ゼロから学ぶ土木施工管理

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令和5年度(後期)2級土木施工管理技士 No.13を解説、鋼道路橋の架設工法

令和5年度(2023年)2級土木施工管理技術検定 第一次検定(後期)No.13は、鋼道路橋の架設工法に関する問題です。設問は「クレーンを組み込んだ起重機船を架設地点まで進入させ、橋梁を所定の位置に吊り上げて架設する工法」を示し、⑴〜⑷の工法名のうち適当なものを選びます。

この問題のポイント

起重機船を水上から架設地点まで進入させて橋桁を吊り上げるのは、フローティングクレーンによる一括架設工法です。起重機船は鋼製の船体にクレーンを組み込んだ設備で、水深が深く流れのある海上・河口部の架設に用います。残る三つは、ベント式が陸上でクレーン車と仮支柱を使う工法、ケーブルクレーン直吊りが両岸の鉄塔間に張ったケーブルで吊る工法、トラベラークレーン片持ち式が既に架設した桁の上をクレーンが進みながら張り出す工法で、いずれも起重機船(船)を使いません。船を使う工法かどうかで見分けます。

※ 問題文そのものは、全国建設研修センターが公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢1(最も適当な記述)

各選択肢の正誤

選択肢適否解説
⑴ フローティングクレーンによる一括架設工法適当起重機船(船体にクレーンを組み込んだ設備)を水上から進入させ、橋梁を吊り上げて一括架設する。設問の記述と一致する
⑵ クレーン車によるベント式架設工法適当でない桁下に仮設のベント(支柱)を立て、自走クレーン車で部材を吊り組み立てる陸上工法。起重機船は使わない
⑶ ケーブルクレーンによる直吊り工法適当でない両岸の鉄塔間に張ったケーブルで部材を吊り込み架設する工法。深い谷など桁下にベントを組めない場所に用い、起重機船は使わない
⑷ トラベラークレーンによる片持ち式架設工法適当でない既に架設した桁の上に軌条を敷き、その上をクレーンが移動しながら順次張り出して架設する工法。起重機船は使わない

選択肢1のポイント(ここが正解)

設問が指すのは、水上に浮かべた起重機船で橋桁ごと吊り上げて据える工法=フローティングクレーンによる一括架設工法です。起重機船は鋼製の船体にクレーンを組み込んだ大型の吊り上げ設備で、地上であらかじめ組み立てた橋梁を一度に吊り上げ、水深が深く流れのある海上や河口部へ据え付けます。桁下に支柱を立てられない水域でも施工できるのが特徴です。

ベント式(⑵)は自走クレーン車が進入できる陸上で桁下に仮支柱を立てて組む工法、ケーブルクレーン直吊り(⑶)は両岸の鉄塔間のケーブルで吊る工法、トラベラークレーン片持ち式(⑷)は架設済みの桁上をクレーンが進む工法で、三つとも船を用いません。したがって起重機船を進入させて吊り上げる記述に当てはまるのは⑴だけです。

覚え方

  • 起重機船(船に載せたクレーン)で吊り上げる=フローティングクレーンによる一括架設工法
  • ベント式=陸上でクレーン車+仮支柱/ケーブルクレーン直吊り=両岸の鉄塔とケーブル/トラベラー片持ち式=既設桁の上をクレーンが進む
  • 架設地点が水上(海上・河口)なら船を使う工法、桁下が使える陸上なら支柱、深い谷ならケーブルと結び付けて選ぶ

理解度チェック

問題:クレーンを組み込んだ起重機船を架設地点まで進入させ、橋梁を吊り上げて架設する工法は、ケーブルクレーンによる直吊り工法である。

〇か×か。

答え:×

起重機船を進入させて吊り上げるのはフローティングクレーンによる一括架設工法です。ケーブルクレーン直吊りは両岸の鉄塔間に張ったケーブルで吊る工法で、船は使いません。

問題:トラベラークレーンによる片持ち式架設工法は、既に架設した桁の上にクレーンを乗せ、移動しながら順次張り出して架設する工法である。

〇か×か。

答え:

片持ち式架設工法は、架設済みの桁上に敷いた軌条をトラベラークレーンが進みながら部材を張り出して架設します。桁下に支柱を立てられない流水部などで用います。

令和5年度(後期)2級土木施工管理技士 第一次検定 過去問解説 一覧へ

出典・参考資料

  • 一般財団法人 全国建設研修センター「令和5年度 2級土木施工管理技術検定 第一次検定(後期・種別:土木) 問題」
  • 鋼橋の架設工法(フローティングクレーンによる一括架設=起重機船で水上から吊り上げ/ベント式=陸上でクレーン車+仮支柱/ケーブルクレーン直吊り=両岸の鉄塔間のケーブルで吊り込み/トラベラークレーン片持ち式=既設桁上をクレーンが進み張り出す)

※ 問題文は転載していません。鋼橋の架設工法は、日本橋梁建設協会の資料や鋼道路橋施工便覧等で確認してください。

ハナダユキヒロ

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

土木施工管理技士試験で過去に問われた用語・数値・施工手順を、官公庁の仕様書や日本道路協会の便覧に照らして整理しています。

「建築学生が学ぶ構造力学」(kentiku-kouzou.jp)を運営。著書「わかる構造力学」(工学社)。

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