ゼロから学ぶ土木施工管理

ゼロから学ぶ土木施工管理
  1. HOME > 施工管理 > 足場の安全基準

足場の安全基準は過去問でどう問われる?手すり85cmと作業床の数値

けんせつる

けんせつる

足場の手すりって、75cm?85cm?

作業床の数値が覚えられない…

この記事の要点

足場は、墜落と物体の落下を防ぐ仮設の作業足場です。労働安全衛生規則で、手すり・中さん・作業床などの寸法が決まっています。

わく組足場以外の手すりは85cm以上、作業床の幅は40cm以上。数値と墜落防止措置の過去問での問われ方も押さえます。

橋や法面、構造物の工事では、高い場所での作業に足場を組みます。墜落や物の落下を防ぐための数値基準が、試験でよく問われます。

わく組足場以外の足場では手すりを高さ85cm以上とし、中さんを設け、作業床の幅は40cm以上、床材間のすき間は3cm以下とします。

足場の墜落・落下防止の設備

足場で墜落を防ぐ中心は、作業床のまわりの手すりと中さんの2つです。物の落下は、幅木やメッシュシート・防網で防ぎます。各部の名前と位置を、断面で見てみます。

足場の墜落・落下防止設備(手すり・中さん・幅木・作業床)の断面模式図 建物 建地 作業床(幅40cm以上) 手すり(85cm以上) 中さん(35〜50cm) 幅木(物体の落下防止) 布(横材) 壁つなぎ
足場の墜落・落下防止設備の模式図(寸法は実物どおりではありません)。手すりの高さは85cm以上、中さんは35〜50cm、作業床の幅は40cm以上です。

覚える数値は次のとおりです。わく組足場以外の足場では、手すりの高さは85cm以上、中さんは高さ35cm以上50cm以下です。作業床は、幅40cm以上、床材間のすき間は3cm以下、床材と建地とのすき間は12cm未満とします。物の落下は、幅木・メッシュシート・防網で防ぎます。

単管足場・わく組足場と墜落防止措置

単管足場では、壁つなぎの間隔を垂直方向5m以下・水平方向5.5m以下とし、建地間の積載荷重は400kg以下とします。足場や作業床は、高さ2m以上の箇所で作業するときに設けます。

墜落や飛来・落下の危険があるときは、立入禁止の措置や防網の設置、安全帯(要求性能墜落制止用器具)と取付け設備が必要です。これらは、作業が短時間で終わる場合でも省略できません。足場を使うときは、関係請負人にも点検などの責任があります。

混同しやすい用語

作業床の幅 と すき間

作業床の数値は混同されがちです。作業床の幅は40cm以上(広いほどよい)、床材間のすき間は3cm以下(狭いほどよい)、床材と建地とのすき間は12cm未満です。幅は「以上」、すき間は「以下・未満」で向きが逆、と整理できます。

過去問でどう問われたか

足場は、2級・1級でほぼ毎年問われる安全管理の定番です。引っかけの中心は、寸法の数値の取り違えと、墜落防止措置を「省略できる」とする記述です。

手すりは85cm以上・作業床の幅は40cm以上。短時間で終わる作業でも、立入禁止や防網の設置は省略できません。数値を少しずらす、または「省略できる」とするのが、誤り肢の定番です。

年度・級・No.問われ方/引っかけ
平成22年度 1級 No.20墜落・飛来落下の防止。「短時間で終了する場合は立入禁止の措置・防網の設置を省略できる」とするのは誤り(省略不可)←省略できるの引っかけ
平成22年度 1級 No.21単管足場の数値。壁つなぎは垂直5m・水平5.5m以下、建地間の積載荷重は400kg以下←数値の取り違え
平成25年度 1級 No.22足場の構造寸法。わく組足場以外の手すり85cm以上・中さん35〜50cm・作業床の幅40cm以上←数値の取り違え
平成25年度 2級 No.55ゴンドラの作業床に手すり・中さんがあっても「安全帯を使用する必要はない」とするのは誤り(安全帯が必要)←省略の引っかけ
平成26年度 2級 No.22足場の組立て。最大積載荷重を超えても「周知すれば使用できる」は誤り。作業主任者が安全帯・保護帽を点検・監視する←
平成26年度 2級 No.14足場の点検。「関係請負人には責任が無く事業者がすべて行う」とするのは誤り(関係請負人にも責任)
平成26年度 2級 実地 No.5墜落事故防止の記述。高さ2m以上での作業床、囲い・手すり・覆い、防網、安全帯と取付け設備、高さ1.5mを超える箇所の昇降設備
令和5年度 1級 問題B No.10誤っているものを選ぶ。誤り=物体の落下防止の幅木等を「高さ5cm以上」とした肢(正しくは10cm以上)←数値の取り違え・正答4。作業床の幅40cm以上、手すり85cm以上、桟35cm以上50cm以下の3つは規定どおり
令和5年度(後期)2級 No.58穴埋めの組合せ。墜落防止=手すりと中さん/物体落下防止=幅木/床材間のすき間3cm以下/指揮は足場の組立て等作業主任者←墜落防止と落下防止の取り違え・正答1

数値をまとめると、作業床の幅は40cm以上、床材間のすき間は3cm以下、手すりは85cm以上、桟(中さん)は35cm以上50cm以下、物体の落下防止の幅木・メッシュシート・防網は高さ10cm以上です。人の墜落を防ぐ設備と物の落下を防ぐ設備で数値が別なので、役割ごとに覚えます。1問ごとの選択肢の解説は令和5年度 1級 問題B No.10令和5年度(後期)2級 No.58 にあります。

理解度チェック

問題:わく組足場以外の足場では、墜落のおそれのある箇所の手すりの高さを85cm以上とする。

〇か×か。

答え:

わく組足場以外の手すりは85cm以上です。75cmは古い基準で、いまは誤りです。中さん(35〜50cm)もあわせて設けます。

問題:墜落の危険があっても、作業が短時間で終わる場合は、防網の設置を省略できる。

〇か×か。

答え:×

短時間で終わる作業でも、立入禁止の措置や防網の設置は省略できません。「省略できる」は誤り肢の定番です。

問題:足場の作業床は、幅を40cm以上とし、床材間のすき間を3cm以下とする。

〇か×か。

答え:

作業床の幅は40cm以上、床材間のすき間は3cm以下、床材と建地のすき間は12cm未満です。幅は「以上」、すき間は「以下・未満」です。

まとめ

足場は、手すり・中さん・作業床・幅木で墜落と落下を防ぐ仮設です。

手すり85cm以上・作業床の幅40cm以上、墜落防止措置は短時間でも省略不可が要点です。

数値の取り違えと「省略できる」が、過去問でよく問われます。足場の組立てには作業主任者の選任が必要で、現場全体の安全衛生管理体制仮設工事ともつながります。

参考資料

  • 労働安全衛生規則(足場・作業床・墜落防止関係)
  • 厚生労働省「足場からの墜落・転落災害防止のための措置」関連資料

※ 手すり・作業床・壁つなぎ等の数値は労働安全衛生規則に基づきます。改正で基準が変わるため、最新の条文・厚生労働省資料で確認してください。

ハナダユキヒロ

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

土木施工管理技士試験で過去に問われた用語・数値・施工手順を、官公庁の仕様書や日本道路協会の便覧に照らして整理しています。

「建築学生が学ぶ構造力学」(kentiku-kouzou.jp)を運営。著書「わかる構造力学」(工学社)。

過去問解説

このサイトについて

Topへ >>

  1. HOME > 施工管理 > 足場の安全基準