編集部
コンクリートは流し込むだけでは強くならない、と知っていましたか?すき間なく締め固め、前の層と一体化させることが大切です。時間と振動の使い方がカギ。年度別の問われ方を見ておきましょう。
この記事の要点
打込みは型枠にコンクリートを入れる作業、締固めは内部振動機ですき間をなくす作業です。
打重ね時間間隔を守り、内部振動機を下層まで挿入して前の層と一体化させます。過去問での問われ方を年度別に押さえます。
コンクリートは、ただ流し込むだけでは中に空げきが残り、弱くなります。正しく打ち込み、しっかり締め固めることが品質を決めます。
打込みは型枠にコンクリートを入れる作業、締固めは内部振動機ですき間をなくす作業で、打重ね時間間隔を守ってコールドジョイントを防ぎます。
打込みは、材料が分離しないように、できるだけ低い位置から、打ち込む場所の近くに下ろします。横に長く流すのは避け、型枠内でコンクリートを横移動させてはいけません。スランプが適切でないと、分離やすき間の原因になります。圧送管の吐出口から打込み面までの高さは2.0m以下、2層以上に分けるときの1層の打込み高さは1.0m以下が目安です。
2層以上に分けて打つときは、下の層が固まる前に上の層を打ち重ねます。間があきすぎると、層の境が一体化せずコールドジョイント(不連続な継ぎ目)になります。これを防ぐため、打重ね時間間隔の目安が決められています。
| 外気温 | 許容打重ね時間間隔 |
|---|---|
| 25℃以下 | 2.5時間以内 |
| 25℃を超える | 2.0時間以内 |
柱や壁とそれに連続するスラブは、柱・壁の沈下が落ち着いてからスラブを打ち込み、沈下ひび割れを防ぎます。なお、型枠に作用する側圧は、打上り速度を大きくするほど大きくなります。側圧を小さくしたいときは、打上り速度をおさえます。
締固めには、棒状の内部振動機(バイブレータ)を使います。前の層まで届かせて、2つの層を一体化させるのがポイントです。
内部振動機は、次のように使います。
混同しやすい用語
内部振動機 と 型枠振動機
どちらも振動で締め固めますが、使う場所が違います。内部振動機(棒状バイブレータ)は、コンクリートの中に直接挿入して締め固めるもので、壁厚の大きい部材などに適します。型枠振動機(型枠バイブレータ)は、型枠の外から振動を与えるもので、薄い部材や鉄筋が密で内部振動機を入れにくい箇所に使います。中に入れるのが内部振動機、外から当てるのが型枠振動機、と分けて覚えます。
コンクリートの打込み・締固めは、平成22年度から令和8年度まで、2級・1級でほぼ毎年問われています。引っかけは、打込みの手順と、内部振動機の使い方です。
| 年度・級・No. | 問われ方/引っかけ |
|---|---|
| 令和8年度 2級 No.11 | コンクリートの打込み。「型枠内でコンクリートを横移動させる」とするのは誤り(横移動させない。打込み前に鉄筋・型枠の配置や清掃状態を確認する) |
| 平成25年度 1級 No.9 | 打込み・締固め。壁厚の大きい部材で「棒状バイブレータは効果が悪いので型枠バイブレータを用いる」とするのは誤り(壁厚が大きい部材には棒状バイブレータが有効) |
| 平成22年度 1級 No.10 | 締固め。内部振動機を「素早く引き抜く」「斜めに差す」とするのは誤り(鉛直に挿入し、下層に10cm程度届かせ、ゆっくり引き抜く) |
| 平成22年度 1級 No.9 | 打込み。柱と連続するスラブを「沈下ひび割れ防止のため一度に打ち込む」とするのは誤り(柱の沈下後にスラブを打ち込む) |
核心は内部振動機の使い方です。内部振動機を「素早く引き抜く」「斜めに差す」、コンクリートを「型枠内で横移動させる」とする記述は誤りです。内部振動機は鉛直に挿入して下層に10cm程度届かせ、ゆっくり引き抜きます。横移動の目的では使いません。
手順では、柱や壁に連続するスラブは、柱・壁の沈下が落ち着いてから打ち込み、沈下ひび割れを防ぐ点も問われます。
問題:許容打重ね時間間隔は、外気温25℃以下で2.5時間以内、25℃を超えるときで2.0時間以内が目安である。
〇か×か。
答え:〇
暑いほど早く固まるため、25℃を超えると2.0時間以内、25℃以下では2.5時間以内が目安です。これを守ってコールドジョイントを防ぎます。
問題:内部振動機は、締固めの能率を上げるため、素早く引き抜くのがよい。
〇か×か。
答え:×
内部振動機は鉛直に挿入し、下層に10cm程度届かせ、ゆっくり引き抜きます。素早く引き抜くと穴が残りやすくなります(平成22年度 1級 No.10)。
問題:打込みでは、型枠内でコンクリートを横移動させて、すみずみまで行きわたらせる。
〇か×か。
答え:×
型枠内で横移動させると材料が分離します。打ち込む場所の近くに下ろし、横移動はさせません(令和8年度 2級 No.11)。
コンクリートの打込み・締固めは、すき間をなくし、前の層と一体化させる作業です。
打重ね時間間隔(25℃以下2.5時間・25℃超2.0時間)を守り、内部振動機を下層まで挿入してゆっくり引き抜くのが要点です。
内部振動機の使い方や、型枠内での横移動が、過去問でよく問われます。
参考資料
※ 数値は標準的な目安です。基準の改定や現場条件で変わるため、最新の資料で確認してください。
※ この記事の確認日:2026年6月