令和5年度(2023年)1級土木施工管理技術検定 第一次検定(問題A)No.49は、薬液注入工事の施工管理について、適当でないものを選ぶ問題です。No.16からNo.49までの選択問題の最後の1問にあたります。
流量積算計による使用量の確認、削孔時の管理項目、調合に使う水、埋設物の損傷防止という4つが並びます。
調合に使う水の条件が引っかけです。水道水が使えないときは、水質基準のpHが5.8〜8.6の範囲内にある水を使うことが望ましいとされています。
選択肢3は「pHが5.7以下の水」と書いており、範囲の下限を下回る水を選ぶ形になっています。酸性寄りの水は薬液の反応(ゲルタイム)に影響します。
※ 問題文の原文は、全国建設研修センターが公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢3(最も不適当な記述)
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| ⑴ 薬液の注入量が500kℓ以上の大型の工事では、水ガラスの原料タンクと調合槽との間に流量積算計の設置が義務づけられているので、これにより水ガラスの使用量を確認する | ○(正しい) | 使った量を機械で記録して裏付ける |
| ⑵ 削孔時の施工管理項目は深度、角度及び地表に戻ってくる削孔水の状態の管理があり、特に削孔中は削孔水を観察し調査ボーリングと異なっていないか確認する | ○(正しい) | 戻り水の様子で地層の違いに気づく |
| ⑶ 材料の調合に使用する水は原則として水道水とし、水道水が使用できない時は、水質基準のpHが5.7以下の水を使用することが望ましい | ×(誤り) | 範囲が違う。水質基準のpHが5.8〜8.6の範囲内にある水を使用する |
| ⑷ 埋設物の損傷等の防止として、埋設管がある深度においてはロータリーによるボーリングを避け、ジェッティングによる削孔を行うことが望ましい | ○(正しい) | 回転する刃で埋設管を傷めない配慮 |
薬液注入は、水ガラスと硬化剤を混ぜてゲル化させる時間(ゲルタイム)を管理して行います。調合に使う水の性質が変わればこの時間も変わるため、水道水が使えないときも水質基準のpH(5.8〜8.6)の範囲内にある水を使います。
選択肢3の「5.7以下」は、この範囲の下限を下回る値です。範囲の内側を指定しているか、範囲の外を指定しているかで読み分けます。
同じ論点は令和7年度でも出題されており、そちらでは「pHが5.8〜8.6の範囲内にある水を使用することが望ましい」という形で問われています。数値の上限と下限をセットで覚えておくと、片側だけを書き替える出題に対応できます。
⑴は注入量が大きい工事で流量積算計により使用量を確認する管理、⑵は削孔水の状態を調査ボーリングの結果と見比べる観察です。⑷は埋設管がある深度でロータリーによるボーリングを避けるという配慮です。したがって適当でないものは選択肢3です。
問題:薬液の調合に使う水は、水道水が使用できないときは水質基準のpHが5.7以下の水を使用することが望ましい。
〇か×か。
答え:×
水質基準のpHが5.8〜8.6の範囲内にある水を使用します。
問題:削孔中は、地表に戻ってくる削孔水を観察し、調査ボーリングの結果と異なっていないか確認する。
〇か×か。
答え:〇
戻り水の状態から、想定した地層と違っていないかを判断します。
出典・参考資料
※ 国土交通省「薬液注入工法による建設工事の施工に関する暫定指針」はPDFのため、本記事では指針の条項には踏み込んでいません。問題文と選択肢も転載していません。
※ この記事の確認日:2026年7月