編集部
オーバーレイ、打換え、切削、パッチング…補修工法が多くて選び方が分かりにくくないですか?「どこまで深く直すか」で並べると、一気にすっきりします。
この記事の要点
アスファルト舗装の補修工法は、直す深さ(損傷の程度)で使い分けます。浅い順に、パッチング → 表面処理 → オーバーレイ → 切削オーバーレイ → 打換えです。
損傷が表面だけなら浅い工法、路盤まで傷んでいれば打換え、と覚えると選びやすくなります。
舗装は時間がたつと、ひび割れ・わだち掘れ・ポットホール(穴)などの破損が出ます。損傷の程度に応じて、補修工法を選びます。
アスファルト舗装の補修工法は、直す深さで分かれます。表面だけを直す軽い工法から、路盤まで作り直す打換えまで段階があります。
代表的な工法を、補修する深さの浅い順に並べると次のようになります。
代表的な補修工法は次の4つです。直す深さで使い分けます。
オーバーレイ工法は、既設の舗装の上に、新しいアスファルト混合物層を重ねて舗設する工法です。
表面のひび割れやわだちが進んだときに、表層・基層の機能を回復させます。
既設舗装を残したまま上に重ねるため、比較的早く施工できます。重ねる前にはタックコートで既設舗装と接着させます。
切削オーバーレイ工法は、既設舗装の表面を切削機で削り取ってから、オーバーレイする工法です。
わだち掘れなどで凹凸が大きいときに、いったん平らに削ってから重ねます。
路面の高さを上げずに直せるので、縁石や周りの構造物との段差が出にくいのが利点です。
打換え工法は、既設の舗装を、路盤またはその一部まで取り除いて造り直す工法です。
損傷が路盤にまで及んでいる場合など、上に重ねるだけでは直せない大きな損傷に使います。
最も大がかりで、補修工法の中では深いところまで手を入れます。
パッチングは、ポットホール(穴)やくぼみ・段差を、局部的に応急的に埋める補修です。
表面処理は、既設舗装の上に薄い処理層を施して、表面の水密性やすべり止めを回復させる工法です。
どちらも浅い範囲を直す、軽い補修です。
| 工法 | 直す範囲・深さ | 向いている損傷 |
|---|---|---|
| パッチング | 局部・浅い | ポットホール・くぼみ |
| 表面処理 | 表面の薄い層 | 表面の劣化・予防的補修 |
| オーバーレイ | 上に重ねる | 表層・基層のひび割れ・わだち |
| 切削オーバーレイ | 削ってから重ねる | わだちなど凹凸が大きい場合 |
| 打換え | 路盤まで造り直す | 路盤に及ぶ大きな損傷 |
補修工法は、1級・2級ともほぼ毎年のように出題される定番テーマです。問われ方は3つの型に分かれます。
①損傷の程度に合わない工法を選ばせる引っかけ、②工法どうしの定義の取り違え(重ねるオーバーレイと、取り除く打換えなど)、③工法と施工機械の対応です。
「ひび割れが著しい箇所は表面処理工法で直す」「オーバーレイは不良な舗装を全部取り除いて新しくする」は、どちらも誤りです。表面処理は軽い損傷向けで、全部取り除いて造り直すのは打換え工法です。
| 年度・級 | No. | 問われ方・引っかけ |
|---|---|---|
| 平成22年度・1級 | No.31 | ひび割れが著しい箇所に「表面処理工法」を選ぶ誤り(著しい損傷は打換え・オーバーレイ) |
| 平成25年度・1級 | No.31 | 流動によるわだち掘れが大きい場合は、原因の層を除去する打換えを選定(損傷の規模で工法を選ぶ) |
| 平成26年度・2級後期 | No.21 | 補修工法と施工機械の対応(オーバーレイ工法=アスファルトフィニッシャ など) |
| 令和8年度・2級前期 | No.26 | パッチングを「シール材で応急的に充?する」とする誤り(パッチングは加熱合材、シール材はクラックシール) |
覚えるのは、損傷が浅いか路盤まで及ぶかで工法が決まること、そしてオーバーレイ(重ねる)と打換え(取り除いて造り直す)を逆にしないことです。
切削オーバーレイの利点を「路面の高さを上げられること」とする誤りも出ます。切削オーバーレイは、削るぶん高さを上げずに直せるのが利点です。
問題:打換え工法は、既設舗装を路盤またはその一部まで取り除いて造り直す工法である。
〇か×か。
答え:〇
打換えは路盤まで手を入れる、補修工法の中で最も深い工法です。
問題:切削オーバーレイ工法は、既設舗装を削らずに上へ重ねる工法である。
〇か×か。
答え:×
切削オーバーレイは、既設舗装の表面を切削してから重ねます。削らずに重ねるのはオーバーレイ工法です。
問題:パッチングは、路盤に及ぶ大きな損傷に対する根本的な補修工法である。
〇か×か。
答え:×
パッチングはポットホールやくぼみを局部的に埋める応急的な補修です。路盤に及ぶ損傷は打換えが基本です。令和8年度(2級前期)No.26では、パッチングを「シール材で応急的に充?する」とする誤りが問われました(シール材を使うのはクラックシールです)。
アスファルト舗装の補修工法は、直す深さで使い分けます。
浅い順に、パッチング・表面処理 → オーバーレイ → 切削オーバーレイ → 打換えです。
損傷が表面だけか路盤まで及ぶかで工法を選ぶ考え方と、工法ごとの施工機械を押さえておきます。
舗装の締固めについては初転圧・二次転圧・仕上げ転圧の違いもあわせて確認しておくと、施工の流れがつながります。
参考資料
※ 工法の区分・適用は標準的な考え方です。基準の改定や現場条件で変わるため、最新の資料で確認してください。
※ この記事の確認日:2026年6月