ゼロから学ぶ土木施工管理

ゼロから学ぶ土木施工管理
  1. HOME > 過去問解説 > 令和5年度(1級) > 問題B No.30 埋設物の損傷等の防止

令和5年度 1級土木施工管理技士 問題B No.30を解説、埋設物の損傷等の防止

令和5年度(2023年)1級土木施工管理技術検定 第一次検定(問題B)No.30は、工事中の埋設物の損傷等の防止のために行うべき措置について、①〜④のうち建設工事公衆災害防止対策要綱上、適当なものだけをすべて挙げている組合せを選ぶ問題です。

試掘による確認、確認結果の報告、近接工事の事前協議、標示板の取付けという4つが並びます。

この問題のポイント

標示板は、現場で作業する工事関係者に埋設物の存在を知らせるために取り付けます。④は近隣住民に確実に伝達するとしており、伝える相手が違います。

誤りが④だけなので、適当なものは①②③です。

※ 問題文の原文は、全国建設研修センターが公開している公式サイトで確認できます。

正解:①②③(適当なものだけをすべて挙げている組合せ)

①〜④の正誤

記述正誤解説
① 施工に先立ち、管理者等が保管する台帳と設計図面を照らし合わせて位置を確認し、試掘等を行って種類・位置・規格・構造等を原則として目視により確認する○(適当)図面で当たりを付け、掘って目で見る
② 試掘等で埋設物を確認したときは、その位置や周辺地質の状況等を道路管理者及び埋設物の管理者に報告する○(適当)実際の位置は管理者側の情報更新にもなる
③ 埋設物に近接して施工する場合は、あらかじめ埋設物の管理者及び関係機関と協議し、防護方法・立会の有無・緊急時の連絡先及び方法等を決定する○(適当)着手前に決めておく事項
④ 埋設物の位置・名称・管理者の連絡先等を記載した標示板を取り付ける等により明確に認識できるようにし、近隣住民に確実に伝達する×(適当でない)標示板で伝える相手は工事関係者。近隣住民への伝達ではない

④のポイント(ここが適当でない)

標示板は、掘削する現場に「ここに何が埋まっているか」を示す表示です。重機を操作する人や掘削する作業員が見て、損傷させないようにするためのものなので、伝える相手は工事関係者です。近隣住民への周知は、工事の広報や説明会で行う別の話になります。

この問題は、①②③がいずれも埋設物の管理者や道路管理者を相手にしているのに、④だけが近隣住民になっています。令和6年度の同じ枠でも、立会いを求める相手を発注者に置き換えた肢が誤りでした。埋設物の問題は「誰に対する措置か」を最初に見ると早く判断できます。

①の試掘は、台帳や設計図面で位置の当たりを付けたうえで、実際に掘って目視で確かめる手順です。図面と現物がずれていることがあるので、目で見る確認が原則になります。②は確認した実際の位置を管理者へ返す作業で、管理者側の台帳の精度も上がります。③は近接施工の事前協議で、防護方法・立会の有無・緊急時の連絡先まで決めておきます。

覚え方

  • 標示板は工事関係者に埋設物の存在を伝えるもの。近隣住民向けではない
  • 台帳・図面で確認→試掘して目視で確認→管理者へ報告
  • 近接施工は着手前に管理者と協議(防護方法・立会の有無・緊急時の連絡先)
  • 埋設物の問題は「誰に対する措置か」を最初に見る

理解度チェック

問題:埋設物の位置や管理者の連絡先を記載した標示板は、近隣住民に確実に伝達するために取り付ける。

〇か×か。

答え:×

標示板は工事関係者に埋設物の存在を知らせるためのものです。

問題:試掘等によって埋設物を確認したときは、その位置や周辺地質の状況等を道路管理者及び埋設物の管理者に報告する。

〇か×か。

答え:

実際の位置の情報は管理者側の台帳の精度も上げます。

令和5年度 1級土木施工管理技士 第一次検定 過去問解説 一覧へ

出典・参考資料

※ 埋設物の保安措置は国土交通省「建設工事公衆災害防止対策要綱」に定めがありますが、PDFのため逐語を取得できていません。本記事では条番号・離隔の数値・試掘の間隔等には踏み込まず、措置の相手(工事関係者か/管理者か)と手順にとどめています。問題文と①〜④の記述も転載していません。

ハナダユキヒロ

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

土木施工管理技士試験で過去に問われた用語・数値・施工手順を、官公庁の仕様書や日本道路協会の便覧に照らして整理しています。

「建築学生が学ぶ構造力学」(kentiku-kouzou.jp)を運営。著書「わかる構造力学」(工学社)。

過去問解説

よく学ばれる分野

このサイトについて

Topへ >>

  1. HOME > 過去問解説 > 令和5年度(1級) > 問題B No.30 埋設物の損傷等の防止