ゼロから学ぶ土木施工管理

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令和5年度 1級土木施工管理技士 No.40を解説、水中コンクリート

令和5年度(2023年)1級土木施工管理技術検定 第一次検定(問題A)No.40は、水中コンクリートについて、適当でないものを選ぶ問題です。

トレミー・ポンプの先端の扱い、水中不分離性コンクリートの筒先、ポンプ圧送の条件、打上がり面の管理という4つが並びます。

この問題のポイント

水中不分離性コンクリートは、水中で材料が分離しないように増粘剤などで粘りを持たせたコンクリートです。粘性が高いので、ポンプ圧送時の圧送負荷は通常のコンクリートの2〜3倍、打込み速度は1/2〜1/3になります。

選択肢3は圧送圧力が小さく打込み速度が速くなると書いており、どちらも逆です。

※ 問題文の原文は、全国建設研修センターが公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢3(最も不適当な記述)

各選択肢の正誤

選択肢正誤解説
⑴ 水中コンクリートの打込みは、水と接触する部分の材料分離を極力少なくするため、打込み中はトレミー及びポンプの先端を固定しなければならない○(正しい)先端が動くとコンクリートをかき乱す
⑵ 水中不分離性コンクリートは水中落下させても信頼性の高い性能を有しているが、トレミー及びポンプの筒先は打ち込まれたコンクリートに埋め込んだ状態で打ち込むことが望ましい○(正しい)落とせる性能はあっても、埋め込んで打つほうがよい
⑶ 水中不分離性コンクリートをポンプ圧送する場合は、通常のコンクリートに比べて圧送圧力は小さく、打込み速度は速くなるので注意を要する×(誤り)どちらも逆。粘性が高いため圧送負荷は大きく、打込み速度は遅くなる
⑷ 水中コンクリートの打込みは、打上がりの表面をなるべく水平に保ちながら、所定の高さ又は水面上に達するまで連続して打ち込まなければならない○(正しい)途切れさせず水平に上げていく

選択肢3のポイント(ここが誤り)

水中不分離性コンクリートは、水中でセメントや細骨材が流れ出さないよう粘りを高めた材料です。この粘りは水中での分離を防ぐ長所ですが、管の中を流れにくくなるため圧送負荷は増え、単位時間に打てる量は減ります

実際の目安として、圧送負荷は通常のコンクリートの2〜3倍、打込み速度は1/2〜1/3とされています。粘るほど押すのに力が要り、進みは遅いという関係で覚えます。

選択肢3は「注意を要する」という締めまで自然に書かれているため、圧送圧力と打込み速度の2か所が同時に反転していることに気づきにくくなっています。

⑴は打込み中に先端を固定してコンクリートをかき乱さないという管理、⑵は水中落下させられる性能があっても筒先はコンクリートに埋め込んで打つほうが望ましいという話です。⑷は打上がり面を水平に保ち、所定の高さまで連続して打ち込むという基本です。したがって適当でないものは選択肢3です。

覚え方

  • 水中不分離性は粘るから、圧送負荷は大きく打込み速度は遅い
  • トレミー・ポンプの先端は打込み中に固定する
  • 筒先は打ち込まれたコンクリートに埋め込んだ状態で打ち込む
  • 打上がり面は水平に保ち、所定の高さ又は水面上まで連続して打ち込む

理解度チェック

問題:水中不分離性コンクリートをポンプ圧送する場合、通常のコンクリートに比べて圧送圧力は小さく、打込み速度は速くなる。

〇か×か。

答え:×

どちらも逆です。粘性が高いため圧送負荷は大きく、打込み速度は遅くなります。

問題:水中コンクリートの打込みでは、打上がりの表面をなるべく水平に保ちながら連続して打ち込む。

〇か×か。

答え:

所定の高さ又は水面上に達するまで、途切れさせずに打ち込みます。

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出典・参考資料

※ 土木学会「コンクリート標準示方書」は市販図書のため、本記事では示方書の条項には踏み込んでいません。問題文と選択肢も転載していません。

ハナダユキヒロ

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

土木施工管理技士試験で過去に問われた用語・数値・施工手順を、官公庁の仕様書や日本道路協会の便覧に照らして整理しています。

「建築学生が学ぶ構造力学」(kentiku-kouzou.jp)を運営。著書「わかる構造力学」(工学社)。

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