ゼロから学ぶ土木施工管理

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令和5年度 1級土木施工管理技士 問題B No.33を解説、TS・GNSSを用いた盛土の締固め管理

令和5年度(2023年)1級土木施工管理技術検定 第一次検定(問題B)No.33は、情報化施工におけるTS(トータルステーション)・GNSS(全球測位衛星システム)を用いた盛土の締固め管理について、4つの文章の空欄(イ)〜(ニ)に入る語句の組合せを選ぶ問題です。

締固め回数分布図で管理する範囲、試験施工で決めておく項目、走行位置を計測する時期、システムを使えるかを事前に調べる項目の4つが空欄になっています。

この問題のポイント

この管理方法は、締固め機械の走行位置を追って盛土施工範囲の全面を管理するものです。管理する量は締固め回数で、走行位置はリアルタイムに計測します。使えるかどうかの事前調査は、電波障害の有無と地形条件です。

入る語句は(イ)全面、(ロ)締固め回数、(ハ)リアルタイム、(ニ)地形条件で、正解は⑶です。

※ 問題文の原文は、全国建設研修センターが公開している公式サイトで確認できます。

正解:⑶(全面・締固め回数・リアルタイム・地形条件)

各空欄に入る語句

空欄入る語句対になる誤答語なぜそちらではないか
(イ)締固め回数分布図で管理する範囲全面代表ブロック点や代表箇所ではなく面で見られることがこの技術の値打ち。代表ブロックだけなら従来の管理と変わらない
(ロ)試験施工で決め、施工中に確認する量締固め回数締固め度締固め度は土を採って密度を測らないと出ない。走行位置から数えられるのは回数
(ハ)走行位置を計測する時期リアルタイム施工完了後モニタを見ながら転圧の足りない場所を締め固めるので、あとから集計しても間に合わない
(ニ)電波障害の有無と並べて事前に調べる項目地形条件地質条件TSは見通し、GNSSは上空の視界で決まるため計測できるかは地形の問題。土質は別の文で土質試験として扱われている

選択肢⑴〜⑷の組合せ

組合せ(イ)(ロ)(ハ)(ニ)判定
代表ブロック締固め度施工完了後地形条件×
全面締固め度リアルタイム地質条件×
全面締固め回数リアルタイム地形条件
代表ブロック締固め回数施工完了後地質条件×

⑶になる理由

この管理方法は、事前の試験施工でまき出し厚と締固め回数を決めておき、本施工では締固め機械の走行位置をTSまたはGNSSで計測して、規定の回数だけ転圧できたかを見るものです。管理する量は締固め回数で、締固め度ではありません。締固め度は土を採って密度を測る必要があり、走行位置の記録からは出てきません。(ロ)が締固め回数に決まると、⑴と⑵が消えます。

残る⑶と⑷の違いは(イ)と(ハ)です。締固め回数分布図で見るのは盛土施工範囲の全面で、代表ブロックではありません。決めた回数に達した場所から色が変わっていくので、転圧の足りない場所も、かけすぎている場所も画面上で分かります。計測は走行と同時に行い、オペレータがモニタを見ながら締め固めます。施工が終わってから集計するのでは、その場での手直しに使えません。(イ)全面と(ハ)リアルタイムが決まって⑶が残ります。

(ニ)は、システムを使えるかどうかの事前調査です。TSは器械から機械までの見通し、GNSSは上空からの電波の受信で位置を出すので、谷や樹木、法面の形といった地形で計測できないことがあります。電波障害の有無と並ぶ項目なので、土の性質を指す地質条件ではなく地形条件が入ります。土質については、材料の品質を土質試験で確認するという別の文で触れられています。

3年分の出題を並べると

この枠は令和5・6・7年度と続けて出ています。テーマは同じでも空欄になる語は毎年ずれるので、1年分だけ覚えても届きません。

年度問われた語(正解側)
令和5年度 B No.33全面/締固め回数/リアルタイム/地形条件
令和6年度 B No.33工法規定方式/締固め回数/まき出し厚は規定値以下/規定回数以上
令和7年度 B No.33事前調査は作業と同じ時間帯/土質が日々変わる材料には適さない/確認結果は本施工の前に提出/現場密度試験は省略

3年を通して変わらないのは、締固め回数を面的に管理する工法規定方式だという骨格です。令和5年度はその骨格そのもの、令和6年度は分類名と管理の向き、令和7年度は運用のきまりを聞いています。

覚え方

  • 管理するのは締固め回数。盛土施工範囲の全面をリアルタイムに見る
  • 締固め度を測るのは品質規定方式。TS・GNSSの締固め管理は工法規定方式
  • 試験施工で決めるのは、まき出し厚と締固め回数
  • 事前調査は、電波障害の有無と地形条件(土質は土質試験で別に確認する)

理解度チェック

問題:TS・GNSSを用いた盛土の締固め管理では、モニタの締固め回数分布図で代表ブロックの締固め度を管理する。

〇か×か。

答え:×

盛土施工範囲の全面について、締固め回数を管理します。締固め度は密度を測らないと出ません。

問題:TS・GNSSを用いた締固め管理システムを使えるかどうかは、地形条件や電波障害の有無を事前に調べて確認する。

〇か×か。

答え:

TSは見通し、GNSSは上空の視界で位置を出すため、地形で計測できないことがあります。

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出典・参考資料

※ 問題文と空欄を含む文章は転載していません。要領の本文はこの環境で読み取れなかったため、条項番号や逐語の引用は行っていません。

ハナダユキヒロ

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

土木施工管理技士試験で過去に問われた用語・数値・施工手順を、官公庁の仕様書や日本道路協会の便覧に照らして整理しています。

「建築学生が学ぶ構造力学」(kentiku-kouzou.jp)を運営。著書「わかる構造力学」(工学社)。

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