、バーチャートは曲線式ではなく横線式です。曲線式に属するのはグラフ式工程表・出来高累計曲線・斜線式などで、いずれも出来高(作業量)を軸にとる点が共通しています。

②はバーチャートの説明ですが、軸のとり方が入れ替わっています。正しくは縦軸に作業(工種)、横軸に日数で、棒線が表すのは各作業の期間です。②は縦軸に日数、横軸に距離としており、縦横も内容も誤りです。工事に必要な距離を軸にとる工程表ではありません。一方、③のグラフ式工程表(縦軸=出来高、横軸=日数、工種ごとに斜線)と、④の出来高累計曲線(縦軸=出来高比率、横軸=工期、全体の累計を曲線で表示)は、いずれも軸のとり方が正しく適当です。したがって適当なものは③④の組合せである選択肢3です。

工程表分類縦軸/横軸
バーチャート横線式縦軸=作業(工種)/横軸=日数
グラフ式工程表曲線式縦軸=出来高(作業量比率)/横軸=日数
出来高累計曲線(Sカーブ)曲線式縦軸=出来高比率/横軸=工期

覚え方

  • バーチャートは横線式。縦軸=作業(工種)、横軸=日数(距離ではない)
  • 曲線式の仲間=グラフ式・出来高累計曲線・斜線式。バーチャートは入らない
  • グラフ式・出来高累計曲線は縦軸に出来高をとるのが共通点
  • 作業の関連・順序まで表せるのはネットワーク式(横線式・曲線式では表せない)

理解度チェック

問題:曲線式工程表には、バーチャート、グラフ式工程表、出来高累計曲線がある。

〇か×か。

答え:×

バーチャートは曲線式ではなく横線式です。曲線式に含まれるのはグラフ式工程表・出来高累計曲線・斜線式などです。

問題:バーチャートは、縦軸に作業(工種)をとり、横軸に日数をとって各作業の期間を棒線で表す。

〇か×か。

答え:

バーチャートは縦軸に作業(工種)、横軸に日数をとります。設問②のように縦軸に日数・横軸に距離とするのは誤りです。

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出典・参考資料

  • 一般財団法人 全国建設研修センター「令和5年度 2級土木施工管理技術検定 第一次検定(前期・種別:土木) 問題」
  • 工程表の分類(横線式=バーチャート・ガントチャート/曲線式=グラフ式・出来高累計曲線・斜線式/ネットワーク式)と各工程表の縦軸・横軸の対応

※ 問題文は転載していません。工程表の種類・特徴は、最新の施工管理の実務資料等で確認してください。

ハナダユキヒロ

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

土木施工管理技士試験で過去に問われた用語・数値・施工手順を、官公庁の仕様書や日本道路協会の便覧に照らして整理しています。

「建築学生が学ぶ構造力学」(kentiku-kouzou.jp)を運営。著書「わかる構造力学」(工学社)。

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