ゼロから学ぶ土木施工管理

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令和5年度 1級土木施工管理技士 問題B No.32を解説、品質管理の考え方

令和5年度(2023年)1級土木施工管理技術検定 第一次検定(問題B)No.32は、品質管理についての①〜④のうち、適当なもののみを全てあげている組合せを選ぶ問題です。

品質標準の決め方、管理特性をいつ確かめるか、品質管理の手順、品質特性の選び方の4つが並びます。

この問題のポイント

適当なのは①と③で、正解は⑵です。②は管理特性を確かめる時期、④は品質特性を選ぶ条件が入れ替わっています。

①〜④のうち1つでも誤りを見つけたら、その番号を含む選択肢を消せます。④が誤りだと分かれば⑷が消え、②が誤りだと分かれば⑴・⑶も消えて⑵が残ります。

※ 問題文の原文は、全国建設研修センターが公開している公式サイトで確認できます。

正解:⑵(①③)

①〜④の正誤

記述正誤解説
① 品質はある値の付近にばらつくので、設計値を十分満足する品質を実現するため、ばらつきの度合いを考慮して余裕を持った品質を目標とする○(適当)品質標準の決め方。ばらつく前提で目標に余裕を持たせる
② 施工計画立案の段階で管理特性を検討し、それを完成検査時にチェックする考え方である×(誤り)管理特性を検討するのは計画段階で正しいが、確かめるのは施工段階。できあがってからでは直せない
③ 品質特性や品質標準を決め、作業標準に従って実施し、できるだけ早期に異常を見つけて品質の安定をはかる○(適当)品質特性→品質標準→作業標準という手順どおり
④ 品質特性を決める場合には、構造物の品質に及ぼす影響が小さく、測定しやすい特性であること等に留意する×(誤り)品質特性は品質に重要な影響を及ぼすものを選ぶ。測定しやすさは正しい

②④のポイント(ここが誤り)

②は時期の差し替えです。施工計画を立てる段階で「何を管理特性にするか」を決めるところまでは正しく、その先が違います。管理特性は施工段階でつくり込むもので、完成検査で確かめるものではありません。コンクリートの締固めや盛土の含水比のように、後から測っても手直しできない項目が多いためです。

④は条件の差し替えです。品質特性は、構造物の品質に重要な影響を及ぼすもの、工程の状態を総合的に表せるもの、処置をとりやすいようにすぐ結果が分かるもの、測定しやすいものから選びます。影響が小さい特性を測っても、構造物の良し悪しは分かりません。「測定しやすい」は正しい条件なので、後半だけを読んで○を付けないようにします。

①は品質標準の考え方です。品質は必ずある値の付近にばらつくので、規格値ぎりぎりを目標にすると半分は外れます。ばらつきの幅を見込んで、目標を規格値より内側に取ります。③は品質管理の手順で、品質特性を決め、品質標準を決め、作業標準に従って施工し、データから早めに異常を見つけます。

②と④は、令和元年度の問題(問86)にも同じ枠で出ています。②はそのときの正しい記述の末尾を「施工段階でつくり込む」から「完成検査時にチェックする」に差し替えたもの、④は誤りの記述がほぼそのまま再び使われたものです。1問さかのぼって読んでおくと、2つ同時に判定できます。

覚え方

  • 管理特性は施工段階でつくり込む。品質特性は品質への影響が大きいものを選ぶ
  • 手順は品質特性→品質標準→作業標準の順
  • 品質標準はばらつきを見込んで余裕を持った目標にする
  • 品質特性の条件は、影響が大きい・工程の状態を総合的に表す・すぐ結果が分かる・測定しやすい

理解度チェック

問題:品質管理は、施工計画立案の段階で管理特性を検討し、それを完成検査時にチェックする考え方である。

〇か×か。

答え:×

管理特性は施工段階でつくり込みます。完成検査では手直しがききません。

問題:品質特性は、構造物の品質に及ぼす影響が小さく、測定しやすい特性から選ぶ。

〇か×か。

答え:×

品質に重要な影響を及ぼすものから選びます。測定しやすいことは正しい条件です。

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出典・参考資料

  • 一般財団法人 全国建設研修センター「令和5年度 1級土木施工管理技術検定 第一次検定(問題B・種別:土木) 問題」
  • 正答と選択肢の構成:1級土木施工管理技士の過去問 令和5年度 問93(問題B 問32)
  • 管理特性を施工段階でつくり込む点:同 令和元年度 問86(適当な記述として「品質管理は、施工計画立案の段階で管理特性を検討し、それを施工段階でつくり込むプロセス管理の考え方である」、適当でない記述として「構造物の品質に及ぼす影響が小さく、測定しやすい特性のものを選ぶ」)
  • 品質標準と品質特性の条件:同 令和4年度 問93(「品質特性は、構造物の品質に重要な影響を及ぼすもの、工程に対して処置をとりやすいようにすぐに結果がわかるもの等に留意して決定する」「品質標準では、設計値を十分満たすような品質を実現するため、品質のばらつきの度合いを考慮して、余裕を持った品質を目標にしなければならない」)
  • 品質特性の選定条件:土木、土木工事の基礎知識「品質管理(品質特性・品質標準・作業標準)」(工程の状態を総合的に表すもの、設計品質に重要な影響を及ぼすもの、測定しやすいこと等)

※ 問題文と①〜④の記述は転載していません。品質特性の具体的な管理値には踏み込んでいません。

ハナダユキヒロ

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

土木施工管理技士試験で過去に問われた用語・数値・施工手順を、官公庁の仕様書や日本道路協会の便覧に照らして整理しています。

「建築学生が学ぶ構造力学」(kentiku-kouzou.jp)を運営。著書「わかる構造力学」(工学社)。

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