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令和5年度 1級土木施工管理技士 No.51を解説、災害補償(労働基準法)

令和5年度(2023年)1級土木施工管理技術検定 第一次検定(問題A)No.51は、災害補償について、労働基準法令上誤っているものを選ぶ問題です。

休業補償、打切補償、療養補償、重大な過失による例外という4つが並びます。

この問題のポイント

負担する範囲が引っかけです。業務上の負傷や疾病では、使用者はその費用で必要な療養を行い、又は必要な療養の費用を負担します。金額を分け合う規定ではありません。

選択肢3は「必要な療養費用の100分の50を負担」と割合を書き加えています。半額という数字は条文にありません。

※ 問題文の原文は、全国建設研修センターが公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢3(労働基準法令上、誤っている記述)

各選択肢の正誤

選択肢正誤解説
⑴ 業務上の負傷・疾病の療養のため労働できず賃金を受けない場合は、使用者は休業補償を行わなければならない○(正しい)働けない間の賃金を補う
⑵ 療養開始後一定の期間(3年)を経過しても負傷又は疾病がなおらない場合は、使用者は打切補償を行い、その後はこの法律による補償を行わなくてもよい○(正しい)期間を区切って打ち切る仕組み
⑶ 業務上負傷し、又は疾病にかかった場合は、使用者はその費用で必要な療養を行い、又は必要な療養費用の100分の50を負担しなければならない×(誤り)割合の規定はない。必要な療養の費用を負担する(全額)
⑷ 重大な過失によって業務上負傷し、かつ使用者がその過失について行政官庁の認定を受けた場合は、休業補償又は障害補償を行わなくてもよい○(正しい)行政官庁の認定が条件になる

選択肢3のポイント(ここが誤り)

療養補償は、業務上の負傷や疾病について使用者が必要な療養を行うか、必要な療養の費用を負担するという定めです。労働者に何割か負担させる形にはなっていません。

法規の数値の肢では、条文に数値があるものと、ないものを分けて覚えます。療養補償には割合の数値がなく、休業補償には平均賃金の60パーセント、打切補償には平均賃金の1200日分という数値があります。

選択肢3は「その費用で必要な療養を行い」という前半が条文どおりなので、後半に割合を差し込む形で作られています。前半が合っているほど、後半の追加に気づきにくくなります。

⑴の休業補償は療養のため働けず賃金を受けない場合の補償、⑵の打切補償は療養開始後3年を経過してもなおらない場合の打ち切りです。⑷は重大な過失について行政官庁の認定を受けた場合の例外で、休業補償と障害補償が対象です。したがって誤っているものは選択肢3です。

覚え方

  • 療養補償に割合の数値はない。必要な療養の費用は使用者が負担する
  • 休業補償は平均賃金の60パーセント
  • 打切補償は療養開始後3年を経過してもなおらない場合。平均賃金の1200日分
  • 重大な過失+行政官庁の認定があれば、休業補償・障害補償を行わなくてよい

理解度チェック

問題:業務上負傷した労働者に対し、使用者は必要な療養費用の100分の50を負担しなければならない。

〇か×か。

答え:×

割合の定めはありません。必要な療養を行うか、必要な療養の費用を負担します。

問題:療養開始後3年を経過してもなおらない場合、使用者は打切補償を行い、その後はこの法律による補償を行わなくてもよい。

〇か×か。

答え:

打切補償は平均賃金の1200日分です。

令和5年度 1級土木施工管理技士 第一次検定 過去問解説 一覧へ

出典・参考資料

  • 一般財団法人 全国建設研修センター「令和5年度 1級土木施工管理技術検定 第一次検定(問題A・種別:土木) 問題」
  • 正答と選択肢の構成:1級土木施工管理技士の過去問 令和5年度 問51
  • 療養補償・休業補償・打切補償の条文:労働新聞社「労働基準法 第75条〜第88条」(必要な療養を行い、又は必要な療養の費用を負担しなければならない/平均賃金の百分の六十の休業補償/療養開始後三年を経過しても…平均賃金の千二百日分の打切補償)

※ 選択肢2の年数は問題文の抽出テキストが壊れていたため、条文の値(3年)で示しています。問題文と選択肢は転載していません。

ハナダユキヒロ

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

土木施工管理技士試験で過去に問われた用語・数値・施工手順を、官公庁の仕様書や日本道路協会の便覧に照らして整理しています。

「建築学生が学ぶ構造力学」(kentiku-kouzou.jp)を運営。著書「わかる構造力学」(工学社)。

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