編集部
粒度調整、瀝青、セメント、石灰…路盤の工法が多くて、どれをどこで使うのか迷いませんか?「安定材を加えるか」と「どの土に効くか」で分けると整理できます。
この記事の要点
路盤の工法は、安定材を加えない粒度調整と、安定材を混ぜる安定処理(瀝青・セメント・石灰)に分かれます。使う層(上層路盤か下層路盤か)と、効く土の種類で使い分けます。
とくに、セメントは砂・礫質の土、石灰は粘性土に効く、という違いが過去問で問われます。
路盤は、表層・基層を支えて、交通の荷重を路床に分散させる層です。上側を上層路盤、下側を下層路盤といいます。
路盤の工法は、安定材を加えない「粒度調整」と、安定材を混ぜて強さを高める「安定処理」に大きく分かれます。
安定処理は、加える材料によって瀝青安定処理・セメント安定処理・石灰安定処理の3つに分かれます。
路盤の位置関係は、アスファルト舗装の断面で見るとつかみやすくなります。断面の全体像はプライムコートとタックコートの違いの図も参考になります。
工法は、加えるもの(または粒度をそろえるだけか)と、効く土が違います。分類を図にすると、粒度調整と安定処理の関係がつかめます。
粒度調整は、安定材を混ぜず、粒の大きさのバランス(粒度)が良くなるように骨材を混合する方法です。
粒度がそろうとかみ合いがよくなり、締め固めたときに安定します。おもに上層路盤に使います。
瀝青安定処理は、骨材にアスファルト(瀝青材料)を加えて安定させる方法です。
たわみに強く、上層路盤に使われます。施工後の路盤面には、上の層となじませるためプライムコートを施します。
セメント安定処理は、骨材や現地の土にセメントを加えて固める方法です。
強度と剛性が高くなり、上層路盤・下層路盤の両方で使われます。
砂や礫を多く含む土に効果があります。
石灰安定処理は、現地の土に石灰(消石灰・生石灰)を加えて改良する方法です。
粘性土(シルトや粘土を多く含む土)に効くのが特徴で、おもに下層路盤で使われます。
水分の多い粘性土の含水比を下げ、扱いやすくする効果もあります。
| 工法 | 加えるもの | おもな層 | 効く土・特徴 |
|---|---|---|---|
| 粒度調整 | なし(粒度をそろえる) | 上層路盤 | かみ合いで安定 |
| 瀝青安定処理 | アスファルト | 上層路盤 | たわみに強い |
| セメント安定処理 | セメント | 上層・下層路盤 | 砂・礫質の土・強度が高い |
| 石灰安定処理 | 石灰 | 下層路盤 | 粘性土・含水比を下げる |
混同しやすい用語
上層路盤 と 下層路盤
路盤は2層に分かれ、表層・基層に近い側が上層路盤、路床に近い側が下層路盤です。上層路盤のほうが良い材料(粒度調整・瀝青など)を使い、下層路盤は現地材料を生かした処理(石灰など)が多くなります。
路盤の工法は、各工法の特長・加える材料・効く土が正誤判定で問われます。引っかけは、安定材の有無や効く土を入れ替える型が中心です。
| 出題年度・級(問番) | 問われ方(引っかけの核心) |
|---|---|
| 平成26年度 2級後期(No.19) | 上層路盤の工法。粒度調整工法は、良好な粒度になるよう調整した骨材を用い、剛性を有する。各工法の特長(瀝青安定処理=たわみ性など)を取り違えた肢に注意。 |
| 平成25年度 1級(No.28) | 下層路盤の施工。粒状路盤・セメント安定処理・石灰安定処理の施工(最適含水比付近での締固め、施工継目の処理など)が問われる。 |
| 頻出論点(効く土) | セメント安定処理は砂・礫質の土、石灰安定処理は粘性土(シルト・粘土)に効く。両者を入れ替えた肢が誤り。 |
| 頻出論点(粒度調整) | 粒度調整は安定材を加えず、粒度をそろえてかみ合いで安定させる。「セメントを加える」は誤り。 |
粒度調整を「セメントを加えて固める工法」とする、セメント(砂・礫質)と石灰(粘性土)の効く土を入れ替える記述は誤りです。粒度調整は安定材を加えず粒度で安定させ、セメントは砂・礫質、石灰は粘性土に効きます。安定材の有無や効く土を入れ替えるのが引っかけの定番です。
問題:石灰安定処理は、粘性土の改良に効果がある。
〇か×か。
答え:〇
石灰は粘性土(シルト・粘土)に効き、含水比を下げて扱いやすくします。おもに下層路盤に使います。
問題:粒度調整路盤は、骨材にセメントを加えて固めた路盤である。(平成26年度 2級後期 No.19 関連)
〇か×か。
答え:×
粒度調整は安定材を加えず、粒度をそろえてかみ合いで安定させる工法です。セメントを加えるのはセメント安定処理です。
問題:瀝青安定処理は、骨材にアスファルトを加えて安定させる工法で、上層路盤に用いられる。
〇か×か。
答え:〇
瀝青安定処理はアスファルトを加える工法で、たわみに強く、上層路盤に用いられます。
路盤の工法は、加えるものと使う層で分かれます。粒度調整は安定材を加えない別の工法で、瀝青・セメント・石灰が安定処理です。
粒度調整はそろえるだけ、瀝青はアスファルト、セメントは砂・礫質の土、石灰は粘性土に使います。
各工法の特長(瀝青はたわみ性など)と、加える材料・効く土を正確に押さえておきます。
舗装の施工は、プライムコートとタックコートの違いや初転圧・二次転圧・仕上げ転圧の違いもあわせて確認すると、路盤から表層までつながります。
参考資料
※ 各工法の適用は標準的な考え方です。基準の改定や現場条件で変わるため、最新の資料で確認してください。
※ この記事の確認日:2026年6月