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令和5年度 1級土木施工管理技士 問題B No.29を解説、移動式クレーンの災害防止

令和5年度(2023年)1級土木施工管理技術検定 第一次検定(問題B)No.29は、移動式クレーンの災害防止措置について、(イ)〜(ニ)に当てはまる語句の組合せを選ぶ問題です。

(イ)定格荷重/最大つり荷重、(ロ)指名/複数名確保、(ハ)つり上げられている荷/クレーンのブーム、(ニ)中止/注意して実施という対で語が用意されています。

この問題のポイント

荷重の基準は定格荷重、合図を行う者は指名、立入りを禁止するのはつり上げられている荷の下、強風のときは作業を中止です。

正しい組合せは4で、4つとも安全側の語が並びます。

※ 空欄を含む文章そのものは、全国建設研修センターが公開している公式サイトで確認できます。

正解:4(イ 定格荷重/ロ 指名/ハ つり上げられている荷/ニ 中止)

4つの語の中身

空欄正しい語意味紛らわしい対の語(誤り)
(イ)定格荷重その条件でつり上げられる荷重から、フック等のつり具の重量を差し引いた値最大つり荷重(荷重を判断する基準の語ではない)
(ロ)指名合図を行う者を1人決めて、その者に合図させる複数名確保(合図が複数から出れば混乱する)
(ハ)つり上げられている荷その下に労働者を立ち入らせないクレーンのブーム(禁止されるのは荷の下)
(ニ)中止強風で危険が予想されるときは作業をやめる注意して実施(危険が残ったまま続ける内容になる)

4のポイント(ここが適当)

(イ)の定格荷重は、つり上げられる荷重からフックなどのつり具の重量を差し引いた値です。つり具を含んだ値は定格総荷重と呼び分けます。ここを取り違えると、実際に荷をつるときにつり具の重量ぶんだけ超過します。

(ロ)の合図は、指名した1人が行います。複数の人が同時に合図を出せば、旋回や巻上げの指示が食い違って荷が振られます。合図者は決めて1人です。

(ハ)で立入りを禁止するのは、つり上げられている荷の下です。危ないのは落ちてくる荷なので、ブームの下ではなく荷の下が禁止の範囲になります。ブームに置き換えた選択肢は、禁止する場所をずらしています。

(ニ)は強風のときの対応です。風で荷が振られると、旋回も着地も制御できません。だから注意して続けるのではなく作業を中止します。危険が予想される気象条件では中止が原則で、これは異常気象時の安全対策とも共通する考え方です。

覚え方

  • 定格荷重はつり具の重量を含まない(含むのは定格総荷重)
  • 合図を行う者は指名して1人。複数から合図を出さない
  • 立入禁止はつり上げられている荷の下(ブームの下ではない)
  • 強風で危険が予想されるときは作業を中止する

理解度チェック

問題:移動式クレーンで荷をつり上げるときは、クレーンのブームの下に労働者を立ち入らせてはならない。

〇か×か。

答え:×

立入りを禁止するのは、つり上げられている荷の下です。

問題:定格荷重とは、フック等のつり具の重量を含んだ荷重をいう。

〇か×か。

答え:×

定格荷重はつり具の重量を含みません。含んだものは定格総荷重です。

令和5年度 1級土木施工管理技士 第一次検定 過去問解説 一覧へ

出典・参考資料

※ (ハ)(ニ)については、クレーン等安全規則の条文の逐語を取得できていないため、条番号や強風の風速値には踏み込まず、禁止される範囲(つり上げられている荷の下)と対応(作業を中止)にとどめています。空欄を含む文章も転載していません。

ハナダユキヒロ

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

土木施工管理技士試験で過去に問われた用語・数値・施工手順を、官公庁の仕様書や日本道路協会の便覧に照らして整理しています。

「建築学生が学ぶ構造力学」(kentiku-kouzou.jp)を運営。著書「わかる構造力学」(工学社)。

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