令和5年度(2023年)2級土木施工管理技術検定 第一次検定(前期)No.13は、鋼材の溶接接合に関する⑴〜⑷の記述のうち、適当なものを選ぶ問題です。
適当なものは⑷で、⑴⑵⑶が誤りです。溶接の始端・終端に取り付けて欠陥を材外へ逃がすのはエンドタブで、⑴の「スカラップ」は溶接線の交差を避ける切欠きなので役割が違います。⑵は水分が割れやブローホールを招くため乾燥が正しく、⑶の裏はつりは完全溶込み開先溶接で行う操作でありすみ肉溶接では原則行いません。エンドタブ・スカラップ・裏はつりの用途を入れ替えて誤らせる出題です。
※ 問題文そのものは、全国建設研修センターが公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢4(最も適当な記述)
| 記述 | 適否 | 解説 |
|---|---|---|
| ⑴ 開先溶接の始端と終端は溶接欠陥が生じやすいので、スカラップという部材を設ける | 適当でない | 始端・終端に取り付けるのはエンドタブ。スカラップは溶接線の交差を避ける切欠きで別物 |
| ⑵ 溶接の施工にあたっては、溶接線近傍を湿潤状態にする | 適当でない | 溶接線近傍は乾燥させる。水分は割れ・ブローホールの原因 |
| ⑶ すみ肉溶接においては、原則として裏はつりを行う | 適当でない | 裏はつりは完全溶込み開先溶接の操作。すみ肉溶接では原則行わない |
| ⑷ エンドタブは、溶接終了後、ガス切断法により除去してその跡をグラインダ仕上げする | 適当 | エンドタブは溶接後にガス切断で除去し、跡をグラインダ仕上げする |
⑴のエンドタブは、溶接の始端・終端に取り付ける捨て板です。溶接は始めと終わりで品質が安定せず欠陥が出やすいため、その不安定な部分を母材の外側(エンドタブ上)で発生させ、あとで切り落とします。⑴が挙げたスカラップは、フランジとウェブの溶接線が交差するのを避けるためにウェブへ設ける切欠きで、始端・終端の欠陥処理とは目的が異なります。用途を入れ替えた誤りです。
⑵は、溶接部に水分があると水素が入り込んで割れやブローホール(気孔)を招くため、溶接線近傍は湿潤状態ではなく乾燥させるのが正しい施工です。⑶の裏はつりは、両面から溶接する完全溶込み開先溶接で、表側を溶接したあと裏面の溶込み不良部を削り取ってから裏側を溶接する操作です。すみ肉溶接は開先を取らない三角形状の溶接なので、裏はつりは原則行いません。これらに対し、⑷のエンドタブを溶接後にガス切断法で除去し跡をグラインダ仕上げする手順は正しく、適当なものは⑷です。
問題:開先溶接の始端と終端は溶接欠陥が生じやすいので、スカラップという部材を設ける。
〇か×か。
答え:×
始端・終端に取り付けて欠陥を母材外へ逃がすのはエンドタブです。スカラップは溶接線の交差を避けるためにウェブへ設ける切欠きで、目的が違います。
問題:すみ肉溶接においては、原則として裏はつりを行う。
〇か×か。
答え:×
裏はつりは、両面から溶接する完全溶込み開先溶接で表側の溶接後に裏面の欠陥部を削り取る操作です。すみ肉溶接では原則行いません。
出典・参考資料
※ 問題文は転載していません。溶接接合の要点は、最新の鋼道路橋施工便覧等で確認してください。
※ この記事の確認日:2026年7月
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