ゼロから学ぶ土木施工管理

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アスファルト舗装の破損は過去問でどう問われる?

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編集部

ひび割れ、わだち掘れ、ポットホール…舗装の破損が多くて、原因と結びつかなくなりませんか?「ひび割れ系」と「わだち掘れ系」に分けて、原因とセットで覚えると整理できます。

この記事の要点

アスファルト舗装の破損は、大きくひび割れわだち掘れに分かれ、それぞれ原因が違います。

各破損が「何が原因で起きるか」を、種類ごとに分けて、過去問での問われ方まで押さえます。

アスファルト舗装は、交通の荷重や気象の影響を受けて時間とともに傷みます。傷み方によって名前と原因が違います。

アスファルト舗装の破損は、大きくひび割れわだち掘れに分かれます。

ひび割れは舗装が割れる破損、わだち掘れは車輪の通る位置がへこむ破損です。原因をたどると、舗装表面だけの問題か、その下の路盤・路床まで傷んでいるかが見えてきます。

破損の種類を分類で整理する

代表的な破損を、ひび割れ系とわだち掘れ系に分けると、原因がつかみやすくなります。分類を図にすると関係が見えます。

アスファルト舗装の破損の分類(模式図) アスファルト舗装の破損 ひび割れ わだち掘れ 亀甲状ひび割れ(疲労) ヘアクラック(施工) 路床・路盤の沈下 塑性流動(表層の変形)
アスファルト舗装の破損の分類(模式図)。ひび割れとわだち掘れに分かれ、それぞれ原因が違います。

ひび割れ

ひび割れには、いくつかの種類があります。

亀甲状ひび割れは、交通荷重の繰り返しによる疲労や、路床・路盤の支持力低下・沈下、混合物の劣化・老化によって、亀の甲のような網目状に広がる破損です。支持力低下によるものは、車輪が通るわだち部(車輪通過位置)から発生します。車線中央部から発生するのではありません。雨水がひび割れから路床・路盤にしみ込むと、さらに進行します。

ヘアクラックは、おもに表層にできる細かいひび割れで、初転圧時の過転圧など施工が原因で発生します。締固めについては初転圧・二次転圧・仕上げ転圧の違いでも触れています。

わだち掘れ

わだち掘れは、車輪が通る位置が縦方向にへこむ破損で、原因が2つあります。

1つは路床・路盤の沈下によるもの、もう1つは表層のアスファルト混合物が流れて変形する塑性流動によるものです。

塑性流動は、夏季の高温や設計以上の交通量、長時間の駐車などで、表層の混合物が押し出されて起こります。塑性流動によるわだち掘れ(流動わだち掘れ)は、道路の横断方向に沈下と盛り上がりが現れます。道路の延長(縦断)方向に長い波長で現れる縦断方向の凹凸とは別の破損です。

その他の破損(ポットホール・縦断方向の凹凸)

ポットホールは、舗装が局部的に壊れて穴があく破損です。亀甲状ひび割れの部分がはがれ飛ぶなど、ほかの破損が進行した結果として発生することが多い破損です。

縦断方向の凹凸は、表層と基層の接着不良などで、交差点の手前など車が止まりやすい場所に波長の長い凹凸として現れます。

破損の種類と原因を表で比較

破損 おもな原因 傷んでいる場所
亀甲状ひび割れ 疲労・路床路盤の支持力低下・混合物の劣化 路盤・路床まで
ヘアクラック 初転圧時の過転圧(施工) おもに表層
わだち掘れ(路盤の沈下) 路床・路盤の沈下 路盤・路床
わだち掘れ(塑性流動) 表層混合物の変形(高温・設計以上の交通量) おもに表層
ポットホール ほかの破損の進行・はく離 局部的

傷んでいる場所が表層だけか、路盤・路床まで及ぶかで、必要な補修工法も変わります。

混同しやすい用語

ヘアクラック と 亀甲状ひび割れ

どちらもひび割れですが、原因が違います。ヘアクラックは初転圧の過転圧など施工が原因で、おもに表層にできる細かいひび割れです。亀甲状ひび割れは、交通荷重の繰り返しによる疲労や路盤・路床の傷みが原因で、網目状に広がります。施工が原因か、使ううちの疲労が原因かで見分けます。

過去問でどう問われたか

破損は、種類と原因・発生位置の組み合わせが問われます。引っかけは大きく3型です。

  • ①亀甲状ひび割れの発生位置のすり替え(わだち部=車輪通過位置、を「車線中央部」とする)
  • ②わだち掘れの方向のすり替え(流動わだち掘れは横断方向、を「延長方向の凹凸」とする)
  • ③破損と原因の取り違え(亀甲状=疲労・支持力低下、ヘアクラック=施工の過転圧)
年度・級・No.問われ方/引っかけ
令和7年度 2級 No.26亀甲状ひび割れを「主に車線中央部から発生」=誤り(路床・路盤の支持力低下により車輪通過位置=わだち部から発生)←発生位置・正答?
令和5年度 2級 No.21流動わだち掘れを「道路の延長方向の凹凸・長い波長」=誤り(流動わだち掘れは横断方向の沈下・盛り上がり。延長方向の凹凸は別の破損)←わだち掘れの方向・正答?
平成25年度 2級 No.21破損と原因の組合せ(亀甲状=支持力低下・劣化、ヘアクラック=初転圧の過転圧、わだち掘れ=塑性流動・路盤沈下)←原因の組合せ

核心は3つです。亀甲状ひび割れはわだち部(車輪通過位置)から発生(車線中央部は誤り)、流動わだち掘れは横断方向の沈下・盛り上がり、原因は亀甲状=疲労・支持力低下/ヘアクラック=施工です。発生位置・方向・原因を取り違えた記述が、誤り肢になります。

理解度チェック

問題:亀甲状ひび割れは、路床・路盤の支持力低下や混合物の疲労・劣化などにより発生する。

〇か×か。

答え:

亀甲状ひび割れは、交通荷重の繰り返しによる疲労や、路床・路盤の支持力低下・沈下、混合物の劣化・老化で発生します。

問題:亀甲状ひび割れは、主に車線中央部から発生する。

〇か×か。

答え:×

路床・路盤の支持力低下によるものは、車輪が通るわだち部(車輪通過位置)から発生します。車線中央部からではありません(令和7年度 2級 No.26)。

問題:わだち掘れは、表層混合物の塑性流動だけが原因で発生する。

〇か×か。

答え:×

わだち掘れの原因は2つあります。表層混合物の塑性流動によるものと、路床・路盤の沈下によるものです。流動わだち掘れは横断方向に現れます(令和5年度 2級 No.21)。

問題:ヘアクラックは、おもに初転圧時の過転圧など施工が原因で表層に発生する。

〇か×か。

答え:

ヘアクラックは初転圧時の過転圧などの施工が原因で、おもに表層にできる細かいひび割れです(平成25年度 2級 No.21)。

まとめ

アスファルト舗装の破損は、ひび割れとわだち掘れに分けて、原因とセットで覚えます。

亀甲状ひび割れは疲労や路盤の傷みでわだち部から発生、ヘアクラックは施工、わだち掘れは路盤の沈下か表層の塑性流動(横断方向)が原因です。

傷んでいる場所が表層だけか路盤まで及ぶかを見れば、補修工法の違いとのつながりも見えてきます。

参考資料

  • 国土交通省「舗装点検要領」
  • 公益社団法人 日本道路協会「舗装の維持修繕ガイドブック」「舗装施工便覧」

※ 破損の区分・原因は標準的な考え方です。基準の改定や現場条件で変わるため、最新の資料で確認してください。

ゼロから学ぶ土木施工管理 編集部

この記事を書いた人

ゼロから学ぶ土木施工管理 編集部

土木施工管理技士試験で過去に問われた用語・数値・施工手順を、官公庁の仕様書や日本道路協会の便覧に照らして整理しています。

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