ゼロから学ぶ土木施工管理

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令和7年度(後期)2級土木施工管理技士 No.30を解説、海岸堤防の形式

令和7年度(2025年)2級土木施工管理技術検定 第一次検定(後期)No.30は、海岸堤防の形式の特徴に関する問題です。4つの記述のうち、適当でないものを1つ選びます。

この問題のポイント

海岸堤防の形式は、地盤・用地・水深・堤体土砂のそろい方で選びます。この問題は、傾斜型の条件のうち堤体土砂の部分をずらしています。

傾斜型は、堤体土砂が容易に得られる場合に適する形式です。選択肢1は「堤体土砂が容易に得られない場合」と書いていますが、正しくは得られるときに向きます。土を大量に積む形式なので、土が手に入らないと築けません。地盤が比較的軟弱でも使える点は合っています。

※ 問題文そのものは、全国建設研修センターが公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢1(適当でない記述)

各選択肢の正誤

選択肢正誤解説
1 傾斜型は、比較的軟弱な地盤で、堤体土砂が容易に得られない場合に適している×(適当でない)傾斜型は堤体土砂が容易に得られる場合に適する。得られない場合ではない
2 緩傾斜型は、堤防用地が広く得られる場合や、海水浴場等に利用する場合に適している○(正しい)ゆるい斜面で人が水辺に近づきやすい。親水性が高い場所に向く
3 直立型は、比較的良好な地盤で、堤防用地が容易に得られない場合に適している○(正しい)良好な地盤・狭い用地に向く。壁状で用地が小さくてすむ
4 混成型は、水深が割合に深く、地盤が比較的軟弱な場合に適している○(正しい)マウンドの上に直立部をのせ、水深が深く軟弱な地盤に向く

選択肢1のポイント(ここが誤り)

傾斜型は、前面がゆるやかな斜面状の形式です。土砂を斜面状に盛り上げてつくるので、堤体になる土砂が大量に要ります。だから堤体土砂が容易に得られる場合に適し、得られない場合には向きません。斜面が荷重を広く分散するため、地盤が比較的軟弱でも築ける利点があります。

選択肢1は、地盤の条件(軟弱でも可)は合っていますが、堤体土砂の条件を「容易に得られない」と逆に書いています。傾斜型と直立型は、堤体土砂がそろうかどうかで選ぶ、という向きで押さえると取りちがえにくくなります。土がそろえば傾斜型、そろわなければ直立型(コンクリートの壁)です。

海岸堤防の形式と適する条件

4つの形式を、地盤・用地・堤体土砂・親水性で並べます。

形式適する条件
傾斜型堤体土砂が容易に得られる。地盤が比較的軟弱でも可
緩傾斜型用地が広い。海水浴場など親水性が高い場所
直立型良好な地盤。用地が容易に得られない(狭い)場合
混成型水深が割合に深く、地盤が比較的軟弱な場合

傾斜型と直立型は、堤体土砂と用地・地盤で対になります。土がそろい地盤がやや軟弱なら傾斜型、地盤が良好で用地が狭ければ直立型です。この対応を逆にしたのが選択肢1です。

覚え方

  • 傾斜型=堤体土砂が容易に得られる場合(得られない場合は誤り)。軟弱地盤でも可
  • 直立型=良好な地盤・狭い用地。緩傾斜型=親水性が高い場所
  • 混成型=水深が深く、比較的軟弱な地盤
  • 土がそろえば傾斜型、そろわず地盤が良ければ直立型

理解度チェック

問題:傾斜型の海岸堤防は、堤体土砂が容易に得られない場合に適している。

〇か×か。

答え:×

傾斜型は堤体土砂が容易に得られる場合に適します。土を大量に積む形式なので、土がそろうことが前提です。

問題:混成型の海岸堤防は、水深が割合に深く、地盤が比較的軟弱な場合に適している。

〇か×か。

答え:

捨石などのマウンドの上に直立部をのせる形式で、水深が深く軟弱な地盤に向きます。

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出典・参考資料

  • 一般財団法人 全国建設研修センター「令和7年度 2級土木施工管理技術検定 第一次検定(後期) 問題」および公式正答
  • 傾斜型は堤体土砂が得られる場合・軟弱地盤でも可/直立型は良好な地盤・狭い用地:小学館「日本大百科全書(ニッポニカ)海岸堤防」(japanknowledge.com
  • 海岸堤防の形式の選定基準の原典:農林水産省・国土交通省「海岸保全施設の技術上の基準」、国土交通省「海岸編(設計)」

※ 問題文・図は転載していません。形式と適する条件は上記の資料で照合しています。

ハナダユキヒロ

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

土木施工管理技士試験で過去に問われた用語・数値・施工手順を、官公庁の仕様書や日本道路協会の便覧に照らして整理しています。

「建築学生が学ぶ構造力学」(kentiku-kouzou.jp)を運営。著書「わかる構造力学」(工学社)。

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