編集部
コンクリートは運んでいる間にも刻々と変わる、と知っていましたか?時間がたつと固まり始め、分離もします。だから時間の限度と運び方が決められています。
この記事の要点
運搬は、練混ぜから打込みまで運ぶ作業です。練混ぜから打込み終了までの時間には限度があります。
トラックアジテータで撹拌しながら運び、シュートは縦シュートを標準にします。過去問での問われ方も押さえます。
コンクリートは、時間がたつと固まり始め、材料も分離しやすくなります。品質を保ったまま運ぶために、運搬の方法と時間が決められています。
運搬は、練混ぜから打込みまで運ぶ作業で、トラックアジテータで撹拌しながら運び、時間の限度を守ります。
工場から現場までは、トラックアジテータ(生コン車)で運びます。ドラムを回して撹拌し続けることで、材料の分離を防ぎます。
現場の中では、コンクリートポンプ・バケット・ベルトコンベヤ・シュートなどで運びます。シュートを使うときは、材料が分離しにくい縦シュートを標準とし、やむを得ず斜めシュートを使う場合は材料分離を起こさないよう注意します。
コンクリートは固まり始める前に打ち終える必要があります。練混ぜから打込み終了までの時間の限度は、外気温で変わります。
| 外気温 | 練混ぜから打込み終了までの時間 |
|---|---|
| 25℃以下 | 2.0時間(120分)以内 |
| 25℃を超える | 1.5時間(90分)以内 |
暑いほど早く固まるため、25℃を超えると時間の限度は短くなります。
運搬や打込みの途中で硬化が進んでしまったコンクリートは、練り直しても元には戻りません。練り直して使うのではなく、使用しないようにします。
コンクリートを直接地面に打ち込む場合は、あらかじめ均しコンクリートを敷きます。現場内でバケットをクレーンで運ぶ方法は、コンクリートに振動を与えることが少なく、分離しにくい運び方です。
混同しやすい用語
練混ぜから打込み終了までの時間 と 許容打重ね時間間隔
どちらも時間の限度で数字も似ていますが、対象が違います。練混ぜから打込み終了までの時間は、運搬を含めた全体の時間で、25℃以下2.0時間・25℃超1.5時間が目安です。許容打重ね時間間隔は、下の層を打ってから上の層を打ち重ねるまでの時間で、25℃以下2.5時間・25℃超2.0時間が目安です。全体の時間と、層と層の間の時間、と分けて覚えます。
運搬は、時間の限度・固まりかけたコンクリートの扱い・シュートが正誤判定で問われます。引っかけは数値の取り違えと、似た時間制限との混同が中心です。
| 出題年度・級(問番) | 問われ方(引っかけの核心) |
|---|---|
| 平成25年度 1級(No.9) | 打込み・締固め。外気温25℃以下では許容打重ね時間間隔を2.5時間以内とするのが正しい肢。運搬を含む全体の時間(25℃以下2.0時間)と取り違えさせる。 |
| 頻出論点(時間の限度) | 練混ぜから打込み終了までは25℃以下2.0時間・25℃超1.5時間。暑いほど短い。数値や25℃の上下を逆にした肢が誤り。 |
| 頻出論点(運搬・打込み) | 硬化が進行したコンクリートは練り直しても元に戻らないため使用しない。「練り直して使用する」は誤り。 |
| 頻出論点(シュート) | 材料分離しにくい縦シュートが標準。「斜めシュートを標準とする」は誤り。やむを得ず使う場合は分離に注意。 |
時間の限度の数値を逆にする、固まりかけたコンクリートを練り直して使用する、斜めシュートを標準とする、とする記述はいずれも誤りです。暑いほど限度は短く、硬化が進んだコンクリートは使わず、シュートは縦が標準です。よく似た「許容打重ね時間間隔(25℃以下2.5時間)」との数値の取り違えにも注意します。
問題:練混ぜから打込み終了までの時間の限度は、外気温25℃以下で2.0時間、25℃を超えるときで1.5時間が目安である。
〇か×か。
答え:〇
暑いほど早く固まるため、25℃を超えると1.5時間、25℃以下では2.0時間が目安です。層と層の間の許容打重ね時間間隔(25℃以下2.5時間以内・平成25年度 1級 No.9)と取り違えないようにします。
問題:打込み中に硬化が進行したコンクリートは、練り直して均質にしてから使用する。
〇か×か。
答え:×
硬化が進んだコンクリートは練り直しても元に戻りません。練り直して使うのではなく、使用しないようにします。
問題:シュートを使う場合は、材料が分離しにくい縦シュートを標準とする。
〇か×か。
答え:〇
縦シュートを標準とし、やむを得ず斜めシュートを使う場合は材料分離を起こさないよう注意します。
運搬は、コンクリートを練混ぜから打込みまで、品質を保って運ぶ作業です。
練混ぜから打込み終了までの時間は25℃以下2.0時間・25℃超1.5時間で、シュートは縦シュートが標準です。
固まりかけたコンクリートは練り直して使わない点が、過去問でよく問われます。
参考資料
※ 時間・方法は標準的な目安です。基準の改定や現場条件で変わるため、最新の資料で確認してください。
※ この記事の確認日:2026年6月