令和7年度 2級土木施工管理技術検定 第一次検定(前期)No.17は、鋼材の力学的性質に関する問題です。この問題では、4つの記述のうち、最も適当でないものを1つ選びます。
この問題は、鋼材に力を加えたときの応力度とひずみの関係(応力-ひずみ線図)の基本を問うものです。荷重を増やすと、初めは応力度とひずみが比例し、ある限界を超えると比例しなくなり、さらに進むと荷重を除いてもひずみが残ります。この一連の段階を、弾性と塑性という対概念で正しく区別できているかが分かれ目になります。
引っかけの核心は1点、永久ひずみが生じないのはどちらの領域かです。永久ひずみが残らないのは弾性領域で、塑性領域では永久ひずみが残ります。鋼材を「塑性領域内で使用する」とすれば、この対概念が入れ替わっており誤りになります。
※ 問題文そのものは、全国建設研修センターが公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢4(最も適当でない記述)
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ○(正しい) | 応力度が弾性限度以下では、応力度とひずみが比例する(弾性の性質) |
| 2 | ○(正しい) | 弾性限度を超えると、応力度とひずみが比例しなくなる |
| 3 | ○(正しい) | 塑性域では、応力度をゼロに戻してもひずみが残る(永久ひずみ) |
| 4 | ×(誤り) | 永久ひずみが生じないのは弾性領域。「塑性領域内で使用」は弾性と塑性の取り違えで誤り |
選択肢4が、永久ひずみの生じない領域を塑性領域とした点で誤りで、正しくは弾性領域です。
鋼材に荷重を加えると、応力度が弾性限度以下のうちは、応力度とひずみが比例して増え、荷重を除けばひずみはゼロまで戻ります。この戻る範囲が弾性領域で、永久ひずみは生じません。弾性限度を超えると比例関係が崩れ、塑性域に入ると、荷重を除いてもひずみがゼロまで戻らず残ります。この残るひずみが永久ひずみ(残留ひずみ)です。
選択肢4は、鋼材を「永久ひずみが生じない塑性領域内で使用する」としています。永久ひずみが生じないのは弾性領域であり、塑性領域では永久ひずみが残るため、記述そのものが矛盾します。永久ひずみが生じないのは弾性領域で、塑性領域ではないという点が、最も適当でない理由です。
構造物の鋼材は、変形が元に戻る弾性領域の範囲内で使うのが原則です。許容応力度設計では応力度を弾性限度より十分低く抑え、永久ひずみが残らないようにします。「塑性領域内で使用」とあれば、この弾性?塑性を入れ替えた引っかけと見抜きます。
問題:鋼材は、永久ひずみが生じない塑性領域内で使用される。
〇か×か。
答え:×
永久ひずみが生じないのは弾性領域です。塑性領域では除荷してもひずみが残るため、永久ひずみが生じない領域として塑性領域を挙げるのは誤りです。鋼材は弾性領域内で使用します。
問題:応力度が弾性限度以下にあるとき、応力度とひずみは比例する。
〇か×か。
答え:〇
弾性限度以下では応力度とひずみが比例し、荷重を除けばひずみはゼロまで戻ります。弾性限度を超えるとこの比例関係は崩れます。
出典・参考資料
※ 問題文は転載していません。用語・性質は標準的な内容で、最新の基準・教科書で確認してください。
※ この記事の確認日:2026年6月