ゼロから学ぶ土木施工管理

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令和5年度(後期)2級土木施工管理技士 No.12を解説、鋼材

令和5年度(2023年)2級土木施工管理技術検定 第一次検定(後期)No.12は、鋼材に関する①〜④の記述のうち、適当でないものを選ぶ問題です。この問題は当初1つを選ぶ形で出題されましたが、公式に正答が2つ(選択肢3と選択肢4)へ訂正されました。③と④のどちらも材料を取り違えている点がねらいです。

この問題のポイント

鋼材の劣化(腐食・疲労)と、部材ごとに使う鋼材の種類を区別できるかを問う問題です。ひっかかりやすいのは似た名前の材料の取り違えで、③は橋梁の支承や伸縮継手に使うのを「鋳鉄」としていますが正しくは鋳鋼、④は鉄筋の結束や蛇かごに使う鉄線を「硬鋼線材」としていますが正しくは軟鋼線材です。硬い方・脆い方を選んでしまうと誤ります。

※ 問題文そのものは、全国建設研修センターが公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢3と選択肢4(ともに適当でない記述)

各記述の適否

記述適否解説
① 鋼材は、気象や化学的な作用による腐食により劣化する適当鋼は錆(腐食)で断面が減り強度が低下するため防食が必要
② 疲労の激しい鋼材では、急激な破壊が生じることがある適当繰返し荷重による疲労は前触れなく急激な破壊に至ることがある
③ 鋳鉄や鍛鋼は、橋梁の支承や伸縮継手等に用いられる適当でない支承・伸縮継手に用いるのは鋳鋼・鍛鋼。鋳鉄は脆く衝撃・引張に弱いため不適
④ 硬鋼線材は、鉄線として鉄筋の組立や蛇かご等に用いられる適当でない鉄筋の結束や蛇かごの鉄線(なまし鉄線)は軟鋼線材から作る。硬鋼線材はPC鋼線・ワイヤロープ用

選択肢③・④のポイント(ここが誤り)

③の支承や伸縮継手は、繰返しの荷重や衝撃を受けながら橋の伸び縮みを支える部材です。ここに使うのは粘りのある鋳鋼(鋳造した鋼)鍛鋼で、③が挙げる鋳鉄は炭素が多く硬くて脆いため、支承・伸縮継手には用いられません。鋳鉄は圧縮には強い一方で衝撃や引張に弱く、名前が似ているだけの別材料です。

④の鉄線は、鉄筋を組み立てるときの結束線や蛇かごの網に使う細い線で、その素材は軟鋼線材(炭素の少ない線材を焼きなましたなまし鉄線)です。硬鋼線材は炭素が多く高強度で、PC鋼線・ワイヤロープ・ばね・ピアノ線に使う材料なので、④の用途には合いません。ここも硬い方の材料を選ぶとひっかかります。なお①の腐食による劣化、②の疲労による急激な破壊は、いずれも鋼材の性質として正しい記述です。

覚え方

  • 支承・伸縮継手=鋳鋼・鍛鋼(鋳鉄ではない)/鉄線・蛇かご=軟鋼線材(硬鋼線材ではない)
  • 硬鋼線材=炭素0.25%以上で高強度=PC鋼線・ワイヤロープ・ばね・ピアノ線用
  • 鋼材の性質=腐食(気象・化学作用)で劣化、疲労で急激な破壊が起こる

理解度チェック

問題:鋳鉄や鍛鋼は、橋梁の支承や伸縮継手等に用いられる。

〇か×か。

答え:×

支承や伸縮継手に用いるのは鋳鋼・鍛鋼です。鋳鉄は硬くて脆く、衝撃や引張を受けるこれらの部材には適しません。

問題:硬鋼線材は、鉄線として鉄筋の組立や蛇かご等に用いられる。

〇か×か。

答え:×

鉄筋の結束や蛇かごに使う鉄線(なまし鉄線)は軟鋼線材から作ります。硬鋼線材は高強度で、PC鋼線やワイヤロープ、ばねに用いる材料です。

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出典・参考資料

  • 一般財団法人 全国建設研修センター「令和5年度 2級土木施工管理技術検定 第一次検定(後期・種別:土木) 問題」
  • 鋼材の種類と用途(支承・伸縮継手=鋳鋼・鍛鋼/鉄線・なまし鉄線・蛇かご=軟鋼線材/硬鋼線材=PC鋼線・ワイヤロープ・ばね・ピアノ線)。線材の分類は一般社団法人 日本鉄鋼連盟の資料を参照。

※ 問題文は転載していません。本問は公式に正答が1つから2つ(選択肢3・4)へ訂正された問題です。最新の正答は全国建設研修センターの公表で確認してください。

ハナダユキヒロ

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

土木施工管理技士試験で過去に問われた用語・数値・施工手順を、官公庁の仕様書や日本道路協会の便覧に照らして整理しています。

「建築学生が学ぶ構造力学」(kentiku-kouzou.jp)を運営。著書「わかる構造力学」(工学社)。

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