令和5年度(2023年)2級土木施工管理技術検定 第一次検定(前期)No.14は、コンクリート構造物の耐久性を向上させる対策に関する⑴〜⑷の記述のうち、最も適当なものを選ぶ問題です。塩害と凍害という劣化機構ごとに対策が対応しているか、そして水セメント比や骨材の大小の向きが正しいかを見分けます。
適当なのは⑷だけで、⑴⑶は対策の「向き」が逆、⑵は劣化機構と対策の組合せが違います。塩害対策は水セメント比を小さくして密実にするのが正しく(⑴は大きくするとして逆)、凍害対策は吸水率の小さい骨材を使うのが正しい(⑶は大きい骨材として逆)。⑵の膨張材は収縮補償・ひび割れ低減のための混和材で、塩害対策として挙げるのは対応違いです。⑷のAE減水剤は連行空気で耐凍害性を高める、正しい凍害対策です。
※ 問題文そのものは、全国建設研修センターが公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢4(最も適当な記述)
| 記述 | 適否 | 解説 |
|---|---|---|
| ⑴ 塩害対策として、水セメント比をできるだけ大きくする | 適当でない | 逆。塩害対策は水セメント比を小さくして密実にし、塩化物イオンの侵入を抑える |
| ⑵ 塩害対策として、膨張材を用いる | 適当でない | 膨張材は収縮補償・ひび割れ低減のための混和材で、塩害対策として挙げるのは対応違い |
| ⑶ 凍害対策として、吸水率の大きい骨材を使用する | 適当でない | 逆。凍害対策は吸水率の小さい良質な骨材を使う。吸水率の大きい骨材は凍結で破壊されやすい |
| ⑷ 凍害対策として、AE減水剤を用いる | 適当 | 連行した微細な空気泡が凍結時の膨張圧を緩和し、耐凍害性を高める |
⑷が正しいのは、AE減水剤が連行するエントレインドエア(微細で独立した空気泡)が、水の凍結による膨張圧を逃がすクッションとして働き、凍結融解の繰返しに対する抵抗性を高めるためです。凍害対策の基本がこの空気連行です。
残る3つはいずれも「対策の向き」か「機構と対策の対応」でずらしてあります。⑴と⑶は大小が逆で、塩害対策では水セメント比を小さく(大きくではない)、凍害対策では吸水率の小さい骨材を使う(大きいではない)のが正しい記述です。⑵は膨張材を塩害対策として挙げていますが、膨張材の役割は乾燥収縮や温度変化による収縮を補償してひび割れを抑えることで、塩化物イオンの侵入を防ぐ塩害対策とは目的が別です。塩害対策として正しいのは、水セメント比を小さくする、かぶりを大きく取る、エポキシ樹脂塗装鉄筋を使うといった手です。
問題:コンクリートの塩害対策として、水セメント比をできるだけ大きくする。
〇か×か。
答え:×
塩害対策は水セメント比を小さくして密実にし、塩化物イオンの侵入を抑えます。大きくするのは逆です。
問題:コンクリートの凍害対策として、AE減水剤を用いる。
〇か×か。
答え:〇
AE減水剤が連行する微細な空気泡が凍結時の膨張圧を緩和し、耐凍害性を高めます。凍害対策の基本です。
出典・参考資料
※ 問題文は転載していません。劣化機構と対策は、コンクリート標準示方書等で確認してください。
※ この記事の確認日:2026年7月
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