令和5年度(2023年)1級土木施工管理技術検定 第一次検定(問題A)No.33は、ダムの基礎処理として行うグラウチングについて、適当でないものを選ぶ問題です。
コンソリデーショングラウチング、配合の切り換え、カーテングラウチングの施工位置、仕様の見直しという4つが並びます。
注入する配合の順序で引っかけています。グラウチングは濃度の薄い配合から濃い配合へ順に切り換えて注入します。
選択肢2は濃いものから薄いものへと書いており、向きが逆です。最初から濃い配合を入れると、細かいすき間の入口が詰まって奥まで届かなくなります。
※ 問題文の原文は、全国建設研修センターが公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢2(最も不適当な記述)
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| ⑴ 重力式コンクリートダムのコンソリデーショングラウチングは、着岩部付近において遮水性の改良、基礎地盤弱部の補強を目的として行う | ○(正しい) | コンソリデーションはコンクリートダムの着岩部付近が対象 |
| ⑵ グラウチングは、ルジオン値に応じた初期配合及び配合切り換え基準に従って、濃度の濃いものから薄いものへ順に注入を行う | ×(誤り) | 向きが逆。濃度の薄いものから濃いものへ順に切り換える |
| ⑶ カーテングラウチングの施工位置は、コンクリートダムの場合は上流フーチング又は堤内通廊から行うのが一般的である | ○(正しい) | 基礎深部の遮水壁を作るため堤体側から施工する |
| ⑷ グラウチング仕様は、当初計画を日々の施工の結果から常に見直し、必要に応じて修正していくことが重要である | ○(正しい) | 地盤は掘って注入して初めて分かる部分がある |
グラウチングは、岩盤の割れ目にセメントミルクを押し込んで水の通り道をふさぐ作業です。割れ目の幅は場所ごとに違うため、まず薄い配合で細かい割れ目まで行き渡らせ、注入量の入り具合を見ながら濃い配合へ切り換えます。
順序を逆にすると、濃い材料が入口付近で固まり、その奥の割れ目が残ります。薄いほうから入れて、届く範囲を確かめてから濃くするという一方向の流れで覚えます。
切り換えの判断には、注入前に測ったルジオン値と、注入中の注入量や圧力の変化を使います。選択肢2は「ルジオン値に応じた初期配合及び配合切り換え基準に従って」という前半が正しいため、後半の向きだけを反転させた形になっています。
⑴のコンソリデーショングラウチングはコンクリートダムの着岩部付近が対象で、ロックフィルダムのコア着岩部を対象とするのはブランケットグラウチングです。⑶のカーテングラウチングは基礎の深い位置に遮水の幕を作る工法、⑷は施工の結果を仕様に反映させていく運用です。したがって適当でないものは選択肢2です。
問題:グラウチングは、配合切り換え基準に従って濃度の濃いものから薄いものへ順に注入する。
〇か×か。
答え:×
薄いものから濃いものへ切り換えます。濃い配合を先に入れると奥まで届きません。
問題:重力式コンクリートダムのコンソリデーショングラウチングは、着岩部付近の遮水性の改良と基礎地盤弱部の補強を目的とする。
〇か×か。
答え:〇
ロックフィルダムのコア着岩部を対象とするブランケットグラウチングと区別します。
出典・参考資料
※ 国土交通省「ダム基礎グラウチング技術指針・同解説」はPDF・市販図書のため、本記事では指針の条項・数値には踏み込んでいません。問題文と選択肢も転載していません。
※ この記事の確認日:2026年7月
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