ゼロから学ぶ土木施工管理

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安全衛生管理体制は過去問でどう問われる?

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編集部

元請と下請、どちらが誰を選任するか混ざりませんか?現場全体をまとめるのが元請の統括安全衛生責任者、下請側の窓口が安全衛生責任者です。役割で覚えましょう。

この記事の要点

下請が混在する現場では、元請が統括安全衛生責任者を、下請が安全衛生責任者を選任します。

元請(特定元方事業者)は、協議組織の設置や作業場の巡視などを行います。過去問での問われ方も押さえます。

建設現場は、元請と複数の下請が一緒に働く混在現場です。労働災害を防ぐため、労働安全衛生法で管理体制が決められています。

下請が混在する現場では、元請が統括安全衛生責任者を、下請が安全衛生責任者を選任し、元請が現場全体の安全衛生を統括します。

元請と下請の体制

同じ場所で元請と下請の労働者が一定数以上、一緒に働く現場では、次のような体制をつくります。

安全衛生管理体制(統括安全衛生責任者・安全衛生責任者)の図 統括安全衛生責任者 (元請が選任) 元方安全衛生管理者 (元請・技術的事項) 安全衛生責任者 (下請が選任)
安全衛生管理体制の図。元請は統括安全衛生責任者とその下の元方安全衛生管理者を、下請は安全衛生責任者を選任します。

統括安全衛生責任者は元請が選任し、現場全体の安全衛生を統括します。その下で技術的な事項を管理するのが元方安全衛生管理者です。各下請は、元請との連絡窓口となる安全衛生責任者を選任します。

選任に必要な人数

体制づくりが必要になる人数は、役職ごとに決まっています。元請と下請を合わせた現場の労働者数で判断します。

役職選任が必要な現場の規模(常時の労働者数)
統括安全衛生責任者・元方安全衛生管理者常時50人以上(ずい道等・圧気工法・一定の橋梁は常時30人以上
店社安全衛生管理者統括を選任するほどでない規模。ずい道等・圧気・橋梁は常時20人以上30人未満、鉄骨造・鉄骨鉄筋コンクリート造の建築物は常時20人以上50人未満
安全衛生責任者統括を選任した現場で、各下請が選任(人数の定めなし)

統括安全衛生責任者の「50人以上」を「40人以上」などとずらすのが、よくある引っかけです。

特定元方事業者が講じる措置

元請(特定元方事業者)は、混在による労働災害を防ぐため、次の措置を行います。

  • すべての関係請負人が参加する協議組織を設置し、会議を定期的に開く
  • 作業間の連絡・調整を随時行う
  • 作業場の巡視を少なくとも毎作業日に1回行う
  • 安全衛生教育に対する指導・援助(場所や資料の提供)を行う

協議組織の運営や、工程・機械設備の配置計画の作成は、元請(特定元方事業者)が自ら行います。これらを「関係請負人に作成させる・運営させる」とするのは誤りです。

このほか、足場や地山の掘削など危険な作業ごとに、作業主任者を選任します。

混同しやすい用語

統括安全衛生責任者 と 安全衛生責任者

名前が似ていますが、選任する側が違います。統括安全衛生責任者は、元請(特定元方事業者)が選任し、現場全体の安全衛生を統括する責任者です。安全衛生責任者は、各下請が選任し、統括安全衛生責任者との連絡や、自社内の安全衛生を担う窓口です。現場全体をまとめるのが統括安全衛生責任者、下請側の窓口が安全衛生責任者、と整理できます。

過去問でどう問われたか

安全衛生管理体制は、1級の法規でほぼ毎年、特定元方事業者の措置や選任が出ます。引っかけは大きく3型です。

  • ①巡視の頻度のすり替え(毎作業日に1回、を「毎週1回」「作業前日」とする)
  • ②選任の人数のすり替え(統括の「50人以上」を「40人以上」などにずらす)
  • ③誰が行うかのすり替え(元請が自ら行う措置を「関係請負人にさせる」とする)
年度・級・No.問われ方/引っかけ
令和7年度 1級 No.57統括安全衛生責任者に統括管理させる事項として「店社安全衛生管理者の指揮」=誤り(該当しない。連絡調整・協議組織・巡視などが該当)←職務範囲のすり替え・正答?
令和7年度 1級 No.7協議組織について「関係請負人に会議の運営をさせる」=誤り(特定元方事業者が自ら運営)←誰が行うかのすり替え・正答?
令和6年度 1級 No.8統括安全衛生責任者の選任を「常時40人以上」=誤り(常時50人以上が正)←人数のすり替え・正答?
令和6年度 1級 No.7工程計画・機械設備の配置計画を「関係請負人に作成させる」=誤り(元方が作成)←誰が行うかのすり替え・正答?
令和5年度 1級 No.7作業場の巡視を「作業前日に行う」=誤り(毎作業日に1回)←頻度のすり替え・正答?
平成22年度 1級 No.53作業場の巡視を「少なくとも毎週1回行う」=誤り(毎作業日に1回)←頻度のすり替え・正答?

核心は3つです。作業場の巡視は毎作業日に少なくとも1回、統括安全衛生責任者の選任は常時50人以上(ずい道等は30人以上)、そして協議組織の運営や工程計画の作成は元請(特定元方事業者)が自ら行う。この3点を、頻度・人数・主体でずらした記述が誤り肢になります。

理解度チェック

問題:特定元方事業者は、作業場の巡視を少なくとも毎週1回行えばよい。

〇か×か。

答え:×

作業場の巡視は、少なくとも毎作業日に1回行わなければなりません(平成22年度 1級 No.53・令和5年度 1級 No.7)。

問題:統括安全衛生責任者は、元請と下請を合わせて常時50人以上となる現場で選任する(ずい道等・圧気・橋梁は常時30人以上)。

〇か×か。

答え:

原則は常時50人以上です。「40人以上」とずらしたものが誤り肢でした(令和6年度 1級 No.8)。

問題:協議組織の会議の運営は、関係請負人に行わせる。

〇か×か。

答え:×

協議組織の運営は、特定元方事業者(元請)が自ら行います(令和7年度 1級 No.7)。

問題:下請が混在する現場では、元請が統括安全衛生責任者を、下請が安全衛生責任者を選任する。

〇か×か。

答え:

統括安全衛生責任者は元請、安全衛生責任者は下請が選任します。元請の技術的事項は元方安全衛生管理者が管理します。

まとめ

下請が混在する建設現場では、労働安全衛生法で管理体制が決められています。

元請が統括安全衛生責任者(常時50人以上)、下請が安全衛生責任者を選任し、元請は協議組織・連絡調整・毎作業日の巡視を行うのが要点です。

巡視の頻度・選任の人数・措置を行う主体の3つを、過去問が繰り返しずらしてきます。

参考資料

  • 労働安全衛生法(安全衛生管理体制)
  • 厚生労働省「建設業の安全衛生管理体制」関連資料

※ 体制・措置は標準的な内容です。法令の改正があり得るため、最新の条文・資料で確認してください。

ゼロから学ぶ土木施工管理 編集部

この記事を書いた人

ゼロから学ぶ土木施工管理 編集部

土木施工管理技士試験で過去に問われた用語・数値・施工手順を、官公庁の仕様書や日本道路協会の便覧に照らして整理しています。

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