編集部
遮水ゾーンのローラは、ダム軸に直角?平行?答えは平行です。ダム軸と直角方向に転圧する、と書くのが引っかけです。
この記事の要点
ゾーン型フィルダムは、遮水ゾーン・半透水ゾーン・透水ゾーンに分けて盛り立てます。
遮水ゾーンの転圧はダム軸に平行に行います。ゾーンの役割と過去問での問われ方も押さえます。
岩石や土を盛り立ててつくるフィルダムは、性質の違う材料をゾーン(帯)に分けて積み上げます。ゾーンの役割と施工の注意点が、試験でよく問われます。
ゾーン型フィルダムは遮水ゾーン・半透水ゾーン・透水ゾーンに分けて盛り立て、遮水ゾーンの転圧はダム軸に平行に行います。
ゾーン型フィルダムは、水を通しにくい材料を中心に、外側へ向かって水を通しやすい材料を配置します。フィルダムは、このゾーニング(帯分け)によって、遮水と安定の両方を受け持たせます。
中央コア型では、中央のコアに遮水性材料、その外側に半透水性材料、最も外側(上下流側)に透水性材料を置きます。コアや上下流側を半透水性材料とするのは誤りです。
遮水ゾーンは、水を通さないようにする中心部です。締固めは、最適含水比前後の定められた狭い範囲で行うことが求められるため、含水比が変わってしまう降雨時には、一般に施工を行いません。
遮水ゾーンの転圧は、原則としてダム軸に平行な方向にローラを走らせて行います。また、遮水ゾーンと半透水ゾーンの盛立ては水平に行い、境界部では半透水性の材料が遮水ゾーンにはみ出さないように施工します。
基礎掘削は、ゾーンによって掘る深さの考え方が変わります。遮水ゾーンでは、十分な遮水性が期待できる岩盤まで掘削します。透水ゾーンでは、所要のせん断強度が得られるまで、地山の緩んだ部分を取り除く程度の掘削とします。
混同しやすい用語
遮水ゾーン と 透水ゾーン
どちらもフィルダムのゾーンですが、役割が逆です。遮水ゾーンは、水を通さない材料で中心に置き、貯水池の水を止めます。透水ゾーンは、水を通しやすい材料で外側に置き、ダムの安定(せん断強度)を受け持ちます。水を止めるのが遮水ゾーン、ダムを支えるのが透水ゾーン、と整理できます。
フィルダムは、遮水ゾーンの転圧方向と、ゾーニングの材料配置が問われます。引っかけは大きく3型です。
| 年度・級・No. | 問われ方/引っかけ |
|---|---|
| 令和7年度 2級 No.28 | 中央コア型ロックフィルダムの上下流側に「半透水性の材料」=誤り(上下流側は透水性。中央が遮水)←材料配置・正答? |
| 令和6年度 2級 No.28 | 中央コア型ロックフィルダムのコア材を「半透水性」=誤り(コアは遮水性材料)←材料配置(正答?は転流工) |
| 平成24年度 1級 No.34 | 遮水ゾーンの転圧を「ダム軸と直角方向に行う」=誤り(原則ダム軸に平行=ダム軸方向)←転圧方向・正答? |
核心は3つです。遮水ゾーンの転圧はダム軸に平行(ダム軸方向)(直角方向は誤り)、ゾーニングは中央コア=遮水性・上下流側=透水性(半透水性は中間)、遮水ゾーンの締固めは最適含水比前後で降雨時は施工しない。方向・材料・条件を取り違えた記述が、誤り肢になります。
問題:遮水ゾーンの転圧は、原則としてダム軸と直角方向に行う。
〇か×か。
答え:×
遮水ゾーンの転圧は、原則としてダム軸に平行な方向(ダム軸方向)に行います(平成24年度 1級 No.34)。
問題:中央コア型ロックフィルダムでは、上下流側に半透水性の材料を用いる。
〇か×か。
答え:×
上下流側には透水性の材料を用います。中央のコアが遮水性材料、その外側が半透水性材料です(令和7年度 2級 No.28)。
問題:遮水ゾーンの締固めは、最適含水比前後の狭い範囲で行うため、降雨時には一般に施工を行わない。
〇か×か。
答え:〇
遮水ゾーンは含水比管理が厳しいため、含水比が変わる降雨時には一般に施工しません。
問題:基礎掘削は、遮水ゾーンでは十分な遮水性が期待できる岩盤まで掘削する。
〇か×か。
答え:〇
遮水ゾーンは遮水性が期待できる岩盤まで、透水ゾーンは所要のせん断強度が得られるまで掘削します。
ゾーン型フィルダムは、遮水ゾーン・半透水ゾーン・透水ゾーンに分けて盛り立てます。
遮水ゾーンの転圧はダム軸に平行な方向に行い、中央コア=遮水性・上下流側=透水性に材料を配置するのが要点です。
転圧をダム軸と直角方向、上下流側を半透水性とした誤りが、過去問でよく問われます。
参考資料
※ ゾーニング・施工は標準的な内容です。基準の改定や現場条件で変わるため、最新の資料で確認してください。
※ この記事の確認日:2026年6月