ゼロから学ぶ土木施工管理

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令和5年度(前期)2級土木施工管理技士 No.23を解説、ダムの施工

令和5年度(2023年)2級土木施工管理技術検定 第一次検定(前期)No.23は、ダムの施工に関する⑴〜⑷の記述のうち、適当でないものを1つ選ぶ問題です。転流工・基礎掘削・グラウチング・RCD工法という、ダム工事を最初から締固めまで一通りたどる出題です。

この問題のポイント

誤りは⑵で、基礎掘削の工法名を取り違えています。ダム本体の基礎で大量の岩盤を掘るときは、発破(爆破掘削)を使うベンチカット工法が主役です。ブレーカ工法は油圧ブレーカで岩を割る無発破の掘削で、仕上げや小規模な掘削に向くもので、大量掘削の一般的な工法ではありません。「爆破掘削」と「ブレーカ工法」が結び付かないところが引っかけです。⑴転流工・⑶グラウチング・⑷RCD工法はいずれも適当です。

※ 問題文そのものは、全国建設研修センターが公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢2(適当でない記述)

各記述の正誤

記述正誤解説
⑴ 転流工は、工事期間中の河川の流れを迂回させ、ダム本体工事を確実・容易に施工するためのもの適当転流工=仮排水路で河川を迂回させ、本体を乾いた状態で施工する
⑵ ダム本体の基礎掘削は、大量掘削に対応できる爆破掘削によるブレーカ工法が一般的適当でない大量掘削は発破によるベンチカット工法。ブレーカ工法は無発破で大量掘削向きではない
⑶ 重力式コンクリートダムの基礎処理は、コンソリデーショングラウチングとカーテングラウチングの施工が一般的適当コンソリで着岩部・弱部を補強、カーテンで面的な遮水面をつくる
⑷ RCD工法は、コンクリートをダンプトラックで運搬し、ブルドーザで敷き均し、振動ローラ等で締め固める適当超硬練りコンクリートをダンプ運搬・ブル敷均し・振動ローラ締固め

記述⑵のポイント(ここが誤り)

ダム本体の基礎では、まず広い範囲の岩盤を新鮮な支持層まで掘り下げます。この大量掘削で一般的に用いるのは、平坦なベンチ(作業盤)を造成して削孔・装薬し、発破(爆破掘削)で階段状に切り下げていくベンチカット工法です。1回の発破で大きな量を砕けるうえ、大型の掘削・運搬機械を導入できるため大量掘削に適しています。

一方でブレーカ工法は、油圧ブレーカで岩を打ち割る無発破の掘削で、仕上げ掘削や発破が使えない箇所・小規模掘削に用いるものです。記述⑵は「爆破掘削によるブレーカ工法」と、爆破とブレーカという結び付かない語を並べており、大量掘削の一般的な工法としても誤りです。したがって適当でないのは⑵です。

覚え方

  • ダム基礎の大量掘削=発破のベンチカット工法/ブレーカ工法は無発破で仕上げ・小規模用
  • 転流工=工事期間中に河川を迂回させる仮排水路(本体を乾かして施工)
  • 基礎処理=コンソリデーショングラウチング(着岩部・弱部の補強)+カーテングラウチング(面的な遮水)
  • RCD工法=超硬練りコンクリートをダンプ運搬→ブルドーザ敷均し→振動ローラ締固め

理解度チェック

問題:ダム本体の基礎の掘削は、大量掘削に対応できる爆破掘削によるブレーカ工法が一般的に用いられる。

〇か×か。

答え:×

大量掘削に用いるのは発破によるベンチカット工法です。ブレーカ工法は油圧ブレーカによる無発破掘削で、仕上げや小規模な掘削向きです。

問題:RCD工法では、コンクリートをダンプトラックで運搬し、ブルドーザで敷き均し、振動ローラ等で締め固める。

〇か×か。

答え:

RCD工法は超硬練りコンクリートをダンプで運び、ブルドーザで敷き均し、振動ローラで締め固めます。面状に打設できるため大規模な重力式コンクリートダムに適します。

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出典・参考資料

  • 一般財団法人 全国建設研修センター「令和5年度 2級土木施工管理技術検定 第一次検定(前期・種別:土木) 問題」
  • ダムの施工(基礎の大量掘削=発破によるベンチカット工法/ブレーカ工法=無発破・仕上げや小規模掘削/基礎処理=コンソリデーショングラウチング・カーテングラウチング/転流工=工事期間中に河川を迂回/RCD工法=ダンプ運搬・ブルドーザ敷均し・振動ローラ締固め)

※ 問題文は転載していません。ダムの施工方法は、最新の技術基準・施工便覧等で確認してください。

ハナダユキヒロ

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

土木施工管理技士試験で過去に問われた用語・数値・施工手順を、官公庁の仕様書や日本道路協会の便覧に照らして整理しています。

「建築学生が学ぶ構造力学」(kentiku-kouzou.jp)を運営。著書「わかる構造力学」(工学社)。

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