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令和5年度(前期)2級土木施工管理技士 No.12を解説、鋼材の応力度とひずみの関係

令和5年度(2023年)2級土木施工管理技術検定 第一次検定(前期)No.12は、一般的な鋼材の応力度とひずみの関係(応力ひずみ曲線)を示した図について、⑴〜⑷の記述のうち適当でないものを1つ選ぶ問題です。

この問題のポイント

図の点Pから点Bへ向かって、鋼材は比例限度・弾性限度・上降伏点・下降伏点・引張強さ・破断点の順に状態が移り変わります。図の点YUは上降伏点で、弾性変形をする最大限度である弾性限度(点E)とは別の点です。⑵はこの上降伏点を弾性限度の説明とすり替えているため、適当ではありません。名称と点の位置がずれていないかで間違えやすい問題です。

※ 問題文そのものは、全国建設研修センターが公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢2(最も不適当な記述)

各記述の適否

記述適否解説
⑴ 点Pは、応力度とひずみが比例する最大限度である適当点Pは比例限度で、応力度とひずみが直線的に比例する上限の点
⑵ 点YUは、弾性変形をする最大限度である×(適当でない)点YUは上降伏点。弾性変形をする最大限度は弾性限度(点E)で、YUとは別の点
⑶ 点Uは、最大応力度の点である適当点Uは引張強さで、曲線の頂点=最大応力度を示す点
⑷ 点Bは、破壊点である適当点Bは破断点で、鋼材が最終的に破断(破壊)する点

選択肢2のポイント(ここが誤り)

鋼材の応力ひずみ曲線では、荷重を除けば元に戻る弾性変形の上限が弾性限度(点E)です。これを超えると荷重を除いても変形が残り(塑性変形)、やがて応力度がほとんど増えないまま伸びが進む降伏が始まります。この降伏が始まる最初のピークが上降伏点(点YU)で、その後に応力度が落ち込んだところが下降伏点(点YL)です。

⑵は「点YU=弾性変形をする最大限度」としていますが、弾性変形をする最大限度は弾性限度(点E)であり、点YUはその先にある上降伏点です。点Eと点YUを取り違えている点が誤りです。⑴の比例限度(点P)、⑶の引張強さ=最大応力度(点U)、⑷の破断点(点B)はいずれも図の点の意味どおりで適当です。したがって適当でないものは選択肢2です。

図が手元になくても、各点の名称と意味の対応で判定できます。

点(応力度が増す順)名称意味
点P比例限度応力度とひずみが比例する最大限度
点E弾性限度弾性変形(除荷で元に戻る)をする最大限度
点YU上降伏点降伏(塑性変形)が始まる最初のピーク
点YL下降伏点降伏後に応力度が落ち込んだ点
点U引張強さ最大応力度の点(曲線の頂点)
点B破断点鋼材が破断(破壊)する点

覚え方

  • 点の並び順=P(比例限度)→E(弾性限度)→YU(上降伏点)→YL(下降伏点)→U(引張強さ)→B(破断点)
  • 点YU=上降伏点。弾性変形をする最大限度は弾性限度(点E)で、YUとは別の点
  • 比例限度=比例する上限/弾性限度=除荷で元に戻る上限/引張強さ=最大応力度/破断点=最後に切れる点

理解度チェック

問題:応力ひずみ曲線の点YUは、弾性変形をする最大限度である。

〇か×か。

答え:×

点YUは上降伏点で、降伏が始まる点です。弾性変形をする最大限度は弾性限度(点E)で、YUとは別の点です。

問題:応力ひずみ曲線の点Pは、応力度とひずみが比例する最大限度である。

〇か×か。

答え:

点Pは比例限度で、応力度とひずみが直線的に比例する上限の点です。これを超えると比例関係が崩れ、やがて弾性限度・降伏点へと進みます。

令和5年度(前期)2級土木施工管理技士 第一次検定 過去問解説 一覧へ

出典・参考資料

  • 一般財団法人 全国建設研修センター「令和5年度 2級土木施工管理技術検定 第一次検定(前期・種別:土木) 問題」
  • 鋼材の応力ひずみ曲線の各点(点P=比例限度/点E=弾性限度=弾性変形の最大限度/点YU=上降伏点/点YL=下降伏点/点U=引張強さ=最大応力度/点B=破断点)

※ 問題文・図は転載していません。各点の定義は材料力学の教科書等で確認してください。

ハナダユキヒロ

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

土木施工管理技士試験で過去に問われた用語・数値・施工手順を、官公庁の仕様書や日本道路協会の便覧に照らして整理しています。

「建築学生が学ぶ構造力学」(kentiku-kouzou.jp)を運営。著書「わかる構造力学」(工学社)。

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