令和5年度(2023年)1級土木施工管理技術検定 第一次検定(問題B)No.14は、道路のアスファルト舗装の品質管理に関する記述のうち、適当でないものを選ぶ問題です。
工程能力図と試験頻度、管理の合理化、工程初期の試験頻度、下層路盤の締固め度の管理という4つが並びます。
下層路盤の締固め度は、試験施工や工程初期のデータから所定の締固め度に必要な転圧回数が求められれば、締固め回数(転圧回数)による管理に切り替えられます。
選択肢4は、転圧回数が求められた場合でも密度試験を必ず実施するとしています。必ずという書き方が過剰です。
※ 問題文の原文は、全国建設研修センターが公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢4(適当でない記述)
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| ⑴ 工程能力図にプロットした結果が管理の限界を外れた場合や一方に片寄った場合は、直ちに試験頻度を増して異常の有無を確かめる | ○(適当) | 異常の兆候が出たら頻度を戻す |
| ⑵ 管理の合理化には、密度や含水比等を非破壊で測定する機器や、作業と同時に管理できる敷均し・締固め機械の活用が望ましい | ○(適当) | 測るために工程を止めない |
| ⑶ 各工程の初期には試験の頻度を適切に増し、その時点の作業員や施工機械等の組合せにおける作業工程を速やかに把握する | ○(適当) | 初期は多く、安定したら減らす |
| ⑷ 下層路盤の締固め度の管理は、必要な転圧回数が求められた場合でも、密度試験を必ず実施する | ×(適当でない) | 転圧回数が求まれば締固め回数による管理に切り替えられる。必ず密度試験とはならない |
下層路盤の締固め度は、本来は密度試験で確かめます。ただし試験施工や工程の初期に「この材料と機械なら何回転圧すれば所定の締固め度になるか」が分かれば、以後はその転圧回数を守ることで締固め度を確保できるため、締固め回数による管理に切り替えられます。
密度試験は1点ずつ穴を掘って測るため、工程を止めます。転圧回数の管理なら締固め作業そのものを見ればよく、全面をもれなく管理できます。初期に関係を掴んで、以後は代わりの指標で管理するという品質管理の考え方です。
令和7年度の同じ枠では、この転圧回数による管理が正しい肢として出題されています。R5は同じ内容に「必ず密度試験を実施する」と足して誤りにした形です。「必ず」「例外なく」と書かれた肢は、代わりの管理方法が用意されていないかを確かめます。
選択肢1から3は、試験頻度の考え方です。工程の初期は頻度を多くして機械と作業員の組合せの実力を掴み、安定して管理の限界を十分満足できれば減らします。そして異常の兆候が出たら直ちに増やします。初期は多い、安定したら減らす、異常が出たら戻すの3段です。
問題:下層路盤の締固め度の管理は、所定の締固め度を得るのに必要な転圧回数が求められた場合でも、密度試験を必ず実施しなければならない。
〇か×か。
答え:×
転圧回数が求まれば、締固め回数による管理に切り替えられます。
問題:工程能力図にプロットした結果が一方に片寄っている場合は、直ちに試験頻度を増して異常の有無を確かめる。
〇か×か。
答え:〇
限界を外れていなくても、片寄りは異常の兆候です。
出典・参考資料
※ 一次基準は舗装施工便覧・舗装調査試験法便覧ですが、逐語は未取得です。締固め度の規定値や試験頻度の具体的な数値には踏み込んでいません。問題文と選択肢も転載していません。
※ この記事の確認日:2026年7月