令和7年度(2025年)2級土木施工管理技術検定 第一次検定(後期)No.18は、鋼道路橋の架設工法に関する問題です。架設地点が道路や鉄道を横断し、桁下空間もアンカー設備も使えない現場で一般に用いる工法を、4つのうちから1つ選びます。
設問には条件が2つ書かれています。桁下空間が使えないことと、アンカー設備が使えないことです。架設工法は、桁を下から支えるか、上から吊るかで分かれるので、この2つを外すと残る工法はかぎられます。
手延機による送出し工法は、橋台の後ろなど橋の外で桁を組み立て、先頭に軽い手延機をつけて橋軸方向に押し出していく工法です。桁下に支柱を立てず、上から吊るためのアンカーも要らないので、道路や鉄道を横断する現場でも交通を止めずに架設できます。この2条件にあてはまり、選択肢3が正解です。
残る3つは、外したはずの条件を必要とする工法です。ベント工法と全面支柱式支保工架設工法は桁下に支柱や支保工を立てるので桁下空間が要り、ケーブルクレーンによる直吊工法は両岸に鉄塔やアンカーブロックが要ります。
※ 問題文そのものは、全国建設研修センターが公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢3(条件にあてはまる工法)
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 自走クレーンによるベント工法 | ×(誤り) | 桁下にベントを立てるため桁下空間が必要で、この現場では成り立たない |
| 2 全面支柱式支保工架設工法 | ×(誤り) | 桁下の全面に支保工を組むため桁下空間が必要になる |
| 3 手延機による送出し工法 | ○(正しい) | 桁下に支柱を立てず、上から吊るための設備も要らない。橋の外で組み立てて押し出す |
| 4 ケーブルクレーンによる直吊工法 | ×(誤り) | 両岸に鉄塔やアンカーブロックが要り、アンカー設備が使えない現場では選べない |
送出し工法は、橋台の背面や既設の桁の上など、橋の外にあたる場所で桁をあらかじめ組み立てます。組み上がった桁の先端に手延機という軽い仮の桁をつなぎ、自走台車などで橋軸方向へ順に送り出して所定の位置に据えます。手延機は先に対岸へ届いて桁の重さを受けるための道具で、桁が渡り終えたあとに解体します。
桁を送り出している間、桁の下は空いたままです。下を通る道路や鉄道の交通を止めずに架設できるところが、この工法を選ぶ理由になります。ただし桁と手延機を組み立てる場所と、送り出したあとに手延機を解体する場所が橋のたもとに要るので、そこが確保できない現場では使えません。
4つの工法を「何が要るか」で並べると、条件から絞れます。
| 工法 | 要るもの | この現場で使えるか |
|---|---|---|
| 自走クレーンによるベント工法 | 桁下のベント、クレーンの作業ヤード | 使えない(桁下空間がない) |
| 全面支柱式支保工架設工法 | 桁下全面の支保工 | 使えない(桁下空間がない) |
| 手延機による送出し工法 | 橋のたもとの組立・解体ヤード | 使える |
| ケーブルクレーンによる直吊工法 | 両岸の鉄塔、アンカーブロック | 使えない(アンカー設備がない) |
ケーブルクレーンによる直吊工法は、深い谷や河川でベントを立てられない代わりに、両岸にアンカーを取れる現場で選ばれます。同じ「ベントが立てられない」現場でも、アンカーが取れるかどうかで送出し工法と分かれます。
問題:桁下に道路や鉄道があってベントを設置できない現場では、手延機による送出し工法が用いられる。
〇か×か。
答え:〇
橋の外で組み立てた桁を手延機で押し出すため、桁下に支柱を立てずに架設できます。下を通る交通も止めずにすみます。
問題:ケーブルクレーンによる直吊工法は、アンカー設備が使用できない現場に適する。
〇か×か。
答え:×
両岸の鉄塔やアンカーブロックからケーブルを張って吊り下ろす工法なので、アンカー設備が取れることが前提になります。
出典・参考資料
※ 問題文・図は転載していません。工法の適用条件は上記の資料で照合しています。
※ この記事の確認日:2026年7月
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