令和7年度(2025年)2級土木施工管理技術検定 第一次検定(後期)No.29は、トンネルの山岳工法における掘削に関する問題です。4つの記述のうち、適当でないものを1つ選びます。
4つのうち2つは断面の分け方、2つは掘る手段です。ずれているのは断面の分け方のほうです。
ベンチカット工法は、トンネル断面を上半と下半に分けて階段状に掘り進める工法です。選択肢2は「全断面を一度に掘削する」と書いていますが、これは全断面工法の説明です。名前どうしが入れかわっています。
※ 問題文そのものは、全国建設研修センターが公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢2(適当でない記述)
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 導坑先進工法は、トンネル断面を数個の小さな断面に分け徐々に切り拡げていく | ○(正しい) | 地質が悪い場合に、小断面を先進させて徐々に広げる |
| 2 ベンチカット工法は、トンネル全断面を一度に掘削する | ×(適当でない) | ベンチカットは上半・下半に分けて掘削する。全断面を一度に掘るのは全断面工法 |
| 3 発破掘削は、地山にせん孔し、孔内に爆薬を装填し爆破させて地山を切り崩す | ○(正しい) | 硬い岩を爆薬で砕いて掘る方式 |
| 4 機械掘削は、全断面掘削機や自由断面掘削機を用いて岩石を掘削する | ○(正しい) | 掘削機械で掘る方式。余掘りが少なく振動も小さい |
ベンチカット工法は、トンネルの断面を上半分(上半)と下半分(下半)に分け、上半を先に掘って、そのあとを追うように下半を掘る工法です。断面を階段(ベンチ)の形にしながら進むのでこの名がつきます。上下を交互に掘る場合も、同時に掘る場合もあります。
選択肢2の「全断面を一度に掘削する」は、ベンチカット工法ではなく全断面工法の説明です。全断面工法は、断面が小さいトンネルや地質が安定した地山で、切羽を一度に全部掘る工法です。ベンチカットは分けて掘る、全断面は一度に掘る、と逆になっています。掘削の工法は「断面を分けるか、一度に掘るか」で押さえると取りちがえにくくなります。
掘削は「断面をどう分けるか」と「何で掘るか」の2軸に整理できます。この問題は前者に誤りを仕込んでいます。
| 軸 | 工法 | 内容 |
|---|---|---|
| 断面の分け方 | 全断面工法 | 全断面を一度に掘る(小断面・安定した地山) |
| 断面の分け方 | ベンチカット工法 | 上半・下半に分けて階段状に掘る |
| 断面の分け方 | 導坑先進工法 | 小断面を先進させ、徐々に切り拡げる(地質が悪い場合) |
| 掘る手段 | 発破掘削 | 爆薬で砕く(硬岩など) |
| 掘る手段 | 機械掘削 | 掘削機械で掘る(余掘りが少ない・振動が小さい) |
断面の分け方(全断面・ベンチカット・導坑先進)と、掘る手段(発破・機械)は別の軸です。名前をどの軸のどの工法に当てているかを見ると、入れかえに気づけます。
問題:ベンチカット工法は、トンネル全断面を一度に掘削する工法である。
〇か×か。
答え:×
ベンチカット工法は上半・下半に分けて階段状に掘ります。全断面を一度に掘るのは全断面工法です。
問題:導坑先進工法は、トンネル断面を数個の小さな断面に分けて徐々に切り拡げていく工法である。
〇か×か。
答え:〇
地質が悪い場合に、小断面を先に掘り進めてから徐々に断面を広げていきます。
出典・参考資料
※ 問題文・図は転載していません。工法の内容は上記の資料で照合しています。
※ この記事の確認日:2026年7月
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